今回は、PowerPointでスライド上に配置した複数の図形や画像、テキストボックスなどを、「配置」と「整列」機能を使って美しく、均等に揃える方法について紹介します。
配置と整列の重要性
プレゼンテーション資料を作成する際、スライドの中に3つの四角形を並べて説明文を書き込んだとします。
このとき、それぞれの四角形の「上の高さ」がバラバラだったり、四角形同士の「横の隙間(間隔)」が不均等だったりすると、聞き手は無意識のうちにそのズレに違和感を覚え、資料の内容よりも「雑に作られた資料だな」というネガティブな印象を抱いてしまいます。
逆に、すべてのオブジェクトがミリ単位の狂いもなくピシッと揃っている資料は、それだけでプロフェッショナルで信頼感のある印象を与えます。
しかし、マウスのドラッグ操作だけで複数の図形を完璧に揃えるのは至難の業であり、時間もかかります。
PowerPointには、選択した複数のオブジェクトを一瞬で同じ高さに揃えたり、等間隔に配置したりする「配置(整列)」機能が備わっています。
この機能のショートカットや使いどころをマスターすれば、資料作成のスピードとクオリティが劇的に向上します。
スマートガイド(赤い点線)の活用
PowerPointの最近のバージョンでは、図形をマウスでドラッグして移動させていると、他の図形と高さや間隔が合った瞬間に「赤い点線」や「両矢印」が画面上にパッと表示される「スマートガイド」機能があります。
2〜3個の図形をサッと並べる程度であれば、この赤い線を目印にしてマウスを離すだけで十分に綺麗に揃えることができます。
しかし、4個以上の図形を同時に扱う場合や、スライドの中央に正確に配置したい場合、あるいは後から一括で修正したい場合には、やはり手作業のスマートガイドよりも、確実な「配置(整列)」機能を使う方が圧倒的に早く、正確です。
複数のオブジェクトを一直線に揃える手順
高さがバラバラに配置されている3つの図形を、一瞬で「上端」や「中央」で一直線に揃える基本的な操作を解説します。
オブジェクトの複数選択
まずは、揃えたい対象となるすべての図形を選択します。
キーボードの「Shift」キー(または「Ctrl」キー)を押しながら、3つの図形を順番にクリックしていくか、マウスポインターを何もないところからドラッグして、3つの図形がすべて囲まれるように大きく四角を描いて選択(範囲選択)します。
図形の周囲にハンドル(白い丸)が表示され、3つすべてが選択状態になったことを確認します。
「配置」メニューからの揃え方の選択
複数の図形が選択された状態で、リボンの「図形の書式(または描画ツール、ホーム)」タブを開きます。
「配置」グループ(または右側の方)にある「オブジェクトの配置(アイコンが四角形と縦線のマーク)」をクリックします。
すると、ドロップダウンメニューに「左揃え」「左右中央揃え」「右揃え」「上揃え」「上下中央揃え」「下揃え」といった揃え方の選択肢が表示されます。
ここから「上揃え」をクリックすると、選択していた3つの図形の中で「一番高い位置にある図形」の上端に合わせて、他の2つの図形が一瞬で上に移動し、一直線にピシッと揃います。
「上下中央揃え」を選べば、3つの図形の中心を通る横線を基準に、それぞれの図形が上下に動いて中央で整列します。
オブジェクトの間隔を均等にする手順
高さは揃ったものの、図形同士の横の隙間(間隔)がバラバラな状態を、等間隔に美しく整える手順を解説します。
「左右(上下)に整列」機能の活用
先ほど高さを「上揃え」にした3つの図形がすべて選択された状態のまま、再度「配置」メニューを開きます。
今度はメニューの下の方にある「左右に整列」をクリックします。
すると、「一番左にある図形」と「一番右にある図形」の位置はそのまま固定され、その間にある図形(真ん中の図形)だけが左右に移動して、3つの図形間の「2つの隙間」の広さが完全に等間隔(同じ幅)になります。
この「上揃え」と「左右に整列」の2回のクリックは、PowerPointでの図解作成において最も頻繁に使用する最強のコンボ技です。
縦に並んだ図形を揃える場合は、「左揃え」をしてから「上下に整列」を選択します。
基準を変える「スライドに合わせて配置」設定
ここまでの操作は、選択した「複数のオブジェクト同士」の関係性で揃える(一番上にあるものに合わせる、一番左と右の間で均等にする)設定でした。
しかし、「1つの図形をスライドのど真ん中に置きたい」場合や、「3つの図形をスライドの左端から右端まで画面いっぱいに等間隔で広げたい」といった場合には、揃えるための「基準」を変更する必要があります。
揃える基準の切り替え
「配置」メニューのドロップダウンを開いたとき、下の方に「選択したオブジェクトを揃える」と「スライドに合わせて配置」という2つの設定項目(ラジオボタンのようなもの)があります。
デフォルトでは「選択したオブジェクトを揃える」にチェックが入っています。
これを「スライドに合わせて配置」の方をクリックして変更(チェックマークを移動)します。
スライド全体を基準にした配置と整列
この状態(基準がスライド全体)で、1つの図形を選択し、配置メニューから「左右中央揃え」と「上下中央揃え」を順番にクリックすると、その図形はスライドというキャンバスの「完全な中心(ど真ん中)」に移動します。
また、3つの図形を選択した状態で「スライドに合わせて配置」にし、「左右に整列」をクリックすると、1つ目の図形がスライドの左端に、3つ目の図形が右端にピタッと張り付き、真ん中の図形がその中央に配置され、スライド全体を使って均等に分割されたレイアウトが完成します。
目的に応じて、この「基準」を使い分けることが、自由自在なレイアウトを実現するための必須テクニックとなります。
まとめ
PowerPointの「配置」と「整列」機能を使って、複数の図形やオブジェクトを美しく揃える方法について解説しました。
「図形の書式」タブの「配置」メニューから「上揃え」や「上下中央揃え」を選ぶだけで、バラバラの高さが一瞬で一直線に整います。
さらに「左右に整列」を組み合わせることで、手作業では不可能なミリ単位での等間隔配置が完了します。
これらの一連の操作は、クイックアクセスツールバーに登録しておくか、「Alt」キーを使ったアクセスキー(例:Alt → H → G → A →
T で上揃え)を覚えておくことで、さらに作業スピードが跳ね上がります。
また、1つの図形を画面の中央に配置したいときなどは、「スライドに合わせて配置」に基準を切り替える設定も非常に便利です。
「なんとなく揃っている」状態から卒業し、配置・整列機能を駆使して、誰が見ても整然としたプロフェッショナルなプレゼンテーション資料を素早く構築してみてはいかがでしょうか。