【ポートレート】日中屋外での人物撮影テクニック【コスプレ】

早瀬みるさんモデル: 早瀬みるさん
デジタル一眼レフ(またはミラーレス)カメラとレンズを用意して、モデルさんにもお願いをして写真を撮ってみたものの、なんだかぱっとしない写真になってしまう。
そんなとき、モデルさんの斜め後ろに太陽が位置する半逆光で撮影すると、綺麗に撮れます。

上記の写真を見本として、カメラの設定も含めた撮影方法を解説します。
撮影カメラは、キヤノンEOS 5D、レンズは、EF85mm F1.2L Ⅱ USMです。F値はF2、ISO感度は100です。

※撮影道具は、カメラとレンズと80-110cmほどのレフ板が必要です。ストロボは使いません。
※太陽が真上に来る昼12:00前後は、頭上に光源が来るトップ光となるため、撮影に適しません。午前11時前、午後1時以降のやや太陽が傾いている時間帯が望ましいです。

 
 

カメラの設定を行う

キヤノンのEOS 6Dの設定項目を元に解説します。

記録画質を設定する

記録画質は「RAW+M(JPEG)」を選択します。

RAWファイルさえあれば、JPEGは後からパソコンで作成できるので「RAW」のみでもいいのですが、撮影現場で画像速報をツイッターに上げる場合等、JPEGがあると便利なので選択しておきます。
RAW現像時の色見本としてもJPEGは役に立ちます。

JPEGは「L」でも「S1」でも何でもいいのですが、適度なサイズの「M」を選択します。

モードダイヤルを設定する

モードダイヤルを「Av(絞り優先AE)」に設定します。

「Av」にすると、絞り値(F値)を設定して背景のボケ具合を調整できます。
記事冒頭の写真はF2に設定しています。

F値については、下記記事の「F値とは?」項目を参照ください。

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デジタル一眼レフやミラーレスカメラを購入するときに、ポートレートやコスプレ等の人物撮影をするためには、どのレンズを買えばいいのか? 下記の記事でおすすめしたキヤノンのEOS 6Dには、「EF24-70...

ISO感度を設定する

ISO感度を「100」に設定します。

太陽が出ている日中屋外は充分明るいので、一番画質が良くなるISO「100」にします。
曇り空で暗かったり、絞り値(F値)を上げてシャッター速度が遅くなる場合は、手ぶれしないシャッター速度になるようISO感度を「200~800」程度に上げます。

最近のデジタル一眼(レフ)カメラは高感度撮影に強く、ISO感度を「1600」以上に上げても綺麗に写りますが、最高画質を目指すなら、ISO感度は「100~200」が望ましいです。

シャッター速度について

モードダイヤルが「Av(絞り優先AE)」の場合は、シャッター速度を直接設定することはできません。
周囲の明るさや絞り値(F値)、ISO感度の設定によって、シャッター速度が変動します。

モードダイヤルを「Tv(シャッター優先AE)」に設定すれば、シャッター速度を直接設定できますが、今度は「絞り値(F値)」の方が変動します。
人物撮影の場合は、「絞り値(F値)」で背景のボケ具合を調整するので、「絞り値(F値)」は変動しない方がいいです。

シャッター速度は、撮影時にファインダー内に表示されるので、速度が遅くならないように注意しながら撮影します。

一般的に、手ブレしないシャッター速度は、「1/レンズの焦点距離」秒と言われています。

35mmレンズならば、1/35秒。
85mmレンズならば、1/85秒。
200mmレンズならば、1/200秒。

望遠レンズになるほど、速いシャッター速度が求められます。

カメラ本体やレンズに手ぶれ補正機能がある場合は、もっと遅くてもいいかと思います。
かといって、あまりにも遅いと、人物撮影の場合は被写体ぶれが起きるので、ほどほどの速さは必要です。

また、最近のカメラは画素数が多く、画素数が多いとより手ぶれにはシビアになるので、上記の計算よりも速いシャッター速度が求められます。

測光モードを設定する

測光モードは「評価測光」に設定します。

ファインダーから覗いた景色の中で一部分だけが明るく、その明るさに合わせた写真を撮りたい場合等、特殊な場合を除いて、「評価測光」にしておけば問題ありません。

露出補正を行う

露出補正を「+-0」に設定します。

デジタル一眼(レフ)カメラの特性として、暗く写った画像を明るくするのは容易ですが、明るすぎて白とびしてしまった画像を暗くするのは困難です。
したがって、若干暗めの露出補正「-0.3~-0.7」でRAW撮影し、後からRAW現像で明るくするのが無難です。

古い機種のカメラは、露出補正「+-0」だと明るく写ってしまうため、「-0.3~-0.7」に設定して撮影します。記事冒頭の写真も「-0.3」で撮影しています。
しかし、比較的新しいEOS 6Dでは「+-0」の設定で若干暗めに写る傾向があるので、「+-0」で問題ありません。

キヤノンの他の機種や他社のカメラはどういう傾向かわかりませんが、撮影してみて露出補正が必要ならば、補正すればいいかと思います。

露出補正については、下記記事も参照ください。

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ホワイトバランスを設定する

ホワイトバランスは「オート(AWB)」に設定します。

キヤノンのカメラはホワイトバランス調整が優秀なので、「オート」で綺麗な色合いになります。

※パソコンのCameraRAWソフトでRAW現像を行う際に、ホワイトバランス「撮影時の設定」を多用するので、逆に「オート」に設定しておくと良いです。

その他の設定

EOS 6Dの場合は、「高感度撮影時のノイズ低減」「高輝度別・階調優先」「レンズ光学補正」等の設定項目があります。
どれも若干画質に悪影響を与えるので、必要なければすべてOFFにします。

※ブログ管理人はすべてOFFで撮影していますが、これらの機能をよく理解していない面もあるので、必要な場合はONでもいいかと思います。

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