当記事では、Googleフォトを使ってスマートフォンやタブレットに保存した画像(写真)や動画をパソコンのHDDやSSD(以降HDDのみ記載)にバックアップする方法を紹介します。
Googleフォトは、スマートフォンやタブレット、パソコン等に保管した画像・動画をGoogleのクラウドサービスにアップロードし、どの端末からでも簡単にアクセス、管理ができるサービスです。
すべての端末に画像・動画を同期させることができるので、パソコンの外付けHDDに画像・動画をバックアップする用途にも使えます。
※2019年7月10日以降、GoogleフォトとGoogleドライブの間で、写真と動画が自動的には同期されなくなリました(詳細)。
そのため、当記事の「Googleドライブの設定」見出しで解説している「スマホの画像や動画をパソコンのローカルフォルダに自動的に同期させる」ことができなくなりました。
※2019年10月11日追記
代わりに、マイクロソフトの「OneDrive」を使うと、「スマホの画像や動画をパソコンのローカルフォルダに自動的に同期」させて、スマホの画像や動画をパソコンに保存することができます。
「OneDriveを使ってスマホの画像や動画をパソコンに保存する方法」については、下記の記事を参照ください。

Googleフォトでできること
・「高画質」モードならば、画像・動画を容量無制限でアップロード
画像を1600万画素以内に圧縮。元画像が1600万画素以内でも圧縮。
「元のサイズ」モードだと、Googleドライブのストレージ残容量が上限。Googleドライブは無料コースで15GB。
・人物や場所、物で自動的にタグを付けて画像を振り分け
タグは非公開でユーザーはいじれない。
・ムービー、コラージュ、アニメーション、パノラマ写真、アルバムなどを自動的に作成
・Googleマップのタイムライン(Androidアプリのみ)にGoogleフォトの画像を自動で表示
・画像・動画の簡易的な編集
・作成したアルバムの共有
・Googleドライブとの連携
Googleドライブの画像・動画をGoogleフォトに表示させたり、その逆も可能
※容量無制限に関しては、Amazonプライム・フォト(Amazon Photos)が無圧縮で容量無制限(画像は無制限。動画はストレージ残容量が上限)と、Googleフォトよりも優れています。
(Amazonプライム/年会費3900円に入会している必要があります)
Googleフォトの使用感
Googleフォトの魅力は、容量無制限と自動的にいろいろな処理を行ってくれることでしょうか。
Googleマップのタイムラインとの連携も、なかなか便利です。
「Googleフォト」の「人物」自動区分けの精度は、まあまあです。
集合写真に顔が小さく写っている場合でも拾ってくれました。
手持ち未整理の写真と画像を大量にアップロードして、「Googleフォト」の「人物」自動区分けによって、記憶から忘れ去られていた写真を発見する、といったこともできました。
ただ、コスプレ写真の区分け精度は、あまり良くないです。
「アルバム」の「人物」項目で、金髪ウィッグをしたコスプレイヤーさんは、同一人物として全員拾ってきました。
「物」項目の「ウマ」欄にも、コスプレイヤーさんがたくさん表示されました。
「Googleフォト」の自動区分けやアルバム自動作成機能は、見て楽しむだけで、まだなにかに実用的に使えるものではない印象です。
Googleフォトの設定
それでは、バックアップ用途としてのGoogleフォトの設定を解説します。
※iPhoneやiPadならば、iCloudのフォトストリームでも同様のバックアップができますが、フォトストリームはアップロード可能な画像数が上限1000枚となっています。
そのため、操作を誤って1000枚よりも多い画像がバックアップされていなかった、という事態になりかねません。
iPhoneやiPadなどのiOSでもGoogleフォトが使えるので、可能ならばiCloudよりもGoogleフォトを使用することをおすすめします。
Androidアプリの設定
Google Play ストアから「Googleフォト」アプリをインストールし、アプリを開いて「Googleアカウント」でログイン済みのところから解説します。
1.アプリを開いたら、左上の[三]アイコン(メニューアイコン)をタップします。
[設定]-[バックアップと同期]と進み、[バックアップ]画面の右上にあるトグルスイッチを「ON」にします。
次に、[アップロードサイズ]を「元のサイズ」にします。
2.[バックアップ]画面を下方にスクロールさせ、[バックアップするフォルダを選択…]をタップします。
3.[バックアップするフォルダを選択…]画面に出てくるフォルダ名(ここでは「Download」「Screenshots」)のトグルスイッチを「ON」にします。
※ここで「ON」にしたフォルダ内の画像がクラウド上のGoogleフォトに自動バックアップされ、他の端末上のGoogleフォトにも同期されます。
※カメラアプリやツイッターアプリごとに画像を保存するフォルダが異なります。アプリが新しいフォルダを作成し、画像が保存される度に、[バックアップするフォルダを選択…]画面にそのフォルダ名が表示されます。
その度に、Googleフォトからプッシュ通知が来るので、バックアップする場合は、それぞれトグルスイッチを「ON」にします。
iOSアプリの設定
App Storeから「Googleフォト」アプリをインストールし、アプリを開いて「Googleアカウント」でログイン済みのところから解説します。
1.アプリを開いたら、左上の[三]アイコン(メニューアイコン)をタップします。
[設定]-[バックアップと同期]と進み、[バックアップと同期]項目のトグルスイッチを「ON」にします。
次に、[アップロードサイズ]を「元のサイズ」にします。
※iOSアプリには、Androidアプリにある[バックアップするフォルダを選択…]項目がないので、設定はこれだけです。
パソコンの設定
パソコン(Windowsで解説します)の「Googleフォト」アプリは、パソコン内の画像・動画をクラウド上のGoogleフォトにアップロードする機能のみで、クラウド上からダウンロードして同期する機能はありません。
Googleフォトの画像・動画をパソコンと同期するには、「Googleドライブ」アプリを使用します。
Googleドライブの設定
スマホやタブレットには「Googleドライブ」アプリを入れる必要はありません。
Windowsパソコンにのみ、「Googleドライブ」アプリをインストールして設定を行います。
GoogleドライブとGoogleフォトを連携させる
「Googleドライブ」アプリをインストールする前に、Googleドライブ上にGoogleフォトフォルダを作成します。
WindowsパソコンのWebブラウザ(ここではChromeを使用)で、「Googleドライブ」サイトにアクセスします。
Googleドライブ:https://drive.google.com/
1.サイト画面右上の設定マークをクリックし、表示された項目のうち、[設定]をクリックします。
2.開いた設定画面下方の[Googleフォトの写真をマイドライブ内のフォルダに自動的に追加します]にチェックを入れます。
その後、画面右上の[完了]をクリックします。
※「Googleドライブ」アプリと「Googleフォト」アプリを統合したGoogle「バックアップと同期」アプリ(PC版のみ)に置き換わると(2017年9月上旬ごろ自動的に置き換わるようです)、このチェックが外れてしまうようなので、再度設定を確認して、チェックを入れ直してください。
3.しばらくすると、[マイドライブ]に[Googleフォト]フォルダが自動的に作成されます。
※なかなか作成されない場合は、「Googleフォト」アプリを入れたスマホかタブレットで写真を撮ります。「Googleフォト」が撮影された写真の同期処理を開始して、パソコンのWebブラウザ画面の[マイドライブ]にも[Googleフォト]フォルダが作成されます。
Googleドライブアプリのインストールと設定
次に、Windowsパソコンのローカルフォルダ(ここでは「外付けHDD」上のフォルダ)に、クラウド上の「Googleドライブ」フォルダを同期させるために、Windows用の「Googleドライブ」アプリをインストールします。
4.画面左下の[Windows版ドライブをダウンロード]をクリックします。
5.指示に従って画面を進めていくと「googledrivesync.exe」ファイルがダウンロードされるので、このファイルをクリックします。
6.「Googleドライブ」アプリ本体のダウンロード、インストールと画面を進めていきます。
[Google ドライブへようこそ(ステップ4/4)]画面まで進んだら、[同期オプション]をクリックします。
7.[同期オプション]タブの[変更…]をクリックして、「Googleドライブ」と同期させるローカルフォルダを選択します。
ここでは「G:\Googleドライブ」(外付けHDD)フォルダを選択しています。
フォルダを選択した後、[同期を開始]をクリックすると、「Googleドライブ」との同期が開始されます。
ひとまずはこれで、「Googleフォト」(と「Googleドライブ」)を使って、スマホやタブレットの画像・動画をパソコンの外付けHDDにバックアップすることができます。
実際の運用方法は、次の見出しで紹介します。
「Googleフォト」でバックアップを行う実際の運用方法
ここまでの設定でバックアップ運用を始めると、下記の条件により、いくつかの問題点が出てきます。
・「Googleドライブ」の無料コースで保存できるファイルの容量は15GBまで
・「Googleフォト」のアップロードサイズを「元のサイズ」にすると、「Googleドライブ」の容量を消費する
・クラウド上の「Googleフォト」にある画像・動画ファイルを削除すると、同期しているパソコンのローカルフォルダ内の画像・動画ファイルも削除されてしまう
スマホやタブレットから「Googleフォト」に画像・動画をアップロードしていくと、容量が15GBに達した時点で、それ以上はアップロードされなくなります。
クラウド上の「Googleフォト」から画像・動画を削除して、「Googleドライブ」の残容量を増やせばいいのですが、同期されているパソコンのローカルフォルダ内の画像・動画も削除されてしまうため、バックアップになりません。
これを防ぐ方法として、「Googleドライブ」と同期しているパソコンのローカルフォルダとは別に、もう1つローカルフォルダを作り、そこに手動でファイルを二重にコピー(バックアップ)します。
本当に手動でやると、2回目以降のコピーが面倒なので、フリーソフトなどを使います。
「BunBackup」というソフトがおすすめです。
BunBackup:http://www.vector.co.jp/soft/dl/winnt/util/se288018.html
時間や頻度を設定すれば、定期的に自動でバックアップを行います。
2回目以降は、すでにコピー済みのファイルは飛ばし、新たなファイルのみをコピーします(差分コピー)。
※「BunBackup」を使用するにあたり、コピー元フォルダのファイルを削除したとき、通常のバックアップでは、コピー先フォルダのファイルは削除されませんが、「ミラーリングする」にチェックを入れると、コピー元フォルダに合わせて、コピー先フォルダ内のファイルも削除されてしまいますので、注意が必要です。
今回の「Googleフォト」バックアップ用途では、絶対に「ミラーリングする」にはチェックを入れないでください。
Amazonプライム・フォトを使う場合
「Amazonプライム・フォト」(年会費3900円)が使えるならば、Googleフォトと同じく、バックアップ用途に利用することができます。
その場合、スマホやタブレットの画像・動画のパソコンHDDへのバックアップは「Amazonプライム・フォト」で行い、「Googleフォト」は「高画質」モード(容量無制限の代わりに画質がやや劣化する)にして、ひたすら画像・動画のアップロードを行います。
Googleフォトにアップロードされた画像は「Googleマップ」の「タイムライン」に画像の日時や位置情報を元に自動的に引用されるので、容量無制限の「高画質」モードならば、アップロードした画像を消す必要がなく、Googleマップにも画像が残り続けてくれます。
まとめ
このように、「Googleフォト」(と「Googleドライブ」)を使うことにより、スマホやタブレットの画像・動画をパソコンのHDD(内臓でも外付けでもOK)に無料でバックアップできます。
※2018年1月4日追記
Google「バックアップと同期」アプリ(パソコン版のみ)について、その挙動を記事にまとめてみました。
