オンラインストレージを全文検索する方法~アンドロサーチアプリを利用する

アンドロサーチ
今回紹介するのは、アンドロサーチというAndroidアプリと、他にいくつかのアプリを組み合わせて、Androidスマホで全文検索を行う方法です。

通常、Dropboxで全文検索をするには、Dropbox Businessアカウントを契約、またはDropbox BusinessアカウントとリンクしているDropbox Pro やBasicアカウントを用意する必要があります。

Googleドライブだと無料アカウントでも全文検索ができますが、該当ファイルを拾ってくるだけでファイル中の該当箇所の表示がなく、やや使いにくい出来栄えとなっています。

また、Windows用に探三郎という全文検索ができるフリーソフトがあり、DropboxやGoogleドライブと同期させたローカルフォルダを検索対象にすれば、実質的にオンラインストレージのファイルを全文検索することができます。
しかし、ブログ管理人が探三郎を使ってみたところ、拾い逃すファイルがあったりと、精度にやや難があります。

これらがアンドロサーチアプリを使うと、無料で使い勝手良く全文検索を行うことができます。

 
 

全文検索環境の構築に使用するアプリ

環境はAndroidスマホ上に構築します。

アンドロサーチ:全文検索アプリ

Autosync Dropbox – Dropsync:Dropboxとスマホのローカルフォルダを同期するアプリ
「Autosync Dropbox – Dropsync」は、Dropbox用の同期アプリで、Googleドライブ用には「Autosync Google Drive」、OneDrive用には「Autosync OneDrive – OneSync」があります。

Dropbox:オンラインストレージ
Dropboxは大量のテキストファイルの高速同期が得意なため、全文検索の用途に適したオンラインストレージとして、当記事ではDropboxを使用した解説を行います。

Jota+:テキストエディタアプリ
「Jota+」(テキストエディアアプリ)は、全文検索を行うにあたり直接には関係ありませんが、Androidスマホでテキストファイルを扱う際に使い勝手の良いアプリなので、合わせて解説します。

※「アンドロサーチ」「Autosync Dropbox – Dropsync」「Jota+」には、それぞれ有料ライセンスがありますが、今回の「全文検索環境の構築」用途では、無料のままで構築できます。

全文検索環境の構築の流れ

以下の手順になります。

【パソコン側】
・Dropboxアカウントの取得、パソコンのローカルフォルダと同期設定を行う

【Androidスマホ側】
・「アンドロサーチ」アプリをインストール、設定を行う

・AndroidスマホのローカルフォルダとDropbox上に同期させるフォルダを作成する

・「Autosync Dropbox – Dropsync」アプリをインストール、同期設定を行う
通常スマホのDropboxアプリは、パソコンの同期と違って、ローカルフォルダにDropbox上のファイルを置きません。キャッシュフォルダに一時的に置くことはあっても、読み書きするファイルは、その都度、クラウド上のDropboxにアクセスして処理します。
この「Autosync Dropbox – Dropsync」アプリを使うと、パソコンの同期と同じように、スマホのローカルフォルダ上にDropbox上のファイルを置く形となります。

・「Jota+」アプリをインストール、設定を行う
「アンドロサーチ」アプリで検索したテキストファイルを開いて編集する際に便利です。
※他に使用しているテキストエディタアプリがあれば必要ありません。

これで、AndroidスマホでDropboxのファイルを全文検索できるようになります。

その他
・実際の運用と注意点
「アンドロサーチ」を使った実際の全文検索手順と注意点を解説します。

それでは、各作業手順を解説していきます。

Dropboxアカウントの取得、パソコンのローカルフォルダと同期設定を行う

Dropboxアカウントの取得や同期設定については、下記の記事を参照ください。
https://attech.info/dropbox-how-to-use-account-security/

Dropboxアプリの使い方~インストールと初期設定
Dropboxは、テキストや画像動画など、各種ファイルをクラウド上に保存して、スマートフォン、タブレット、パソコンでファイルを共有できるオンラインストレージサービスです。 パソコンのDropbo...

「アンドロサーチ」アプリをインストール、設定を行う

Google Play ストアから「アンドロサーチ」アプリをインストールし、アプリを開いたところから解説します。

1.アプリを開くと、[AndroSearch User License]画面が表示され、プライバシーポリシーへの受諾を求められるので、右下の[Accpet]をタップします([Accept]のスペルミスだと思われます)。
アンドロサーチ1

2.表示される画面をスワイプして進めて行き、最後の画面で下方の[Got it]をタップします。
アンドロサーチ2

3.[Enable Quick Launch?]画面が表示され、スマホの通知欄からアプリを開けるようにしますか、と問われるので、必要なければ[No]をタップします。
アンドロサーチ3

4.アンドロサーチのメイン画面が開き、しばらくの間、スマホ端末内のファイルを探索し、インデックス付けが行われます。
完了したら、画面右上の[︙]アイコン(メニューアイコン)をタップし、表示されるメニューの中から[Settings]をタップします。
※スマホ端末によっては、端末本体のメニューボタンを押して、メニューを表示させます。下記画面はGalaxy Note3の端末メニューボタンを押して表示されたものです。画面下方にメニューが表示されています。
アンドロサーチ4

5.[Settings]画面が開くので、[Monitor for file changes]以外の表示されている項目チェックボックスのチェックを外します。

アンドロサーチ5_2

6.[Settings]画面を下方にスクロールさせると、「3」で[No]に設定した[Quick launch icon]の設定項目があります。必要なければ、チェックを外したままにします。
アンドロサーチ6

これでアンドロサーチの設定は完了です。
スマホのローカルフォルダにファイルを置いたり、アプリをインストールすると、自動的にアンドロサーチにインデックスされます。

AndroidスマホのローカルフォルダとDropbox上に同期させるフォルダを作成する

まず、Androidスマホのローカルフォルダに同期用のフォルダを作成します。

Androidスマホのローカルフォルダに同期させるフォルダを作成する

※エクスプローラーアプリならばなんでもいいのですが、ここではデフォルトでインストールされている「マイファイル」アプリで解説します。

1.「マイファイル」アプリを開き、[全て]をタップします。
※スマホの機種によって、表示項目が異なります。
マイファイル1

2.[システムメモリ(本体)]をタップします。
マイファイル2

3.[My Documents]をタップします。
※同期用のフォルダはどこに作ってもいいのですが、ここでは[My Documents]下に作成します。
マイファイル3

4.画面右上の[︙]アイコン(メニューアイコン)をタップし、表示されるメニューの中から[フォルダ作成]をタップします。
※スマホ端末によっては、端末本体のメニューボタンを押して、メニューを表示させます。
マイファイル5

5.フォルダ名を「“端末名“と同期」のように付けて[OK]をタップします(ここでは「GalaxyNote3と同期」と付けています)。
※Dropbox上にも同名のフォルダを作成します。複数端末でそれぞれフォルダを別にして同期させる場合など、フォルダ名を端末名にしておくと、わかりやすくなります。
マイファイル6

6.下記のようにフォルダが作成されたら完了です。
マイファイル7

次に、Dropbox上に、同名のフォルダを作成します。

Dropbox上に同期させるフォルダを作成する

※ここでは、Android版Dropboxアプリから作成します。

1.Dropboxアプリを開き、右下の[+]をタップします。
Dropboxフォルダ1

2.表示される[Dropboxに追加]メニューの中から[フォルダの新規作成]をタップします。
Dropboxフォルダ2

3.先ほど「Androidスマホのローカルフォルダ」に作成したフォルダと同じフォルダ名を付けて[作成]をタップします(ここでは「GalaxyNote3と同期」と付けています)。
Dropboxフォルダ3

4.下記のようにフォルダが作成されたら完了です。
Dropboxフォルダ4

5.トップ画面に戻ると、フォルダが作成されています(ここでは「GalaxyNote3と同期」フォルダが作成されています)。
※下記のようにDropboxの一番上の階層ではなく、別のフォルダの下に作成しても構いません。
Dropboxフォルダ5

これでフォルダの作成は完了です。

「Autosync Dropbox – Dropsync」アプリをインストール、同期設定を行う

Google Play ストアから「Autosync Dropbox – Dropsync」アプリをインストールし、アプリを開いたところから解説します。

1.アプリを開くと、[あなたのデータを継続的に同期]画面が表示されるので、[Dropboxへ接続]をタップします。
Dropsync1

2.[Dropsync for AndroidがDropbox内のファイル/フォルダへのアクセスをリクエストしています。]画面が表示されるので、[許可]をタップします。
※あらかじめDropboxアプリでDropboxにログインしておく必要があります。
Dropsync2

3.Dropboxへのアクセス許可後、[あなたのデータを継続的に同期]画面が表示されるので、[何を同期するのかを選択してください]をタップします。
Dropsync3

4.下記画面が表示されるので、[自分のフォルダーのペアを作成させてください]をタップします。
Dropsync4

5.[フォルダーのペア]画面が表示されるので、[デバイス内のローカルフォルダー]と[Dropbox内のリモートフォルダー]欄に、それぞれ先ほど作成したフォルダ(ここでは「GalaxyNote3と同期」)を選択します。
[同期の方法]は[双方向]にして、[同期有効化済み]のトグルスイッチを「ON」にします。
設定を終えたら[保存]をタップします。
Dropsync5

6.[注意]画面が表示されるので、[OK]をタップします。
※Dropsyncの同期先に、スマホ端末のSDカード内フォルダを指定することもできますが、端末によって動作しないこともあるため、当記事ではSDカードは使用しません([書き込み権限を有効にします]の設定は省きます)。
Dropsync6

7.Dropsyncトップ画面に戻り、自動的に同期が開始されますが、いくつか設定を変更します。
画面右上の[︙]アイコン(メニューアイコン)をタップし、表示されるメニューの中から[設定]をタップします。
Dropsync7

8.[設定]画面を下方にスクロールさせ、[バッテリーの残量が~%の時のみ同期する]を「10%」にします。
また、[インスタントアップロード]にチェックが入っていることを確認します。
※初期設定は「50%」となっており、バッテリー残量が50%を切ると同期しなくなるため、数値を下げます。ここでは「10%」に設定していますが、それぞれの使用環境に適した値を設定してください。
※[インスタントアップロード]にチェックを入れておくと、[自動同期の間隔]の設定時間に関係なく、スマホ端末側の同期フォルダ内のファイルが更新されるとクラウド上のDropboxに同期アップロードされます。ただし、クラウド上のDropbox側でファイルが更新されたときには同期されません。[自動同期の間隔]の設定時間が来たら、または手動で同期マークをタップしたときに同期されます。
Dropsync8

これで設定が完了し、設定内容に沿って自動的に同期されます。
※同期フォルダに大量のファイルがある場合、同期が完了するまで時間がかかります(パソコンのDropbox公式アプリは速いのですが、このDropsyncは時間がかかります)。一度同期してしまえば、それ以降は追加変更されたファイルだけの差分同期となるので時間がかかりません。
※アプリを無料のままで使用する場合は「複数のフォルダを同期対象に設定」できないとありますが、同期設定したフォルダの下にはいくつでもフォルダを作成でき、それらは問題なく同期されます(当記事で設定した「GalaxyNote3と同期」フォルダの下にフォルダやファイルをいくつ作成しても、すべて同期されます)。

「Jota+」アプリをインストール、設定を行う

Google Play ストアから「Jota+」アプリをインストールし、アプリを開いたところから解説します。

1.アプリを開くと[ソフトウェア使用許諾契約書]が表示されるので、内容を確認してから[同意する]をタップします。
Jota1

2.続けて[Jota+][Jota+へようこそ]画面が表示されるので、内容を確認してから[OK]をタップします。
Jota2

3.[サイドメニュー]画面が表示されるので、[OK]をタップします。
Jota3

4.Jota+のメイン画面が開きます。
Jota4

ひとまずこれで設定は完了です。

実際の運用と注意点

ここまでの設定で、クラウド上のDropbox側の同期フォルダがスマホ端末側の同期フォルダに同期され、「アンドロサーチ」で「スマホ端末側の同期フォルダ」を含めたスマホ端末内すべてのファイルやアプリの全文検索ができます。
同期やネットからのダウンロードで追加されたファイルは、自動的に「アンドロサーチ」にインデックスされます。

それでは「アンドロサーチ」を使った実際の全文検索手順と注意点を解説します。

実際の運用

1.「アンドロサーチ」アプリを開き、上部の検索欄に検索したい単語を入力します(ここでは「天気」と入力しています)。
すると、検索結果のファイルとファイル中の該当箇所が表示されます。
※「アンドロサーチ」はPDFファイルの全文検索もできますが、ここではテキストファイルに限った解説をします。
運用アンドロサーチ1

2.「1」の検索結果に表示されたファイルをタップすると、下記画面が表示されるので、「Jota+」をタップします。
運用アンドロサーチ2

3.「Jota+」アプリで該当ファイルが開きます。
運用Jota1

ここまでの操作で、全文検索をして該当ファイルを開くことができました。
ついでに開いたファイルを編集してみます。

4.開いたファイルに「Jota+」で追記します(ここでは「昨日は曇り」と追記しています)。
追記したら、右下の[Save]をタップします。
運用Jota2

これでファイルは上書き保存され、「Autosync Dropbox – Dropsync」アプリでクラウド上のDropbox同期フォルダにも同期されます。

5.画面下方の[History]をタップすると、[ファイル履歴]画面が表示され、開いたファイルが置かれている場所を見ることができます(ここでは、先ほど開いたファイルはスマホ端末内の「/storage/emulated/legacy/My Documents/GalaxyNote3と同期/テスト1/」にある「テキスト1.txt」だとわかります)。
運用Jota4

次に注意点を解説します。

注意点

[Jota+]アプリの[History]で、「/storage/emulated/legacy/My Documents/GalaxyNote3と同期/テスト1/テキスト1.txt」と表示されました。

[Jota+]以外にも「マイファイル」アプリやエクスプローラー系アプリでフォルダ階層を見ていると、似たような表示で「/storage/emulated/0/My Documents/~」のようなものが出てきます。
この2つを見比べると、「/legacy/」と「/0/」の部分が異なっています。
階層途中のフォルダ名が違うので、別の場所にある同名のフォルダやファイルだと思えてしまいますが、2つとも同じものを指しています。
Androidの仕組み上、異なる表示で同じ場所を指すようになっているらしいです。
したがって、「/legacy/」下のフォルダやファイルを削除すると「/0/」下の同一名フォルダやファイルも消えてしまいます(逆も同じく)。
「同じフォルダやファイルが2つあって邪魔だ」と思って、消したりしないようにしてください。

もう1つ、今回の設定で、スマホ端末のローカルフォルダに大量のテキストファイル類を置くことになるので、セキュリティ対策として、必要があれば「端末を暗号化」してください。
※端末の暗号化は、スマホの機種によってやり方が異なるかと思うので、当記事では解説を省きます。

まとめ

長い記事になりましたが、一度設定してしまえば、かなり便利に「アンドロサーチ」アプリでDropboxファイルの全文検索ができるようになります。
「全文検索環境の構築に使用するアプリ」見出しでご紹介した「Autosync Google Drive」や「Autosync OneDrive – OneSync」を使えば、GoogleドライブやOneDriveでも同様のことができます。

当記事がみなさまのお役に立てればと思います。

 
 
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