【Excel】予測シートで将来の推移をグラフと表で確認する方法

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今回は、Excelの予測シートを使って、過去のデータから将来の推移を表とグラフで確認する方法を紹介します。

対象は、Windows版のExcelデスクトップアプリ(Microsoft 365など)です。Microsoftのサポート情報もWindows版を対象にした手順として案内されているため、Web版やMac版では利用可否や画面が異なる場合がある点に注意してください。

予測シートとは

予測シートは、日付や時刻などの時系列データと、それに対応する数値をもとに、今後の値を予測する機能です。作成すると新しいワークシートが追加され、次の内容がまとめて表示されます。

  • 過去の値と予測値を並べた表
  • 過去の推移と予測の推移を示すグラフ

関数を一から組み立てなくても、売上の見通し、在庫の必要量の目安、利用件数の推移などを確認できるのが特長です。予測値の計算にはFORECAST.ETS関数が使われ、指数平滑法という手法で過去の傾向や季節的な変動を読み取って将来の値を求めます。

予測シートを作る前のデータ準備

予測シートの精度は、元データの整え方で変わります。作成前に次の点を確認しておきましょう。

  • 2つの列を用意する:1列目に日付や時刻(タイムライン)、2列目にそれに対応する数値を入力します。
  • 間隔をそろえる:タイムラインは、毎月1日、毎週月曜日、毎年など、一定の間隔で並んでいる必要があります。
  • 同じ日付の重複はまとめておく:同じ日付に複数の値があっても作成はできますが、あらかじめ日付ごとに集計しておくと、より妥当な予測につながります。
  • 欠けたデータは少なめに:多少の欠落は自動で補われますが、欠けが多いと予測の根拠が弱くなります。

日付は文字列ではなく日付データで入力する

タイムラインの列が文字列として入力されていると、正しく時系列として扱われない場合があります。「2026/4/1」のように日付として認識される形式で入力し、セルの表示形式が日付になっているかを確認しておくと安心です。

1日単位の細かいデータは月単位にまとめると見やすい

日々の値が大きく上下するデータは、そのままでは傾向が読み取りにくいことがあります。目的が月ごとの見通しであれば、ピボットテーブルや集計関数で月単位に集計してから予測シートを作ると、グラフも表もすっきりします。

予測シートの作成手順

データの準備ができたら、次の手順で作成します。

  1. タイムラインの列と値の列の両方を選択します。どちらかの列のセルを1つ選ぶだけでも、残りのデータが自動的に選択されます。
  2. [データ]タブの[予測]グループにある[予測シート]を選択します。
  3. [予測ワークシートの作成]ボックスが開いたら、予測を表すグラフとして折れ線グラフか縦棒グラフを選びます。
  4. [予測終了]ボックスで、どの日付まで予測するかを指定します。
  5. [作成]を選択します。

新しいワークシートは、元データのあるシートの左側(前)に追加されます。元データのシートはそのまま残るため、予測シートを作り直したいときも安心です。

グラフの種類の選び方

折れ線グラフは、時間の流れに沿った増減の傾向を追いやすいのが利点です。予測値の上下に表示される範囲(信頼区間)も読み取りやすくなります。縦棒グラフは、月ごとの値の大きさを比べたい場合に向いています。迷ったときは、まず折れ線グラフで全体の流れを確認するとよいでしょう。

オプションで予測をカスタマイズする

[予測ワークシートの作成]ボックスで[オプション]を選ぶと、予測の条件を細かく設定できます。主な項目は次のとおりです。

  • 予測開始:予測を始める日付を指定します。
  • 信頼区間:予測値の上下に、将来の値が収まると見込まれる範囲を表示するかどうかを切り替えます。範囲の水準も変更できます。
  • 季節性:1年周期など、繰り返しのパターンの長さです。通常は自動で検出されますが、[手動設定]で数値を指定することもできます。
  • タイムライン範囲・値の範囲:予測に使うセル範囲を変更します。2つの範囲は対応している必要があります。
  • 見つからない点の入力方法:欠けたデータを前後の値から補うか、ゼロとして扱うかを選びます。
  • 重複を集計する方法:同じ日付に複数の値がある場合の扱いを、平均や中央値などから選びます。
  • 予測統計情報を含める:オンにすると、予測に関する指標をまとめた表が追加されます。

予測開始を過去にずらして精度を確かめる

便利な使い方として、予測開始を最後の実績より前の日付に設定する方法があります。すると、その日付より前のデータだけで予測が作られるため、予測値と実際の値を同じグラフ上で見比べられます。予測がどの程度実績に近いかを確かめる目安になります。

ただし、開始日をさかのぼりすぎると、予測に使うデータが少なくなり、本来の傾向を反映しにくくなります。確認が終わったら、すべての実績データを使う設定に戻して予測を作り直すと、より妥当な見通しになります。

季節性を手動で設定するときの注意点

月ごとのデータで1年周期の変動があるなら、季節性は「12」が目安になります。手動で指定する場合は、少なくとも2周期分以上のデータがあることを確認してください。データが周期に対して足りないと、季節的なパターンを読み取れず、季節性を考慮しない予測になります。自動検出で不自然な結果になったときだけ手動設定を試す、という使い方がおすすめです。

作成された表とグラフの見方

予測シートの表には、次のような列が並びます。

  • タイムラインの列(元データの日付)
  • 値の列(元データの数値)
  • 予測値の列(FORECAST.ETS関数で計算)
  • 信頼区間の下限・上限の列(FORECAST.ETS.CONFINT関数で計算。信頼区間をオンにした場合のみ)

予測値の列には関数が入っているため、どのような式で計算されているかをセルを選んで確認できます。関数の仕組みを学ぶ教材としても役立ちます。

信頼区間の幅に注目する

グラフに表示される上下の範囲は、予測のぶれ幅の目安です。範囲が狭いほど、その時点の予測は安定していると読み取れます。先の日付になるほど範囲が広がるのは、遠い将来ほど不確かさが増すためです。予測値の線だけを見るのではなく、範囲の幅も合わせて確認すると、見通しを立てるときの判断材料になります。

予測シートを活用するためのヒント

  • 元データを更新したら作り直す:予測シートは作成時点のデータで作られます。新しい実績が加わったら、範囲を指定し直して再作成すると、最新の傾向を反映できます。
  • 予測期間は控えめに設定する:手元のデータ期間に比べて予測終了日を先にしすぎると、信頼区間が広がり、参考にしにくくなります。
  • 予測は目安として扱う:予測シートは過去の傾向をもとにした計算です。キャンペーンや制度変更など、過去にない出来事の影響は反映されないため、ほかの情報と合わせて判断することが大切です。
  • グラフは通常のグラフと同じように編集できる:タイトルや軸ラベルを追加すると、資料に貼り付けたときに内容が伝わりやすくなります。

まとめ

Excelの予測シートを使うと、時系列データから将来の推移を表とグラフで手早く確認できます。

  • 日付と数値の2列を用意し、日付は一定の間隔でそろえる
  • [データ]タブの[予測シート]から、グラフの種類と予測終了日を指定して作成する
  • [オプション]で予測開始、信頼区間、季節性などを調整できる
  • 予測開始を過去にずらすと、予測と実績を見比べて精度を確かめられる
  • 予測値はFORECAST.ETS関数で計算されるため、式を確認して理解を深められる

まずは手元にある月ごとの売上や件数のデータで予測シートを作成し、表とグラフの動きを確認するところから始めてみてください。