今回は、Excelの条件付き書式の一種である「アイコンセット」機能を使って、データの特徴や傾向を視覚的に分かりやすく表現する方法について紹介します。
売上目標の達成率や、前月との比較データなどが並んだ表を見るとき、数字だけが羅列されていると、良い結果なのか悪い結果なのかを瞬時に判断するのが難しいことがあります。
アイコンセットを使うと、セルの数値の大きさに応じて、矢印や信号機、チェックマークなどのアイコンを自動的に表示させることができます。これにより、表全体の傾向が一目でつかめるようになり、データを分析したり、報告用資料として相手に提示したりする際の説得力を高めるのに役立ちます。
アイコンセットの基本的な使い方
アイコンセットを適用する手順はとてもシンプルです。対象となるデータさえ入力されていれば、数回のクリックで設定できます。
1. アイコンを表示させたい範囲を選択する
まずは、アイコンセットを適用したい数値が入力されているセル範囲を、マウスでドラッグして選択します。このとき、タイトル行や合計行など、比較の対象から外したいセルは含めないように注意します。
2. 条件付き書式からアイコンセットを選ぶ
リボンの「ホーム」タブを開き、「スタイル」グループの中にある「条件付き書式」をクリックします。
表示されたメニューから「アイコンセット」にマウスポインターを合わせると、使用できるアイコンの種類が一覧で表示されます。
- 方向:上向きや下向きの矢印(増減や傾向を表すのに適しています)
- 図形:信号機や丸印(安全、注意、危険などの状態を表すのに適しています)
- インジケーター:チェックマークや旗(目標達成の有無などを表すのに適しています)
- 評価:星の数や電波の強さ(段階的な評価を表すのに適しています)
この中から、データの性質に合ったアイコンのセットをクリックすると、選択したセル範囲の数値に応じたアイコンが自動的に表示されます。
アイコンが表示される基準の仕組み
アイコンセットを選択した直後、Excelは選択した範囲内の数値の最大値と最小値を自動で計算し、その差を基準にしてアイコンを割り振っています。
例えば、3つのアイコン(信号機など)のセットを選んだ場合、デフォルトでは以下のような基準で色分けされます。
- 上位33%にあたる数値(大きいグループ):緑色のアイコン
- 中間の33%にあたる数値(中くらいのグループ):黄色のアイコン
- 下位33%にあたる数値(小さいグループ):赤色のアイコン
このように、初期設定では「範囲全体の中での相対的な位置」に基づいてアイコンが割り振られる仕組みになっています。そのため、特定の目標値や基準値に対してアイコンを変えたい場合は、設定をカスタマイズする必要があります。
アイコンの条件をカスタマイズする
相対的な評価ではなく、「売上100万円以上は青矢印」「前年比100%未満は赤矢印」のように、絶対的な基準値でアイコンを変化させたい場合の設定方法をお伝えします。
ルールの管理画面を開く
すでにアイコンセットを適用したセル範囲を選択した状態で、「ホーム」タブの「条件付き書式」から「ルールの管理」をクリックします。
「条件付き書式ルールの管理」というダイアログボックスが開くので、リストから「アイコンセット」のルールを選択し、「ルールの編集」ボタンをクリックします。
基準値と種類を変更する
「書式ルールの編集」ダイアログボックスが開きます。画面の下半分に、アイコンごとの条件を設定するエリアがあります。
ここで設定を変更する際のポイントは、右端にある「種類」という項目です。初期設定ではこれが「パーセント」になっていますが、具体的な数値で指定したい場合は、ここを「数値」に変更します。
「種類」を「数値」に変更したら、その左側にある「値」の入力欄に、基準となる数値を入力します。
例えば、「値」に「1000000」と入力し、条件を「>=(以上)」に設定すれば、「100万円以上のときにこのアイコンを表示する」というルールになります。
各アイコンに対してこのように数値を設定していくことで、目的に合った表示ルールを作り上げることができます。設定が終わったら「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。
アイコンだけを表示させてすっきり見せる
アイコンセットを適用すると、一つのセルの中に「アイコン」と「数値」の両方が表示されますが、場合によっては数値は別の列に表示し、アイコンだけを並べた列を作りたいケースがあるかもしれません。
そのようなときは、アイコンだけを表示させる設定が可能です。
先ほどと同じ手順で「書式ルールの編集」ダイアログボックスを開きます。
画面の中央付近、「アイコンスタイル」を選ぶドロップダウンリストの右側に、「アイコンのみ表示」というチェックボックスがあります。
ここにチェックを入れて「OK」をクリックすると、セルの中の数値が見えなくなり、アイコンだけが表示されるようになります。
この機能を使うことで、ダッシュボードのような視覚的なインパクトのある表を作成しやすくなります。
まとめ
Excelの条件付き書式「アイコンセット」を使って、データを視覚化する方法についてお伝えしました。
単にメニューから選ぶだけでなく、ルールの編集画面から「種類」を「数値」に変更して基準値を設定したり、「アイコンのみ表示」を活用したりすることで、より実用的な見せ方が可能になります。
数値の羅列から直感的に傾向を読み取れる表を作成したいときに、この機能を活用してみてはいかがでしょうか。会議資料や日々の進捗管理表など、さまざまな場面で役立つかと思います。