Excelでセル範囲に名前を付けておくと、数式の参照先を読み取りやすくできます。ただし、シートを作り替えたり表の範囲を広げたりすると、以前に作った名前が残ったままになり、数式の参照先が分かりにくくなることがあります。そんなときは、数式タブの「名前の管理」で、定義済みの名前を一覧で確認し、必要な名前だけを編集・削除します。
対象環境と作業前の確認
ここでは、Microsoft 365のWindowsデスクトップ版Excelを前提に説明します。Microsoft公式情報では、名前の管理はExcel for Microsoft 365のほか、Excel 2024、Excel 2021、Excel 2019、Excel 2016にも適用されます。画面表示はバージョンやリボンの幅で少し変わることがありますが、基本の入口は「数式」タブの「定義された名前」グループです。
名前を編集すると、その名前を使っている数式や機能にも影響します。特に、参照範囲を変更すると集計結果が変わることがあるため、作業前にブックを保存するか、コピーを作ってから進めると安心です。削除した名前を使っている数式がある場合、数式がエラーになる可能性もあります。
名前の管理で確認できること
「名前の管理」を開くと、ブック内の定義済みの名前やテーブル名を一覧で確認できます。表示される主な情報は、名前、値、参照範囲、スコープ、コメント、参照先です。名前が増えてきたブックでは、どの名前がどのセル範囲を指しているかをここで見直すと、数式の修正がしやすくなります。
スコープは、名前をブック全体で使うのか、特定のワークシートだけで使うのかを示します。ブック全体の名前とワークシート単位の名前が混在していると、同じような名前でも使える場所が異なるため、編集前にスコープを確認しておきます。
値にエラーが表示されている名前は、参照先のセルやシートが削除されている可能性があります。たとえば、不要なシートを消した後に名前だけが残っていると、参照範囲が正しく解決できないことがあります。
名前の管理を開く手順
- Excelで対象のブックを開きます。
- リボンの「数式」タブを選択します。
- 「定義された名前」グループにある「名前の管理」を選択します。
- 一覧で、編集したい名前や確認したい名前を選択します。
セルの内容を編集中は、名前の管理を使えない場合があります。セル内にカーソルが入っているときは、EnterキーまたはEscキーで編集状態を終えてから開き直してください。
定義済みの名前を編集する
名前を変更したい場合は、一覧で対象の名前を選択し、「編集」を選びます。名前をダブルクリックして編集画面を開くこともできます。表示された画面で「名前」欄を変更し、必要に応じて「参照範囲」も修正してから「OK」を選択します。
参照範囲だけを直したい場合は、名前の管理画面下部の「参照先」欄で変更できます。範囲を入力し直した後は、確定ボタンまたはEnterキーで保存します。誤って変更した場合は、確定する前にキャンセルすれば反映されません。
名前を編集すると、ブック内でその名前を使っている数式にも変更が反映されます。これは便利な一方で、意図しない範囲を指定すると複数の数式に影響するため、編集後は関係する集計表やグラフの値を確認してください。
不要な名前を削除する
使わなくなった名前は、名前の管理で選択して「削除」を押します。複数の名前をまとめて選ぶこともできます。連続した名前はShiftキーを使って範囲選択し、離れた名前はCtrlキーを押しながら選択します。削除確認が表示されたら、内容を確認してから確定します。
削除する前に、参照先やコメントを見て、本当に使っていない名前か確認します。特に、印刷範囲やテーブル名に関係する名前を不用意に削除すると、印刷設定や表の参照に影響することがあります。迷う場合は、すぐに削除せず、ブックのコピーで試してから本番のファイルに反映してください。
エラーのある名前を探す
名前が多いブックでは、一覧をそのまま見ても問題箇所を探しにくいことがあります。その場合は、「フィルター」を使って「エラーのある名前」を表示します。値にエラーが出ている名前だけを絞り込めるため、シート削除や範囲変更のあとに残った名前を見つけやすくなります。
エラーのある名前を見つけたら、まず参照先を確認します。まだ使う名前であれば、正しいセル範囲に編集します。不要な名前であれば、関連する数式が残っていないか確認してから削除します。
編集後に確認したいポイント
名前の管理を閉じたら、名前を使っている数式や集計表を確認します。数式バーで名前が正しく表示されるか、集計結果が想定どおりか、グラフや入力規則などで参照エラーが出ていないかを見ます。
うまくいかないときは、名前のスコープと参照範囲を見直します。ワークシート単位の名前を別のシートから使おうとしていたり、範囲の行数が不足していたりすると、思った結果になりません。名前の管理を使えば、定義済みの名前を一か所で整理できるため、数式の保守やブックの引き継ぎがしやすくなります。