今回は、Wordの比較表示と同時スクロールを使い、2つの文書を見比べながら差分を確認する方法を紹介します。
比較表示が役立つ場面
Wordで文書を作っていると、似た内容のファイルを見比べたい場面があります。たとえば、修正前と修正後の契約書、前回版と今回版の提案書、部署ごとに調整されたマニュアルなどです。ファイルを交互に開いて確認すると、どこを見ていたか分からなくなりやすく、細かな変更を見落とすことがあります。
このようなときは、Wordの並べて比較と同時スクロールを使うと、2つの文書を横に並べた状態で確認できます。片方をスクロールすると、もう片方も同じように動くため、同じ位置の文章を見比べやすくなります。
変更履歴や文書比較機能を使うほどではない場合でも、目視で確認したいときに便利です。特に、ページ構成、見出し、表の位置、文章量の違いを確認する作業に向いています。
2つの文書を並べて表示する
比較表示を使うには、見比べたい2つのWord文書を開いておきます。どちらか片方だけを開いた状態では、並べて比較の対象がありません。
- 比較したい2つのWord文書を開く
- どちらか一方の文書を前面に表示する
- 「表示」タブを選ぶ
- 「並べて比較」を選ぶ
- 対象文書を選ぶ画面が出たら、もう一方の文書を選ぶ
これで2つの文書が左右に並びます。画面幅が狭い場合は文字が詰まって見えるため、ズームを下げる、ナビゲーションウィンドウを閉じる、不要な作業ウィンドウを閉じるなどして見やすくします。
並べて表示したあと、片方の文書だけが動く場合は、同時スクロールが無効になっている可能性があります。「表示」タブの「同時スクロール」を確認します。
同時スクロールで同じ位置を確認する
同時スクロールを有効にすると、片方の文書を上下に動かしたとき、もう片方も合わせてスクロールします。章立てやページ数が近い文書であれば、同じ見出し周辺を見比べやすくなります。
ただし、片方の文書に追記や削除が多い場合は、同じスクロール位置でも内容がずれることがあります。その場合は、見出しやページ番号を目印にして、位置を合わせ直します。比較表示は自動で差分を判定する機能ではないため、目印を決めて確認することが大切です。
確認しやすい目印には次のようなものがあります。
- 章や節の見出し
- 表番号や図番号
- ページ番号
- 箇条書きの項目名
- 日付や版番号
同時スクロールがかえって使いにくい場合は、一時的にオフにできます。片方だけ位置を動かしてから、再び同時スクロールをオンにすると、確認したい箇所を合わせやすくなります。
目視確認に向いたチェック方法
2つの文書を並べたら、最初から最後までただ読むより、確認する観点を決めて進めると効率がよくなります。文書の種類によって、見るべき点は変わります。
たとえば、契約書や規程文書なら、条番号、見出し、金額、日付、条件文を中心に確認します。提案書なら、表紙、構成、見出し、図表、注記、締めの文言を確認します。マニュアルなら、手順番号、画面名、ボタン名、注意書きの有無を見ます。
確認作業では、次の順番が扱いやすいです。
- 表紙やタイトルの違いを確認する
- 見出しの順番と抜けを確認する
- 本文の追加や削除がありそうな箇所を確認する
- 表、図、注記の位置を確認する
- 日付、版番号、担当者名などを確認する
変更箇所に気づいたら、コメントを入れるか、別メモに残します。頭の中だけで覚えようとすると、後半で判断が混ざりやすくなります。Wordのコメント機能を使えば、該当箇所の近くに確認内容を残せます。
文書比較機能との使い分け
Wordには、2つの文書を比較して変更箇所を表示する機能もあります。文章単位で差分を確認したい場合は、その機能が向いています。一方、比較表示と同時スクロールは、レイアウトや構成を見ながら確認したい場合に向いています。
使い分けの目安は次の通りです。
- 文章の追加や削除を追いたい場合は文書比較
- ページの見た目を見比べたい場合は並べて比較
- 表や図の位置を確認したい場合は同時スクロール
- 軽い確認なら比較表示、正式な差分確認なら文書比較
同じ文書でも、最初に文書比較で変更点を確認し、そのあと比較表示で見た目を確認する流れにすると、文章とレイアウトの両方を見直せます。
確認結果を残す方法
比較表示で気づいた違いは、その場で処理するだけでなく、確認結果として残しておくと後の作業が楽になります。特に、複数人で確認する文書では、誰がどこを見たのか、どの判断をしたのかが分かる状態にしておくと、同じ箇所を何度も確認せずに済みます。
Word内に残す場合は、コメント機能を使います。修正が必要な箇所には「表記を前回版に合わせる」「この段落は新版を採用する」のように、判断が分かる形でコメントを入れます。文書にコメントを残したくない場合は、別の確認メモを作り、ページ番号や見出し名と一緒に内容を書きます。
確認メモに入れたい項目は次の通りです。
- 確認した文書名
- 比較した相手の文書名
- 確認した日付
- 差分があった見出しやページ
- 採用した内容と保留した内容
比較作業では、見つけた違いをすべて修正するとは限りません。意図的な変更なのか、誤って変わったものなのかを分けて残すことで、次の確認者が判断しやすくなります。
画面が狭いときの工夫
ノートパソコンの画面で2つの文書を並べると、本文が細く表示されることがあります。その場合は、ズームを下げるだけでなく、リボンを折りたたみ、ナビゲーションウィンドウやコメント欄を閉じます。必要なときだけ開くようにすると、本文を確認する領域を確保できます。
短時間で確認したい場合は、全文を読む前に見出しだけを追います。構成の違いを先に見つけてから本文へ進むと、確認する位置を合わせやすくなります。
まとめ
Wordの比較表示と同時スクロールを使うと、2つの文書を横に並べて確認できます。修正前後の文書、前回版と今回版の資料、部署別に編集されたファイルを見比べるときに役立ちます。
同時スクロールは便利ですが、文書の内容がずれていると位置も合わなくなります。見出しやページ番号を目印にして、必要に応じてスクロールを一時的に切り替えると確認しやすくなります。文章の差分は文書比較、見た目や構成の確認は比較表示というように使い分けると、Word文書の確認作業を進めやすくなります。