ベーシックインカム導入? ビル・ゲイツの「ロボットが人の仕事を奪うなら、ロボットに課税するべきだ」について思うこと


先日、ビル・ゲイツが「ロボットが人の仕事を奪うなら、ロボットに課税するべきだ」と言った、というニュースを目にしました。

人は、収入に応じて所得税を課されている。その人に代わってロボットが同じ仕事をするなら、ロボットにも税金を課してはどうだろうか?というのがビル・ゲイツの提案だ。税金は福祉や教育など人手不足の仕事に役立てよう、という。
ビル・ゲイツの「ロボットに課税してはどうか」というアイディアを検討したい。果たして、課税の対象は「ロボット」だけなのだろうか──ソフトウェアは?
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ビル・ゲイツの主張

・ロボットの導入によって人の雇用が減ることのダメージを緩和するために、ロボットを利用する主体から税金を徴収して、人手が不足している介護や教員の採用増に役立てよう、という考え。

・人が働くと所得税が課される。代わりにロボットが同じ仕事量をこなしたら、人と同じレベルで税金を課す、というやり方が考えられる。

・倉庫の管理やドライバー、清掃といった仕事は今後20年で無くなる(人の代わりにロボットが担う)が、人に対する思いやりや理解が求められる仕事は、ロボットには不向きだろう。

・「イノベーションを阻害することなく、ロボットに課税する方法を見つけられるだろうか?」という質問に対して、「よしんば自動化(ロボットの導入・普及)のペースを遅らせることになろうとも、課税をしたほうがいいだろう」と主張。

そのような税制は、うまく導入・運用できるのか?

・人間の形をしたロボットならば課税単位もわかりやすいが、人の代わりの仕事をするソフトウェアの場合はどうするか? また、ロボットの形をしていても、人間の10倍、100倍の仕事をする場合、人間にはできない仕事をする場合は、どうカウントするのか?

・たとえば、アマゾンの音声認識AI「Alexa」の普及で、競合スーパーの雇用が喪失した場合は、どう捉えるか? 雇用喪失によって失われた所得税を、アマゾンから徴収できるのか?

・「ロボットの導入を阻害すれば企業の競争力が低下し、人間の雇用も減ってしまう」という意見や、逆に「ロボットやAIの導入によって人間の雇用が増える」という主張もある。

記事を読んで思うこと

ロボットの導入に対して課税をし、それを財源に職を失った人たちに生活資金を配れば、雇用の喪失問題は解決し、課税によってロボットの導入・進歩が遅れれば、雇用喪失スピードにブレーキが掛けられる、という一石二鳥の効果も語られています。

私も昔、似たようなことを考えたことがありました。
ロボットやAIが進歩して、人間の代わりに働いてくれれば、ロボットが作り出した富で、人間は働かなくてもよくなる、と考えました。

現代の日本に当てはめると、仕事に就いて働いている現役世代が年金保険料を納めて、高齢者等の年金受給世代を支えている、という構図と同じでしょうか。
また、年金受給世代は、ベーシックインカムみたいなものとも言えるかもしれません。
(ベーシックインカムは、毎月一定の金額を支給することにより、他の社会保障制度を簡素化して行政コストを削減するという目的もあるので、社会保障制度も手堅いままの年金受給の方が優遇されている、と言えるかもしれません)

この構図が「ロボットが働いて、人間を支える」という形に置き換わるイメージです。

しかし、実際にはどうなるかと考えてみると、おそらく、ロボットが作り出した富は公平に人に配られるのではなく、ロボットを製造・所有する企業に集中するだろうなと。

それを公平に分配するために、「ロボットに課税する」という発想に私も至りました。
しかし、そういった税制を日本が導入した場合、企業が払う税金の分、企業のロボット開発費が減るわけですから、日本のロボット開発競争力は落ちるだろうなと。

そして、日本だけがロボット税制を導入しても、他国がロボット企業誘致のために無課税や減税を行ったら、企業は日本から逃げてしまい、日本のロボット技術は衰退してしまいます。
ロボット導入が進まずに人間の雇用は守られるかもしれませんが、ロボット導入によって生産コスト削減に成功した安い商品が外国から入ってきて、日本の企業全体が衰退してしまい、雇用も失われる可能性があります。

雇用が失われない可能性

一方で、私見ですが、ロボットの導入で人間の雇用が減っても、市場が広がれば、雇用が必要な人間の数分ぐらいは、雇用の需要が広がって失業しなくて済むだろう、という可能性もあります。

その市場を外国に見い出す場合は、その外国にしわ寄せが行ってしまいますが、市場の広がりを日本国内で考えると、イメージとしては、人が欲しがる商品が高度化して、今まで人間2人分の労働力で生産できていたものが、ロボットと人間5人分の労働力が必要になる等。

計算としては、必要な人間の数が変わらず、ロボットと人間2人分の労働力で生産できる商品ならば、その業界の雇用は失われません。
商品の価格は変わらないとすると、ロボットが入った分コストが掛かり、人間1人あたりの労働賃金は減ってしまうかもしれませんが。

ただ、ロボットやAIの導入で人間の雇用が失われた業界の人数分を吸収するとなると、人間の労働が外せない業界が人間を雇う数を増やすか、今ままでなかった新たな商品やサービス業界市場が芽生えて人間を雇うか。
おそらく、何かしらの商品サービス市場が新たに出現しているだろうとは思いますが、未来の技術に期待するだけというのは、少々心許ないです。

まとめ

まだ将来の話ですが、こういった推測から、ロボットへの課税は難しいのではないかと思います。

ロボットと人間とのベーシックインカムの構図自体は、今の現役世代と年金受給世代と同じようなものなので、できそうな気はしますが、ロボット税をどう徴収するか?
なかなか難題です。

これから職に就く若い方々は、ロボットやAI関連業界に行けば、未来は明るいかもしれません。

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