今回は、Photoshopの「アクション」と「自動処理」-「バッチ」を使って、大量のPSDファイルから自動でJPEGファイルを書き出す方法を解説します。
※当記事では、Windows10パソコンでPhotoshop CC(2017)を使った場合の作業を解説します。
ローカルドライブに作業用フォルダを作成する
はじめに、Photoshopで自動処理を行う際のPSDファイルを置くフォルダとJPEGファイルを書き出すフォルダをそれぞれ新規に作成します。
※既存のフォルダを使うと、操作を誤ったときに、既存フォルダ内のファイルが消えたり上書きされてしまう可能性があるので、新規に作業用のフォルダを作り、それを使って作業を行います。
1.下記画像のように、Windowsのエクスプローラーから[新規作成]でフォルダを作成し、わかりやすいフォルダ名に変更します。
※ここでは、「PSDファイル」と「JPEGファイル」という名前のフォルダを作成しました。
※ここでは、パソコンの内蔵ドライブ[D:]にフォルダを作成しましたが、大量・大容量のファイルを保存したり操作する場合は、外付けドライブ(HDDやSSD)にフォルダを作ることをお勧めします。
Photoshopの「アクション」にJPEGファイルの書き出し操作を記録する
次に、Photoshopの「アクション」に、「PSDファイルをJPEGファイルに書き出して、その後、PSDファイルを閉じる」作業を記録します。
※「アクション」とは、Photoshopで行う一連の作業を記憶して、ボタン一つで記録した作業を自動で実行する機能です。
作業用フォルダにPSDファイルをコピーする
1.まず、先ほど作成した「PSDファイルを置くフォルダ」(ここでは「PSDファイル」)に、JPEGファイルの書き出しを行う予定のPSDファイルをコピーして置きます。
※ここでは4ファイルのみですが、100ファイルでも200ファイルでも置くことができます。
※操作を失敗したときのことを考えて、元のPSDファイルを移動して置くのではなく、元のPSDファイルからコピーしたPSDファイルを置きます。
「アクション」に「新規セット」と「新規アクション」を作成する
1.次に、Photoshopを起動して、「PSDファイル」フォルダ(以降、「PSDファイル」フォルダと「JPEGファイル」フォルダを使った記述をします)内のPSDファイルのうち、「名前順」(昇順)に並び替えて、一番上に来るPSDファイルを開きます。モデル: 早瀬みるさん
2.Photoshopの画面中央右辺りの[アクション]タブの[新規セットを作成]アイコンをクリックします。
[新規セット]画面が開くので、[アクションセット名(N):]に「マイアクション」(名前はなんでもいい)と入力し、[OK]をクリックします。
3.[アクション]タブに[マイアクション]セットが作成されるので、[マイアクション]セットを選択した状態にして、[新規アクションを作成]アイコンをクリックします。
[新規アクション]画面が開くので、[アクション名(N):]に「PSDからJPEG書き出し」(名前はなんでもいい)と入力します。
※[記録]をクリックすると、「アクション」の記録が開始されてしまうので、ここではクリックしません。
Photoshopの「アクション」にJPEGファイルの書き出し操作を記録する
ここから、「アクション」の記録を開始します。
1.前見出し「3.」の[新規アクション]画面の[記録]をクリックします。
※[記録]をクリックした後、[アクション]タブの[■]([再生 /記録を中止])アイコンをクリックすると記録が停止します。
その後、[●]([記録開始])アイコンをクリックすれば、そこから記録を開始できます。
※また、記録中にPhotoshopの操作を間違えた場合は途中で記録を停止して、[PSDからJPEG書き出し]アクション内に作成されたアクションを[ゴミ箱]アイコンで削除して、最初から記録をやり直します。
2.[PSDからJPEG書き出し]アクションに記録する作業は下記になります。
※エクスプローラーの「名前順」(昇順)で一番上に来るPSDファイルを開いた状態にしてから、記録を開始します。
※操作にかかる時間は記録されないので、ゆっくり作業を行ってください。
[記録]開始後に、下記を順番に操作してください。
画面上部メニューバーの[ファイル(F)]-[書き出し(E)]-[Web用に保存(従来)…]をクリックする。
[Web用に保存(100%)]画面が開くので、下記画像のように各項目を設定する(設定をする順番は変わってもいい)。
JPEG
最高画質
画質:100
[プログレッシブ][最適化][カラープロファイルの埋め込み]のチェックを外す
ぼかし:0
マット:「白色」
[sRGBに変換]にチェックを入れる
プレビュー:モニターカラー
メタデータ:すべて(画像に撮影日時や位置情報等のデータ(EXIF情報)を記録しない場合は「なし」にする)
画面左下の[ズームレベル]マークをクリックして、[表示サイズに合わせる]を選択し、プレビュー画像のサイズを小さくする。
エクスプローラー画面が開くので、[保存する場所(I):]を、作業用フォルダとして作成した「JPEGファイル」フォルダに指定して、[保存(S):]をクリックする。
[Adobe Web 用に保存警告]画面が開くので、[OK]をクリックする。
Photoshopの画面に戻るので、上部メニューバーの[ファイル(F)]-[閉じる(C)]をクリックする。
[Adobe Photoshop CC 2017]画面が開くので、[いいえ(N)]をクリックする。
3.ここで記録する作業は終了ですが、Photoshop上の画像が閉じてPhotoshop起動時の画面に戻り、[アクション]タブが消えてアクションの記録を停止できないので、上部メニューバーの[ウィンドウ(W)]-[アクション]をクリックします。
画面右上に[アクション]タブが表示されるので、[■]([再生 /記録を中止])アイコンをクリックします。
4.アクションの記録が停止します。
下記画像のように、操作をした内容が[アクション]項目(ここでは[PSDからJPEG書き出し])に記録されます。
作成した「アクション」を再生する
作成した[アクション]を再生して、正常に動作するかどうかを確かめます。
1.PhotoshopでPSDファイルを開いた後(ここでは、どのPSDファイルを開いてもいい)、[アクション]タブの[PSDからJPEG書き出し]項目を選択した状態にして、[▶]([選択項目を再生])をクリックします。
2.Photoshop上の画像が閉じて、Photoshop起動時の画面に戻ります。
エクスプローラーを開いて、[アクション]で指定したフォルダ(ここでは「JPEGファイル」)に、JPEGファイルが書き出されていたら、正常にアクションが動作しています。
Photoshopの「自動処理」-「バッチ」でJPEGファイルを書き出す
Photoshopの「自動処理」-「バッチ」を使って、作成した「アクション」を実行し、大量のPSDファイルからJPEGファイルを自動で書き出します。
1.Photoshop起動時の画面で(画像は開かない)、上部メニューバーの[ファイル(F)]-[自動処理(U)]-[バッチ(B)…]をクリックします。
2.[バッチ]画面が開くので、下記画像のように各項目を設定し、最後に[OK]をクリックします。
セット(I):マイアクション
アクション(A):PSDからJPEG書き出し
ソース(S):フォルダー
選択(C)…
D:\PSDファイル\
3.作成した「アクション」(ここでは「PSDからJPEG書き出し」)が[バッチ]で自動実行されて、[バッチ]で指定したフォルダ(ここでは「PSDファイル」)にある全PSDファイルから「アクション」で指定したフォルダ(ここでは「JPEGファイル」)に、JPEGファイルが書き出しされます。
※ここではPSDファイル4個からJPEGファイル4個が書き出しされましたが、100個でも200個でも自動で書き出すことが可能です。
まとめ
Photoshopの[アクション]だけでは複数のファイルを連続して処理することができず、[バッチ]処理と組み合わせることで、大量のPSDファイルから自動でJPEGファイルを書き出すことができます。
同人ROM写真集等を制作する際に、Photoshopで大量のPSDファイルを完成させた後、自動でJPEGファイルに書き出す方法として、役に立つのではないでしょうか。