今回は、Excelのスライサーを使って、データを絞り込む方法を紹介します。
スライサーとは何か
Excelで表やピボットテーブルを確認するとき、フィルターを使って条件を絞り込むことがあります。通常のフィルターでも十分使えますが、現在どの条件で絞り込んでいるかが分かりにくいことがあります。そこで役立つのがスライサーによる絞り込みです。
スライサーは、ボタンを押すような感覚でデータを絞り込める機能です。部署、担当者、分類、月、地域などの項目を画面上に表示し、クリックして条件を切り替えられます。集計表や確認用のダッシュボードで使うと、見る人が操作しやすくなります。
テーブルにスライサーを追加する
スライサーは、Excelのテーブルやピボットテーブルで使えます。通常の範囲を使っている場合は、まずテーブル化しておくと扱いやすくなります。
- 元データの範囲を選択する
- 「挿入」タブから「テーブル」を選ぶ
- 見出し行を確認してテーブル化する
- テーブル内を選択する
- 「テーブルデザイン」から「スライサーの挿入」を選ぶ
- 絞り込みに使う列を選択する
スライサーを挿入すると、選んだ項目ごとにボタンが表示されます。クリックすると、その条件に合う行だけが表示されます。
ピボットテーブルと組み合わせる
スライサーはピボットテーブルとの相性がよい機能です。売上集計、経費集計、作業時間の集計などで、月別、担当者別、分類別に結果を切り替えたいときに使えます。
ピボットテーブルにスライサーを追加すると、集計結果そのものを条件に合わせて切り替えられます。通常のフィルターより操作が分かりやすいため、会議中に画面を見せながら確認するときにも便利です。複数のピボットテーブルを同じスライサーで操作する設定もできます。
複数選択を使う
スライサーでは、1つの条件だけでなく複数の条件を選べます。たとえば、担当者Aと担当者Bだけを表示したり、複数の地域をまとめて確認したりできます。
複数選択を使うときは、スライサー上部の複数選択ボタンを使うか、Ctrlキーを押しながら項目を選びます。解除したい場合は、フィルター解除のボタンを押します。操作に慣れていない人と共有する表では、スライサーの近くに項目名を分かりやすく置くと扱いやすくなります。
スライサーの配置を整える
スライサーは便利ですが、置き方によっては表が見づらくなります。確認用のシートでは、表の上部や左側など、操作しやすい場所にまとめます。複数のスライサーを使う場合は、サイズや位置をそろえると見た目が整います。
スライサーの列数を変更すると、横長や縦長の表示にできます。項目数が少ない場合は横に並べ、項目数が多い場合は縦に並べると選びやすくなります。ダッシュボード風に使う場合は、表やグラフを隠さない位置に置くことが大切です。
項目名を整理する
スライサーに表示される項目は、元データの値です。そのため、元データに表記ゆれがあると、似た項目が複数表示されます。「東京」と「東京都」、「未対応」と「未着手」のような値が混ざると、絞り込み結果も分かりにくくなります。
スライサーを使う前に、元データの項目名を整理します。部署名や状態はドロップダウンリストで入力する、不要な空白を取り除く、分類名を統一するなどの準備をしておくと、スライサーが使いやすくなります。
タイムラインとの違い
日付を絞り込む場合、スライサーのほかにタイムラインを使えることがあります。タイムラインは、月や四半期などの期間で絞り込む操作に向いています。日付データを含むピボットテーブルでは、期間の切り替えを見やすくできます。
項目名で選ぶならスライサー、期間で選ぶならタイムラインというように使い分けるとよいでしょう。両方を組み合わせると、「特定の部署の特定期間だけを見る」といった確認がしやすくなります。
共有前に確認するポイント
スライサーを含む表を共有する前には、操作しやすい状態になっているか確認します。意図しない条件が残っていると、相手が一部のデータしか見ていないことに気づかない場合があります。
- フィルターが解除された初期状態になっているか
- スライサーの項目名が分かりやすいか
- 表やグラフを隠していないか
- 複数のスライサーの位置がそろっているか
- 不要な空白項目が表示されていないか
- 保護が必要なセルを編集できないようにしているか
確認用ファイルでは、スライサーを触っても数式や元データが壊れないように、必要に応じてシート保護を使います。
複数の集計と連動させる
同じ元データから複数のピボットテーブルを作っている場合、スライサーを連動させると便利です。たとえば、売上表、件数表、担当者別グラフを同じ部署条件で切り替えられるようにすると、確認の流れが分かりやすくなります。
連動させるには、スライサーのレポート接続を確認します。接続先のピボットテーブルを選ぶことで、1つのスライサーから複数の集計を同時に切り替えられます。ダッシュボード形式のシートでは、条件を一度選べば関連する表やグラフがそろって変わるため、説明もしやすくなります。
スライサーを増やしすぎない
スライサーは操作しやすい機能ですが、数が多すぎると画面が狭くなり、どの条件を選べばよいか分かりにくくなります。確認によく使う項目に絞り、あまり使わない条件は通常のフィルターに任せる方法もあります。
よく使われるのは、期間、部署、担当者、分類、地域などです。見る人が毎回使う項目を上部に置き、補助的な項目は別の場所に置くと整理しやすくなります。操作画面として使うシートでは、表やグラフを見る範囲と、条件を選ぶ範囲を分けることがポイントです。
まとめ
Excelのスライサーは、テーブルやピボットテーブルのデータを分かりやすく絞り込むための機能です。フィルター条件が画面上に見えるため、共有用の集計表や確認用シートで使いやすくなります。
使うときは、元データの表記をそろえ、スライサーの配置や項目名を整えます。タイムラインやピボットテーブルと組み合わせることで、条件を切り替えながら確認できるExcel表を作れます。