株式会社ボークス スーパードルフィー 撮影:管理人 EOS 6D + EF85mm F1.2L Ⅱ USM F4.0
衣装の色や背景が暗めの場所での撮影は、デジタル一眼レフやミラーレスカメラの設定を普段通りのままで撮影すると、顔だけが明るく白飛びしたような写真になってしまいます。
上記画像のように、顔を白飛びさせずに撮るには、カメラの[露出補正]を暗めに設定して撮影します。
カメラの[露出補正]を暗めに設定する
株式会社ボークス スーパードルフィー 撮影:管理人 EOS 6D + EF85mm F1.2L Ⅱ USM F4.0
カメラの設定をいじらずに撮ると、おそらく上記画像のように顔や手などの明るい部分が白飛びしてしまうのではないでしょうか。
白飛びしないように撮影するには、撮影前に下記の手順でカメラの設定を調整します。
カメラの[測光モード]を「評価測光」にする
使用するカメラのマニュアル等を見て、カメラの[測光モード]を「評価測光」にします。
※キヤノンの一眼レフカメラ「EOS 6D」の場合は、製品マニュアル「使用説明書」のP149からP150「測光モードの選択」を参照ください。
6Dには4種類の[測光モード]があります。
今回選ぶ[評価測光]というのは、カメラのファインダーから覗いた写真に写る範囲全体をいくつかのエリアに分割して測光します。各エリアで明るさを測り、エリアごとの明るさを集計して、どれぐらいの露出が最適かをカメラが自動的に決定します。
全体的に暗い場所では、明るく写るようにカメラが露出を上げます。全体的に明るい場所では、ちょうど良い明るさになるようカメラが露出を下げます。
したがって、今回の写真のように、顔や手など画面の中で一部分だけが明るい場合は、全体的には暗い場所だと判断してカメラが自動的に露出を上げてしまうため、顔や手の部分だけが明るすぎる写真になってしまいます。
このように画面の中の一部分だけが明るく、その部分に合わせた明るさで撮りたい場合用に[スポット測光]というモードがあります。
しかし、[スポット測光]で露出を合わせるのは、なかなか難しく、失敗すると真っ白に近いような明るすぎる写真になってしまうため、無難に[評価測光]を使うことをおすすめします。
※キヤノンのカメラは、最上位機種の1D系以外は、ファインダーの中央部分でしか[スポット測光]が使えません。AFポイントを中央部以外に合わせても、測光は中央部で行われるので、使い勝手があまり良くありません。
カメラの[露出補正]をマイナス側に設定する
カメラの[測光モード]を「評価測光」にした後、次は[露出補正]をマイナス側に調整します。
※キヤノンの一眼レフカメラ「EOS 6D」の場合は、製品マニュアル「使用説明書」のP151「自分の好みに露出を補正する」を参照ください。
6Dの場合は、「使用説明書」のP151「自分の好みに露出を補正する」項目の「2 補正量を設定する」で、ダイヤルを反時計回りに回して、左側(マイナス)の「1」や「2」辺りに合わせます。
※撮影場面の暗さにより、ちょうど良いマイナス具合が変わってくるので、(マイナス)「1」や「2」のどの値が良いとは、はっきりとは言えません。何度も撮影していると、どれぐらいの値が良いのか感覚でわかってきます。何枚も撮れる場合は、数値を変えて複数のパターンで撮っておくことをおすすめします。
※[露出補正]の設定とは別に、暗い場所での撮影なので、シャッター速度が遅くなりがちです。[Tv]モードにしてシャッター速度を1/200等に固定して撮影するのがおすすめです(シャッター速度をいくつにしたらいいのかは、レンズの画角によっても変わります。一般的には望遠レンズになるほど、シャッター速度を速くしないと手ぶれしやすくなります)。
※暗い場所での撮影を終えて明るい場所での撮影に移る際は、[露出補正]をマイナスから0、または明るい場所での撮影に適した値に戻し忘れないよう注意してください。
撮影した写真をRAW現像する
今回の写真は「-1.67」という露出補正をして撮影しました。
暗くしすぎたかなとも思います。
※デジタルカメラの特徴として、撮影後にPhotoshop等の画像編集ソフトで、白飛びしてしまった明るすぎる画像を暗くするのは難しいのですが、暗い画像を明るくするのは容易なので、暗めに撮っておく分には問題ありません。ただし、あまりにも暗い画像を明るくするのは難しいので、ほどほどの暗さで。
※また、画像編集ソフトで明るくすると、等倍(原寸大)画像で見た場合、やはりノイズが出て画像が荒くなってしまいます。画像を縮小する場合は問題ありませんが、等倍や大きいサイズの画像が必要な場合は、カメラで撮影する時点で、適切な露出に設定して撮影する必要があります。
[露光量]を「+1.50」に上げました。
この明るさが記事冒頭の写真です。
もう少し明るくしてもいいかなとも思いますが、Photoshop上で明るさ調整をした画像をWebに載せるとやや暗くなるので、それを加味して調整しなければならず、なかなか難しいところです。
RAW現像のやり方については、下記の記事も参照ください。

まとめ
・カメラの[測光モード]を「評価測光」にする。
・カメラの[露出補正]をマイナス側に設定する。
・暗い場所での撮影なので、[Tv]モードにしてシャッター速度を1/200等に固定して撮影するのがおすすめです。
・暗い場所での撮影を終えて明るい場所での撮影に移る際は、[露出補正]をマイナスから0、または明るい場所での撮影に適した値に戻し忘れないよう注意してください。