30年以内に震度6弱以上の大地震が発生する確率が太平洋側で上昇-全国地震動予測地図2016年版を公表

今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率2_全国地震動予測地図2016年版画像引用元: 全国地震動予測地図2016年版
2016年6月10日(金)、政府の地震調査委員会(委員長・平田 直(ひらた なおし)東京大学教授)は、日本全土で今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した「全国地震動予測地図2016年版」を公表しました。

全国地震動予測地図2016年版

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30年以内に震度6弱以上の大地震が発生する確率が太平洋側で上昇-2016年版と2014年版の比較から

今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率_2016年版と2014年版の比較_全国地震動予測地図2016年版画像引用元: 全国地震動予測地図2016年版
・太平洋側では、巨大地震が起きず前回から2年経過した分、地震を引き起こす海側と陸側のプレート境界のひずみが増え、確率が上昇。

・静岡市で68%、津市で62%、和歌山市で57%、高知市で73%など確率が2ポイント高まった。

・主要都市では、札幌市0.92%、仙台市5.8%、東京都47%、横浜市81%、名古屋市45%、大阪市55%、広島市22%、福岡市8.1%など。14年版とはプラスマイナス1ポイント以内になっている。

・一方、長野県北部から山梨県南部に延びる糸魚川―静岡構造線断層帯について、最新の断層評価を反映させた結果、長野市で7.5ポイント低下。長野県内では10ポイント以上上下した地域があった。

ソース:朝日新聞デジタル

・首都直下地震が懸念される関東南部や東海−四国の南海トラフ沿いなどは依然として高い。

・熊本市では前回の7.8%から0.2ポイント低い7.6%になった。熊本地震の影響を考慮したとしても、大きく変化しない見込み。

・平田委員長は、熊本地震の活動域周辺について「予測地図の状態よりさらに地震が起きやすくなったと思って注意したほうがいい」と話す。

・長野県中部の上昇は、15年に本州を東西に二分する「糸魚川−静岡構造線断層帯」について19年ぶりに区間や過去の活動歴を見直した結果を反映させたため。

・同県安曇野市で10.4ポイント上昇し29.5%になった地点があった。反対に同県小谷村で12.6ポイント下落し3.9%になった地点があった。

・平田委員長は「重要なのは日本中で強い揺れに見舞われる確率がゼロのところがないこと」と話す。

ソース:毎日新聞

・前回14年版と比べ、長野県安曇野市で19.1%から29.5%へと大きく上昇した。

・熊本市は7.6%(7.8%)など、九州北部ではわずかに減少していたが、実際に大地震が起きた。

・調査委は「8%より低いところでも大きな地震が起きたということを認識し、防災に役立ててほしい」としている。

ソース:産経ニュース

・北海道根室市は63%、静岡市は68%、高知市は73%で、それぞれ2ポイント上がった。

・評価が見直されたのは糸魚川―静岡構造線断層帯。中北部の一部区間は比較的高い確率で地震を起こす可能性があるとする一方、それ以外の区間は確率が低いと評価した。

・この結果、長野県安曇野市内で14年版に比べて10.4ポイント上昇し29.5%に、同県小谷村内では12.6ポイント下降し3.9%になった。

・地震調査委の平田委員長は「日本は世界的に見ても非常に地震の多い国だ。強い揺れに見舞われる確率がゼロとなるところは存在しない」と強調。そのうえで、建物の耐震化や家具の固定など地震に対する備えの重要性を指摘した。

ソース:日本経済新聞

・南海トラフ沿いの津市で62%、和歌山市で57%、高知市で73%と、いずれも前回から2ポイント上昇した。

・関東では首都直下地震や、相模湾から房総半島沖に延びる相模トラフで起きる海溝型地震の影響で、水戸市81%、千葉市85%、横浜市81%などと、前回並みの高い数値を示した。

・調査委が15年に公表した関東地域の活断層長期評価で、糸魚川―静岡構造線断層帯の予測が見直された結果、長野県安曇野市で19.1%から29.5%へと大きく上昇、同県小谷村では16.6%から3.9%に減少した。

・平田委員長は「地図上に確率がゼロの場所はなく、日本中のどこでも強い地震に見舞われる可能性があるというのが大前提。これを念頭に、地震に対する備えをしてもらいたい」と強調した。その上で、今後、地震発生確率の表現の在り方など情報発信の改善を検討するとした。

ソース:静岡新聞アットエス

全国地震動予測地図とは?

・将来日本で発生する恐れのある地震による強い揺れを予測し、予測結果を地図として表したもの。

・「全国地震動予測地図」は、「確率論的地震動予測地図」と「震源断層を特定した地震動予測地図」の2種類の地図から構成されている。

・「確率論的地震動予測地図」は、地震発生の長期的な確率評価と強震動の評価を組み合わせた予測地図。

・「震源断層を特定した地震動予測地図」は、特定の地震に対して、ある想定されたシナリオに対する強震動評価に基づく予測地図。

・国の地震調査研究推進本部により作成されている。
※「地震調査委員会」は「地震調査研究推進本部」の中の一組織。

ソース:全国地震動予測地図とは | J-SHIS 地震ハザードステーション

・2008年版までは「全国を概観した地震動予測地図」という名称だった。
※過去の「全国地震動予測地図」一覧

・正式名称は「全国を概観した地震動予測地図−今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」。

・「今後30年以内」と区切っているのは、この数値が国民個々人の将来設計を考えるときに一つの目安になるため。

・「震度6弱以上」としたのは、震度6弱の地震が発生したとき、人的被害及び物的被害の発生する可能性が極めて高くなるため。

ソース:確率的地震動予測地図の見方 | 地震本部

「2016年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」図(全国地震動予測地図)の見方

今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率2_全国地震動予測地図2016年版画像引用元: 全国地震動予測地図2016年版
上記の画像は、記事冒頭の画像と同じものです。

・図の確率は、「その場所で地震が発生する確率」ではなく、「日本周辺で発生した地震によってその場所が震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を示す。

・地震には大きく分けて、東北地方太平洋沖地震のように海溝付近で発生する「海溝型地震」と、兵庫県南部地震のように陸域の浅いところで起こる「陸域の浅い地震(活断層型地震)」の2パターンがある。

・日本周辺の太平洋側沖合いには、千島海溝、日本海溝、南海トラフといった海溝型地震を起こす陸と海のプレートの境界があり、海溝型地震の発生間隔が数十年から百年程度と短いため、海溝型地震による揺れに見舞われる確率が太平洋側で高くなる。

・陸域の浅い地震の発生源である活断層の地震の発生間隔は一般に1000年以上と長いため、海溝型地震と比べると、陸域の浅い地震による揺れに見舞われる確率は全般に小さくなる。

・ただし、日本列島には未確認のものも含めて多くの活断層が分布しており、全国どこでも地震が発生する可能性がある。

・また、防災科学技術研究所の「地震ハザードステーション」で見ると、近接した場所でも確率が大きく異なる場所があるが、これは場所によって地盤の揺れやすさが大きく異なるため。

・地震動予測地図は最新の知見に基づいて作成されているが、使用できるデータには限りがあるため、結果には不確実さが残る。今後の調査によってこれまで知られていなかった地震や活断層が発見されて、確率が上がる可能性もある。

・2016年版は2016年1月1日時点での予測のため、4月に発生した熊本地震の結果は反映されていない。地震の原因となった活断層の評価が終わり次第、結果を反映する方針。

ソース:全国地震動予測地図2016年版 付録2

まとめ

「全国地震動予測地図2016年版」では7.6%と確率が低かった熊本市で大きな地震が起きるなど、確率の捉え方の難しさや予測地図の信憑性への疑問も感じます。
それでも、南海、東南海、東海地震等が発生したら、「予測が当たった」と言うのだろうと思います。

「こうした確率論から出される地震の長期予測は役に立たない」と、地震学者らのやり方に異を唱える上田誠也東大名誉教授については、下記の記事も参照ください。

「上田誠也東大名誉教授に聞く」~地震予知研究は前兆現象探求~を読んで