Minecraft(マインクラフト)は、自由にブロックを配置して世界を作り出すことができるサンドボックスゲームです。このゲームでは、さまざまなコマンドを使ってゲームの設定や動作を変更することができます。その中でも、「tp」コマンドは、プレイヤーやエンティティ(動物やモンスターなど)を指定した場所にテレポートさせることができる便利なコマンドです。
この記事では、「tp」コマンドの使い方や引数について、Java EditionとBedrock Editionの両方に対応した解説をします。また、実際にコマンドを使ってテレポートする例も紹介します。
「tp」コマンドの基本構文
「tp」コマンドは、次のように入力することで実行できます。
/tp <destination>
/tp <targets> <destination>
ここで、<destination>はテレポート先を指定する引数で、<targets>はテレポートさせる対象を指定する引数です。<targets>を省略した場合は、コマンドを実行したエンティティが対象になります。<destination>と<targets>には、次のような値を指定できます。
- プレイヤー名:特定のプレイヤーを指定します。
- ターゲットセレクター:条件に合うプレイヤーやエンティティを指定します。例えば、@pは最も近いプレイヤー、@aはすべてのプレイヤー、@eはすべてのエンティティを指定します。
- UUID:Java Editionでのみ使用できる、プレイヤーの固有の識別番号です。
- 座標:x y zの形式で、テレポート先の座標を指定します。相対座標やローカル座標を使うこともできます。
例えば、次のコマンドは、自分をx=100, y=64, z=200の位置にテレポートさせます。
/tp 100 64 200
次のコマンドは、プレイヤー名がAliceのプレイヤーを、プレイヤー名がBobのプレイヤーの位置にテレポートさせます。
/tp Alice Bob
「tp」コマンドの引数
「tp」コマンドには、さらに詳細な設定をするための引数を追加することができます。引数は、ターゲットセレクターの後ろに角括弧で囲って、カンマで区切って記述します。例えば、次のようになります。
/tp @<種類> [<引数>=<値>,<引数>=<値>,...]
引数には、位置や距離、角度、タイプなど、さまざまな種類があります。ここでは、よく使われる引数の例を紹介します。
- [distance=<値>]:テレポート先の距離の範囲を指定します。例えば、[distance=..5]は5ブロック以内、[distance=10..]は10ブロック以上の距離になります。
- [type=<値>]:テレポートさせるエンティティの種類を指定します。例えば、[type=cow]は牛、[type=!player]はプレイヤー以外のエンティティを指定します。
- [y_rotation=<値>]:テレポート後の水平角(ヨー角)を指定します。-180.0が真北、-90.0が真東、0.0が真南、90.0が真西になります。
- [x_rotation=<値>]:テレポート後の垂直角(ピッチ角)を指定します。-90.0が真上、90.0が真下になります。
- [limit=<値>]:テレポートさせるエンティティの数を制限します。例えば、[limit=1]は一番近いエンティティだけをテレポートさせます。
例えば、次のコマンドは、自分から10ブロック以内にいるウサギを、自分の向いている方向に5ブロック先にテレポートさせます。
/tp @e[type=rabbit,distance=..10] ~5 ~ ~
次のコマンドは、自分をx=0, y=100, z=0の位置にテレポートさせ、真下を向かせます。
/tp @s 0 100 0 y_rotation=0 x_rotation=90
「tp」コマンドの使用例
「tp」コマンドは、さまざまな場面で役立つコマンドです。ここでは、いくつかの使用例を紹介します。
自分を別のディメンションに移動させる
Minecraftには、オーバーワールド、ネザー、エンドという3つのディメンションがあります。通常は、ポータルを使ってディメンションを移動しますが、「tp」コマンドを使うと、コマンドブロックや関数などを使って簡単に移動できます。
ディメンションを移動するには、次のようにコマンドを入力します。
/execute in <ディメンション> run tp @s <座標>
ここで、<ディメンション>は移動先のディメンションを指定します。オーバーワールドはminecraft:overworld、ネザーはminecraft:the_nether、エンドはminecraft:the_endとなります。<座標>は移動先の座標を指定します。相対座標やローカル座標を使うこともできます。
例えば、次のコマンドは、自分をネザーのx=100, y=50, z=0の位置にテレポートさせます。
/execute in minecraft:the_nether run tp @s 100 50 0
他のプレイヤーやエンティティをテレポートさせる
「tp」コマンドは、自分だけでなく、他のプレイヤーやエンティティもテレポートさせることができます。その場合は、ターゲットセレクターを使ってテレポートさせる対象を指定します。ターゲットセレクターは、プレイヤー名やエンティティの種類、距離、角度などで条件を指定できます。
例えば、次のコマンドは、自分から10ブロック以内にいるウサギを、自分の向いている方向に5ブロック先にテレポートさせます。
/tp @e[type=rabbit,distance=..10] ~5 ~ ~
次のコマンドは、プレイヤー名がAliceのプレイヤーを、プレイヤー名がBobのプレイヤーの位置にテレポートさせます。
/tp Alice Bob
テレポート後の向きを変える
「tp」コマンドは、テレポート後の向きも指定することができます。その場合は、y_rotationとx_rotationという引数を使って、水平角(ヨー角)と垂直角(ピッチ角)を指定します。水平角は-180.0が真北、-90.0が真東、0.0が真南、90.0が真西になります。垂直角は-90.0が真上、90.0が真下になります。相対角を指定することもできます。
例えば、次のコマンドは、自分をx=0, y=100, z=0の位置にテレポートさせ、真下を向かせます。
/tp @s 0 100 0 y_rotation=0 x_rotation=90
次のコマンドは、自分から10ブロック以内にいるウサギを、自分の向いている方向に5ブロック先にテレポートさせ、自分の方を向かせます。
/tp @e[type=rabbit,distance=..10] ~5 ~ ~ facing @s
「tp」コマンドの注意点
「tp」コマンドは、便利なコマンドですが、使うときには注意が必要です。以下に、いくつかの注意点を挙げます。
- テレポート先にブロックがあると、テレポートしたエンティティがその中に埋まって窒息する可能性があります。テレポート先に空間があることを確認しましょう。
- テレポート先が高いところや危険なところだと、テレポートしたエンティティが落下してダメージを受けたり死んだりする可能性があります。テレポート先に安全な着地点があることを確認しましょう。
- テレポート先が未生成のチャンクだと、テレポートしたエンティティがその場で止まってしまう可能性があります。テレポート先が生成されるまで待ちましょう。
- テレポート先が別のディメンションだと、テレポートしたエンティティがポータルを通らないと戻れなくなる可能性があります。テレポート先にポータルがあるか、または戻る方法があるかを確認しましょう。