今回は、Wordの段組みを使い、案内文や会報などの紙面を読みやすく整える方法を紹介します。
Wordの段組みとは
段組みは、ページ内の本文領域を複数の縦列に分け、上から下へ読み進めた後、次の列へ文章を流す機能です。新聞、会報、ニュースレター、案内チラシ、用語集など、一行が長くなりすぎる紙面に向いています。
横幅の広い用紙へ文章を一段で配置すると、視線の移動距離が長くなります。二段や三段に分けると、一行あたりの文字数を抑えられます。
ただし、段数を増やせば読みやすくなるとは限りません。文字が小さい、図が多い、文章が短い場合は、列が細くなって改行が増えます。用紙サイズ、文字サイズ、内容量に合わせて段数を決めることが基本です。
文書全体を段組みにする
文書全体へ段組みを設定する場合は、「レイアウト」タブから段組みを選び、一段、二段、三段などを指定します。文章は最初の段の上から下へ流れ、ページ下部へ達すると次の段へ移ります。
設定後は、見出し、表、画像、脚注などの配置を確認します。幅の広い表や画像は段の幅へ収まらず、縮小が必要になることがあります。
文書全体を段組みにする前に、用紙方向と余白を決めます。後から余白を変えると段幅も変わり、改行位置やページ数が動きます。
文書の一部だけを段組みにする
タイトルや冒頭説明は一段、その下の本文だけ二段という構成も作れます。段組みにしたい範囲を選択して設定すると、Wordが前後へセクション区切りを挿入し、選択部分だけへ適用します。
一部だけ設定する場合は、セクション区切りの位置を編集記号で確認します。区切りを削除すると、前後の段組みやページ書式が変わることがあります。
タイトル直後から段組みを始めたい場合は、タイトル段落を選択範囲へ含めないようにします。末尾の文章だけ一段へ戻す場合も、対象範囲と区切り位置を確認します。
段の幅と間隔を調整する
段組みの詳細設定では、段の幅と段間の距離を調整できます。均等幅を解除すると、左を広く、右を狭くするような構成も可能です。
段間が狭すぎると、隣の段へ文章が続いているように見えます。広すぎると本文領域が減り、行が細かく折り返されます。文字サイズや行間を見ながら、段の境界が分かる余白を確保します。
段間へ境界線を表示する設定もあります。文章量が多く段の区別が付きにくい場合に使えますが、線が強いと紙面を分断して見せます。細い線や薄い色を選び、装飾が本文より目立たないようにします。
段区切りで次の段へ送る
文章の途中から次の段を始めたい場合は、Enterキーを繰り返して押し下げるのではなく、段区切りを挿入します。段区切りより後の文章は、次の段の先頭へ移動します。
見出しを右段の先頭に置く、左右で内容を分けるといった場面に使えます。空段落で位置を調整すると、前の文章を追加した際にずれますが、段区切りなら意図した境界を保てます。
編集記号を表示すると段区切りの位置を確認できます。不要になった場合は区切り記号を削除しますが、削除後に文章の流れがどう変わるか確認します。
段の高さを揃える考え方
複数段の末尾では、Wordが段の文章量を調整し、各段の高さを揃える場合があります。最終ページだけ文章が均等に分かれ、不自然な空きができることがあります。
段の末尾にセクション区切りがあるか、改ページや段区切りが入っているかを確認します。段落の「次の段落と分離しない」「段落内で改ページしない」などの設定も文章の流れへ影響します。
紙面の下端を揃えるために文字サイズや行間を個別変更すると、全体の統一感が崩れます。文章量の調整、画像サイズ、段落間隔など、読みやすさを保てる方法から検討します。
見出しを段の途中で分離させない
段の最下部に見出しだけが残り、本文が次の段へ送られると読みにくくなります。見出しスタイルの段落設定で「次の段落と分離しない」を有効にすると、見出しと後続本文を一緒に移動しやすくなります。
見出し前の余白は空段落ではなく、段落前の間隔で設定します。段の先頭へ移動したときに空段落が残る問題を防げます。
複数行の見出しでは、段幅が狭いため予想以上に高さを使います。長い見出しを短くするか、段数を減らすことも検討します。
画像や図形を配置する
画像を「行内」で配置すると、文章の一部として段内へ収まります。幅が段より大きい場合は縮小します。文字列の折り返しを使うと自由に配置できますが、文章の流れやアンカー位置が複雑になります。
一つの画像を複数段にまたがって配置したい場合は、その部分だけ一段のセクションにする方法があります。画像の前後へ連続したセクション区切りを設定し、画像部分を一段、本文を二段にします。
図形やテキストボックスを多用したチラシでは、段組みより表や固定配置のほうが扱いやすい場合があります。文章を自動で流すなら段組み、位置を固定するなら別のレイアウト方法と使い分けます。
表を段組み内で使う注意点
表は段の幅に合わせて縮小されるか、右側が収まらなくなることがあります。列数の多い表を細い段へ置くと文字が折り返され、行が高くなります。
表の列を減らす、項目を箇条書きへ変える、その部分だけ一段にするなど、内容の見せ方を見直します。表を画像化すると編集しにくく、読み上げにも不向きになるため、最初から画像化するのは避けます。
短い用語と説明の組み合わせなら、二列の表を使うより、見出しと本文を段組みで流すほうが自然な場合もあります。
段組み文書の読み順を確認する
段組みは、左段の上から下、次に右段の上から下という順で読まれます。左右を比較する資料のように、同じ高さの行を横方向へ読む設計には向きません。
左右対応の比較表を作りたい場合は、段組みではなく表を使います。段組みで無理に揃えると、文章の追加で対応位置がずれます。
PDFへ出力した後は、文字を選択したときの順序や読み上げ順も確認します。複雑なセクションやテキストボックスがあると、見た目と内部の読み順が一致しない場合があります。
印刷前の確認ポイント
- 段の幅に対して文字が小さすぎたり大きすぎたりしないか
- 段間に十分な余白があり、隣の段と混同しないか
- 見出しだけが段の末尾に残っていないか
- 画像や表が段幅からはみ出していないか
- 段区切りとセクション区切りが意図した位置にあるか
両面印刷や冊子印刷を行う場合は、左右ページの余白と綴じ代も確認します。画面上で整っていても、実寸で文字が小さく感じることがあるため、試し刷りを行うと判断しやすくなります。
まとめ
Wordの段組みを使うと、本文を二段や三段に分け、横幅の広い紙面でも一行を読みやすい長さにできます。文書全体だけでなく、セクション区切りを使って一部だけ段組みにすることも可能です。
設定時は、段数、段幅、段間、見出しの改ページ、画像や表の幅を確認します。左右を対応させる比較資料には表、文章を順に流す紙面には段組みが適しています。内容の読み順を基準にレイアウト方法を選ぶことが、読みやすい紙面を作るポイントです。