今回は、Excelの条件付き書式を使って、表の中に表示される「#N/A」や「#DIV/0!」といったエラー値を非表示にし、見栄えをすっきりとさせる手順について紹介します。
数式や関数(VLOOKUP関数や割り算など)を使った表を作成していると、まだデータが入力されていない空白のセルを参照した結果として、エラー値が表示されてしまうことがよくあります。エラー自体はExcelの正しい計算結果ですが、そのまま印刷したり人に見せたりすると、表全体が未完成で雑然とした印象を与えてしまいます。IFERROR関数を使って数式自体を修正する方法もありますが、すでに完成している数式を書き換えたくない場合や、一時的に見えなくしたい場合には、条件付き書式を使った方法が非常に便利です。
条件付き書式でエラー値を隠す仕組み
エラー値そのものを削除するのではなく、文字色を背景色と同じ色(通常は白)にして見えなくするというアプローチです。
この方法のメリット
数式を変更しないため、後からデータが入力されてエラーが解消されれば、自動的に正しい計算結果が表示されるようになります。
- すでに設定してある複雑な数式を触らなくて済む
- エラーが出ているセルだけを対象に、自動で文字色を白に変更できる
- 表の見た目がきれいになり、印刷時もエラー印字を防げる
IFERROR関数に不慣れな方でも、直感的な設定で表を整えることが可能です。
エラー値を非表示にする設定手順
それでは、実際に条件付き書式を使ってエラーの文字色を白にする手順を確認していきます。
対象となるセル範囲の選択
まずは、設定を適用したい範囲を指定します。
- エラー値が表示されている列、またはエラーが出る可能性があるセル範囲をドラッグして選択する
- 数式が入っている列全体を選択しておくと、後から行が追加されたときにも自動で適用されるため便利
条件付き書式の新しいルールを作成する
選択した状態のまま、ルールの設定画面を開きます。
- 上部のメニューから「ホーム」タブを開く
- 「スタイル」グループの中にある「条件付き書式」をクリックする
- 表示されたメニューから「新しいルール」を選択する
これで、「新しい書式ルール」という設定ダイアログが表示されます。
エラーかどうかを判定する条件を設定する
ダイアログの中で、「指定したセルがエラーだったら」という条件を作ります。
- 「ルールの種類を選択してください」の一覧から、「指定の値を含むセルだけを書式設定」を選ぶ
- その下の「ルールの内容を編集してください」の項目で、一番左のプルダウンから「エラー」を選択する
これで、条件部分の指定は完了です。「エラー」を選択すると、その横のプルダウンは自動的に消え、シンプルな設定画面になります。
文字色を白にする書式を設定する
条件に当てはまった場合(エラーだった場合)に、どのような見え方にするかを設定します。
- 同じダイアログ内にある「書式」ボタンをクリックする
- 「セルの書式設定」画面が表示されるので、「フォント」タブを開く
- 「色」のプルダウンをクリックし、一番左上の「白」(背景が白の場合)を選択する
- 「OK」ボタンをクリックして「セルの書式設定」画面を閉じる
- 元の「新しい書式ルール」画面に戻るので、再度「OK」ボタンをクリックする
この操作により、選択していた範囲内にあるエラー値がすべて白文字になり、画面上からは見えなくなります。
設定後の確認と注意点
設定が完了したら、正しく機能しているかを確認し、いくつか気をつけておきたいポイントを押さえておきます。
エラーが解消されたときの動作確認
エラーを隠しているセルが参照している大元のセル(空白になっている箇所など)に、適当なデータや数値を入力してみます。
- データが入力されてエラーが解消されると、白い文字色が解除され、本来の文字色(黒など)で正しい計算結果が表示される
この連動が確認できれば、設定は成功です。
背景色を変えた場合の落とし穴
この方法は「文字色を背景色と同じにする」という仕組みであるため、表のデザインを変更した際には注意が必要です。
- 行の背景色を変更した場合:白から薄い青などに変更すると、隠していたエラー値が白抜き文字としてうっすら見えてしまう
- 対策:背景色を変更した場合は、条件付き書式のルール管理画面から、文字色をその背景色(薄い青など)と同じ色に再設定する
シマシマの表など、行によって背景色が異なる場合には、この文字色を同化させる方法は少し手間がかかることがあります。
IFERROR関数との使い分け
エラー値を非表示にするもう一つの代表的な方法であるIFERROR(イフエラー)関数との違いを整理し、どちらを使うべきかの目安について解説します。
IFERROR関数の特徴
数式そのものを変更し、「もしエラーが出たら、指定した文字(空白など)を表示する」と指示を出す方法です。
- 「=IFERROR(元の数式,””)」という形にする
- 背景色に左右されないため、どんなデザインの表でも使える
- セルの実態がエラーではなく「空白」になるため、他の数式でそのセルを参照した際に二次的なエラーが起きにくい
条件付き書式の特徴(おさらい)
今回紹介した方法です。
- 数式はいっさい変更しなくてよい
- 見た目だけをごまかしているため、セルの実態はエラーのまま
- 背景色が単色の表で、手軽に見栄えだけを整えたいときに適している
基本的には、今後のデータの扱いやすさを考えるとIFERROR関数を使うのが王道ですが、「提出直前で数式をいじるのが怖い」「一時的に隠したいだけ」という場面では、条件付き書式が強力なピンチヒッターとなります。
条件付き書式のルールを削除・変更する方法
一度設定したルールを解除してエラー値を再び表示させたい場合や、設定範囲を変更したい場合の手順です。
ルールの解除
- 設定したセル範囲を選択する
- 「ホーム」タブの「条件付き書式」をクリックする
- 「ルールのクリア」から「選択したセルからルールをクリア」を選ぶ
これで文字色が元に戻り、再びエラー値が表示されます。
範囲や色の再編集
- 設定したセルが含まれる範囲を選択する
- 「ホーム」タブの「条件付き書式」から「ルールの管理」を選ぶ
- 設定したルールを選択し、「ルールの編集」ボタンをクリックする
ここから、適用先となるセル範囲を広げたり、文字色を背景色に合わせて微調整したりすることが可能です。
まとめ
Excelの条件付き書式を使って、表の中のエラー値を文字色で同化させて非表示にする手順について解説しました。
- 「新しいルール」から、「指定の値を含むセルだけを書式設定」を選ぶ
- 条件を「エラー」に設定する
- 書式設定で、文字色を背景色(白など)に変更する
- 数式をいじらないため、後からデータが入力されれば正しい結果が自動で表示される
- 背景色を変更した場合は、文字色も一緒に変更する必要がある
表の中に「#N/A」や「#REF!」といった文字が散乱していると、それだけでExcelに不慣れな印象を与えてしまうことがあります。数式の修正が難しい場合でも、この条件付き書式を使った裏技的なテクニックを知っていれば、いつでもきれいな表を提出することができます。状況に合わせてIFERROR関数と使い分けながら、見やすい資料作りに役立ててください。