【Excel】マクロ記録機能で毎日の繰り返し作業を自動化する手順

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今回は、Excelのマクロ記録機能を使って、日々の繰り返し作業を自動化し、業務効率を上げる方法について紹介します。

Excelで仕事をしていると、「毎日送られてくるデータから特定の列を削除し、見出しに色をつけて、売上順に並べ替える」といった、いつも同じ手順で行う作業が発生することがあります。このような定型作業を毎回手作業で行うのは、時間がかかるだけでなく、操作の抜け漏れといったミスの原因にもなります。そんなときに役立つのが「マクロ記録」という機能です。プログラミングの専門知識がなくても、Excelに行わせたい操作を覚えさせることで、次からはボタン一つで同じ作業を再現できるようになります。

マクロ記録機能の仕組みと準備

マクロと聞くと「VBA」という難しいプログラム言語を書かなければならない、というイメージがあるかもしれません。しかし、マクロ記録機能を使えば、そのプログラムをExcelが自動で作成してくれます。

マクロ記録とは

マクロ記録は、カセットテープやスマートフォンのボイスレコーダーの録音機能に似ています。「記録開始」のボタンを押してから行ったクリックやキーボード入力などの一連の操作が、裏側で自動的にVBAのコードとして記録(録音)されていきます。そして「記録終了」を押すと、一つの「マクロ(自動実行プログラム)」として保存されます。次回からは、そのマクロを呼び出す(再生する)だけで、記録した時と全く同じ操作が同じ順番で瞬時に実行される仕組みです。

「開発」タブを表示する

マクロ記録を使うためのボタンは、初期状態のExcelでは画面上部のメニュー(リボン)に表示されていないことがあります。まずはこれを表示させる準備が必要です。

  1. 画面左上の「ファイル」タブをクリックし、一番下にある「オプション」を選びます。
  2. 「Excelのオプション」というウィンドウが開いたら、左側のメニューから「リボンのユーザー設定」をクリックします。
  3. 右側の「リボンのユーザー設定」欄のリストを下へスクロールし、「開発」という項目を探してチェックボックスにチェックを入れます。
  4. 「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。

これで、画面上部に「開発」タブが追加され、マクロ関連の機能が使えるようになります。

マクロを記録する手順

準備が整ったら、実際に操作を記録してみます。ここでは例として、「1行目の見出しを太字にし、背景色を黄色にして、罫線を引く」という表の書式設定を記録する手順を見ていきます。

1. 記録の開始

まずは、操作を行う前の状態の表を用意しておきます。

  1. 「開発」タブを開き、「マクロの記録」ボタンをクリックします。
  2. 「マクロの記録」ダイアログボックスが表示されます。
  3. 「マクロ名」の欄に、後から見て内容が分かるような名前(例:見出し書式設定)を入力します(スペースは使えません)。
  4. 必要に応じて、ショートカットキー(Ctrl+特定のキー)を割り当てたり、説明を入力したりして、「OK」をクリックします。

「OK」を押した瞬間から記録が始まります。画面左下(ステータスバー)に、録画中のような四角い停止マークが表示されているのが、記録中の合図です。

2. 自動化したい操作を行う

記録が始まったら、自動化したい作業を普段通りに行います。

  1. 表の1行目(見出し部分)をドラッグして選択します。
  2. 「ホーム」タブを開き、文字を「太字」にします。
  3. 「塗りつぶしの色」から「黄色」を選びます。
  4. 「罫線」のメニューから「格子」を選び、線を引きます。

3. 記録の終了

必要な操作がすべて終わったら、すぐに記録を終了させます。ここで余計な操作をしてしまうと、それも一緒に記録されてしまうため注意が必要です。

  1. 「開発」タブに戻ります。
  2. 先ほどまで「マクロの記録」だったボタンが「記録終了」に変わっているので、それをクリックします。

これで、一連の書式設定の操作がマクロとして保存されました。

記録したマクロの実行と保存の注意点

記録したマクロは、別のシートや、次に同じようなデータが送られてきたときに活用できます。

マクロの実行方法

新しいデータを開き、先ほど記録したマクロを呼び出してみます。

  1. 「開発」タブの「マクロ」ボタンをクリックします。
  2. 「マクロ」ダイアログボックスが開き、記録したマクロ名(例:見出し書式設定)がリストに表示されます。
  3. 実行したいマクロを選択し、右側の「実行」ボタンをクリックします。

すると、先ほど数手かけて行った太字・色塗り・罫線の設定が、一瞬で完了します。

マクロを保存する際のファイル形式

マクロを含んだExcelファイルを保存する際、一つ重要な注意点があります。通常の「.xlsx」というファイル形式のまま保存しようとすると、「次の機能はマクロなしのブックに保存できません」という警告メッセージが表示されます。

マクロを消さずに保存するためには、ファイル形式を変更する必要があります。

  1. 「ファイル」タブから「名前を付けて保存」を選びます。
  2. 「ファイルの種類」のプルダウンメニューをクリックします。
  3. 上から2番目あたりにある「Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)」を選択します。
  4. 「保存」をクリックします。

これで、記録したマクロがファイルと一緒に安全に保存されます。

マクロ記録を成功させるTips

マクロ記録をうまく使いこなすためのヒントをいくつか紹介します。

記録する前に手順をメモしておく

マクロの記録中は、間違えて関係ないセルをクリックしたり、画面をスクロールしすぎたりした操作もすべて「プログラムのコード」として記録されてしまいます。これが原因で、再生したときに予期せぬ動きをすることがあります。記録を始める前に、これから行う操作の順番をメモに書き出し、リハーサルをしておくと、無駄な操作のない綺麗なマクロを作ることができます。

「相対参照」の活用

初期設定のマクロ記録(絶対参照)では、「A1からD1のセルを選択して色を塗る」というように、「特定の場所」に対する操作として記録されます。そのため、表の位置がずれるとうまく機能しません。

もし、「今選択しているセルを基準にして色を塗る」というように、場所を固定せずに記録したい場合は、「開発」タブにある「相対参照で記録」というボタンをオン(色が濃くなった状態)にしてから、「マクロの記録」を開始します。これらを使い分けることで、より柔軟に使えるマクロになります。

まとめ

Excelのマクロ記録機能は、プログラミングの知識がなくても、日常の繰り返し作業を簡単に自動化できる仕組みです。「開発タブの表示」「マクロの記録と終了」「マクロ有効ブックとしての保存」という基本的な流れを押さえるだけで、手作業による時間とミスの削減に繋がります。まずは「表の書式を整える」「決まった列を削除する」といった数十秒の簡単な作業から記録を試し、少しずつ自分専用の自動化ツールを増やしてみてはいかがでしょうか。