2016年4月7日(木)、Microsoftのデータ専門家やオランダの金融機関 ING グループ、マウリッツハイス美術館、レンブラント博物館、デルフト工科大学などからなるチームが、バロック絵画の代表的な画家レンブラント・ファン・レインの画風をコンピューターで再現するプロジェクト「The Next Rembrandt」による作品を公開しました。
「The Next Rembrandt」によるレンブラントの「新作」の製作過程
・完成までに18ヶ月かかった。
・製作の第一段階として、346点ほどあるレンブラントの絵画を3Dスキャナーで絵具の凹凸に至るまですべてをデータ化。
・タッチや色使い、レイアウトの特徴などをディープラーニング(深層学習)アルゴリズムでアップスケール(さらに高解像度化)。
・その結果、デジタルレンダリングされた150Gバイトのグラフィックスができた。
・次に、コンピューターに何を描かせるか検討した結果、最もレンブラントらしく見える絵画のモチーフとして肖像画が選ばれた。
・向かって右側を向いた30~40代の白人男性で、襟のある黒い服、帽子といった条件を決定。さらに条件を満たす主題をレンブラントの作風でコンピューターに描かせるため、顔の各パーツのレイアウト比率や服、その他描き方の特徴などを再現するアルゴリズムも開発した。
・この条件でコンピューターがレンブラントの「新作」を書き出す(イメージのレンダリング)のに500時間以上かかった。
・最後に、このデジタルファイルを「印刷」ではなく「絵画」にするため、レンブラントの絵画から取得した3Dデータを分析し、画像のテクスチャーの下に油絵具の塗り重ねによる隆起を再現した3Dデータを作成した。
・このデータに基づき、コンピューターは最大13層にわたってUVインクを塗り重ねた絵画を3Dプリントした。
・「The Next Rembrandt」プロジェクトが製作した「レンブラントの新作絵画」は、アムステルダムの Looiersgracht 60 ギャラリーで公開されている。
The Next Rembrandt:https://www.nextrembrandt.com/
ソース:CNET Japan ハフィントンポスト ITmedia
まとめと雑感
機械学習によるレンブラントの新作すごいです。
ただ、新作と言っても、「レンブラントがもう少し長生きして、新しい画風に挑戦した」ようなものではなく、既存の画風に沿った「新作」になるのは仕方がないところでしょうか。
機械学習がもっと進歩して、レンブラントの思考なども再現や推測をして新しい画風の新作を作ることができても、見る側の人間が「これはレンブラントではない」と思ってしまうでしょうし。
同様に他のプロジェクトも発足させて、ベートーベンの新曲やダンテの新曲も作れたらすごいですね。