おーぷん2ちゃんねる:転載自由の匿名掲示板の魅力と特徴

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今回は、日本のインターネット文化に大きな影響を与えている「おーぷん2ちゃんねる」について紹介します。
この匿名掲示板は、転載自由という特徴を持ち、独自の機能や文化を育んできました。その歴史や特徴、現在の状況について詳しく見ていきます。

おーぷん2ちゃんねるとは

おーぷん2ちゃんねるは、2012年6月7日に開設された日本の電子掲示板です。開設者および管理人はITエンジニアの矢野さとるです。この掲示板は、当時大きな話題となっていた2ちゃんねるの転載問題をきっかけに誕生しました。

「転載自由な2ちゃんねる風掲示板」を謳っており、投稿は全て著作権を放棄したパブリックドメインとして公開されています。これにより、ウェブサイト上で自由に転載・改変が可能となっています。スレッドフロート型掲示板であり、2ちゃんねるとほぼ同じ構成を取っているため、2ちゃんねるユーザーにとっても使いやすい設計となっています。

おーぷん2ちゃんねるの特徴として、他の掲示板と比較して標準の機能が豊富であることが挙げられます。一般のブラウザからの閲覧でも様々な機能を利用できるため、ユーザーにとって使い勝手の良い環境が整っています。また、2022年時点においても設立者による機能の拡張と修正が続いており、常に進化し続ける掲示板として注目されています。

おーぷん2ちゃんねるの歴史

おーぷん2ちゃんねるの誕生は、2012年6月に起きた2ちゃんねるの転載問題に端を発しています。当時、2ちゃんねるの投稿を転載していたアフィリエイトブログがデマを流して問題となり、2ちゃんねるの運営が一部大手アフィブログに対して転載禁止を言い渡すという出来事がありました。

この騒動を受けて、嘘ニュースサイトの虚構新聞が『転載自由の匿名掲示板、転載ちゃんねる誕生』という2ちゃんねるをネタにした記事を掲載しました。その記事を見た矢野さとるが、ジョークとして実際に転載自由な掲示板を作ったのが「おーぷん2ちゃんねる」の始まりです。

開設当初は物珍しさもあり一定の盛り上がりを見せましたが、2ちゃんねるの転載問題に決着がつき、騒動が沈静化すると、多くの利用者は再び2ちゃんねるやアフィブログに戻っていきました。その後しばらくの間、おーぷん2ちゃんねるは過疎状態に陥りましたが、この期間中も矢野さとるは様々な独自機能を開発し、掲示板に搭載し続けました。

特に「お絵かき機能」はおーぷん2ちゃんねるの特徴の一つとなり、後に2ちゃんねるでも同様の機能が追加されるほどの影響力を持ちました。このような独自機能の開発が、後のおーぷん2ちゃんねるの人気につながっていきます。

おーぷん2ちゃんねるの特徴と機能

おーぷん2ちゃんねるには、他の掲示板にはない独自の特徴や機能が多数存在します。これらの機能が、ユーザーにとっての魅力となっています。

まず、スレッドの仕様について、本家2ちゃんねるでは、一つのスレッドに書き込める数が1000までと制限されていますが、おーぷん2ちゃんねるではスレッドを立てた主のみ1000以上(最大1005まで)書き込みを行うことができます。これにより、長期的な議論や情報の蓄積が可能となっています。

また、書き込みの際の機能も充実しています。別画面を経由せず、そのまま書き込みを行うことができ、書き込みの際には効果音が鳴る(オフにすることも可能)など、ユーザビリティが向上しています。さらに、書き込み欄には、お絵描きなど多数の機能を使用するボタンなどが存在しており、表現の幅が広がっています。

特筆すべき機能として、「おーぷぬ」があります。これは2020年9月24日に実装された仕様で、個人で板を作成することができるというものです。作成には忍法帖レベル3以上が必要ですが、ユーザーが自由にコミュニティを作り出せるという点で、非常に画期的な機能と言えるでしょう。

おーぷん2ちゃんねるの現状

おーぷん2ちゃんねるは、開設から10年以上が経過した現在も活発に利用されています。統計によると、毎日一万人程度が活動しており、2ちゃん系の板では最大級の書き込み数を誇っています。

特に、「おんJ」と呼ばれるなんJ板(なんでも実況J)は、独自の文化を築きつつあります。また、ブラウザゲーム板なども、本家2ちゃんねるから多くのユーザーが移住してきており、活況を呈しています。

これらの人気の背景には、おーぷん2ちゃんねるの荒らし対策機能があります。「通報タブ」「特定ID無視」「スレッド単位でのアク禁」など、本家2ちゃんねるには無い細かい自治機能が実装されています。これにより、荒らしに潰されやすい小規模コミュニティが自治によってある程度荒らしに対抗できるようになっています。

まとめ

おーぷん2ちゃんねるは、転載自由という特徴を持つ匿名掲示板として、日本のインターネット文化に独自の位置を占めています。2ちゃんねるの転載問題をきっかけに誕生し、独自の機能開発や荒らし対策によって、多くのユーザーを惹きつけてきました。

お絵かき機能やおーぷぬなど、ユニークな機能の実装や、自治によるコミュニティ運営の可能性など、おーぷん2ちゃんねるは常に進化を続けています。