【PowerPoint】スポイト機能で画像から色を抽出して色合わせする方法

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今回は、PowerPointの「スポイト」機能を使用して、スライド上の画像や企業のロゴなどから正確な色を抽出し、別の図形や文字の色を完全に一致させる方法について紹介します。

スポイト機能とは何か

プレゼンテーション資料を作成する際、色の統一感は「洗練されたプロフェッショナルな印象」を与えるための最も重要な要素の一つです。
「企業のロゴマークに使われている青色」と「見出しの青色」、あるいは「スライドに貼り付けた写真の背景にある水色」と「説明用の図形の水色」が微妙に違っていると、それだけで資料全体がチグハグで素人っぽい仕上がりになってしまいます。
しかし、ロゴや写真の「正確な色(RGB値)」をカラーパレットから目分量で探り当てるのは至難の業であり、ほぼ不可能です。
このようなときに活躍するのが「スポイト」機能です。
スポイト機能を使えば、画面上に表示されているあらゆる色(写真の一部、Webサイトのロゴ、アイコンなど)をワンクリックで吸い取り、それをそのまま図形の塗りつぶし色や文字色として適用することができます。
デザインソフト(IllustratorやPhotoshopなど)では古くからおなじみの機能ですが、PowerPointにも標準搭載されており、資料のカラーコードを統一する上で欠かせない強力なツールとなっています。

カラーパレットの限界

PowerPointの「テーマの色」や「標準の色」のパレットには数十種類の色が用意されていますが、自社のコーポレートカラーや、クライアントのロゴの正確な色がここに含まれていることはまずありません。
「その他の色」を開いてRGB(赤・緑・青)の数値を直接入力すれば正確な色を再現できますが、そもそもそのロゴのRGB値が何であるかを調べて書き留めておく手間がかかります。
スポイト機能は、この「RGB値を調べる」「数値を入力する」という面倒なプロセスをすべてスキップし、視覚的な直感操作だけで色を完全に一致(色合わせ)させることができる画期的な機能です。

スポイト機能を使った色抽出の基本的な手順

スライド上に貼り付けた「企業のロゴ画像(例:オレンジ色)」から色を抽出し、新しく描いた「四角形の図形」を全く同じオレンジ色で塗りつぶすというケースで手順を解説します。

図形の選択とスポイトの呼び出し

まず、色を変更したい対象(この場合は「四角形の図形」)をクリックして選択状態にします。
リボンの「図形の書式(または描画ツール)」タブを開き、「図形のスタイル」グループの中にある「図形の塗りつぶし」の横の下向き矢印をクリックして、カラーパレットを開きます。
パレットのメニューの下の方にある「スポイト」というアイコン(ピペットのマーク)をクリックします。

色の抽出と適用

スポイトをクリックすると、マウスポインターの形が「スポイト」に変わります。
この状態で、スライド上にある「企業のロゴ画像」のオレンジ色の部分にスポイトの先端をゆっくりと重ねます。
すると、スポイトのすぐ横に小さな正方形の「カラーボックス」が現れ、今ポインターが重なっている部分の色(抽出される予定のオレンジ色)が拡大表示されます。さらに、その色のRGB値(例:R:255
G:102 B:0など)もツールチップとして表示されます。
このカラーボックスの色が、目的のロゴのオレンジ色と完全に一致していることを確認したら、そこでマウスを「左クリック」します。
クリックした瞬間に、最初に選択しておいた「四角形の図形」が、抽出したロゴと全く同じオレンジ色で塗りつぶされます。
文字の色(フォントの色)や、図形の枠線(図形の枠線)の色を変更したい場合も、それぞれのリボンのメニューから「スポイト」を選んで同じ操作を行うだけです。

PowerPointの画面外(Webサイトなど)から色を抽出する裏技

スポイト機能は、通常「PowerPointのスライド内にある色」しか抽出することができません。
しかし、Webブラウザで開いている企業のホームページのロゴ色や、PDFの資料、デスクトップの壁紙など、PowerPointの「画面外」にある色をそのまま抽出したい場面が実務では頻繁に発生します。
わざわざその画像をスクリーンショットで撮ってスライドに貼り付けなくても、スポイトを画面外へ持ち出す強力な裏技があります。

ドラッグ&ドロップによる画面外の抽出

まず、色を変更したい図形を選択し、「図形の塗りつぶし」から「スポイト」をクリックして、マウスポインターをスポイトの形にします。
ここまでは同じですが、次にスポイトの先端を**「PowerPointのスライド領域の中(どこでも構いません)」で左クリックし、そのままマウスのボタンを離さずに押しっぱなし**にします。
左ボタンを押しっぱなしにした状態(ドラッグ状態)のまま、マウスポインターをPowerPointのウィンドウの外(例えば、横に並べて表示しておいたWebブラウザの画面上)へと移動させていきます。
すると、スポイトがPowerPointの枠を飛び出し、Webブラウザ上のロゴの色など、画面上のあらゆる場所の色を吸い取ることができるようになります。
目的の色の上にスポイトを重ねてカラーボックスがその色に変わったら、押しっぱなしにしていたマウスの左ボタンを「離し」ます。
ボタンを離した瞬間に色が確定し、PowerPoint上の図形がその色で塗りつぶされます。
このテクニックを覚えれば、資料作成における「色探し」の制約が完全になくなり、どんなデザインにも柔軟に対応できるようになります。

抽出した色(最近使用した色)の再利用と管理

スポイトで抽出した色は、PowerPointが自動的にパレットの履歴に保存してくれるため、別の図形や文字に同じ色を何度も使い回すことができます。

「最近使用した色」パレットの活用

スポイトで一度でも抽出した色は、「図形の塗りつぶし」や「フォントの色」のパレットを開いた際、下部にある「最近使用した色」という項目に小さな四角いチップとして登録されます。
次に別の図形(例えば見出しの背景)を同じオレンジ色にしたい場合は、わざわざもう一度ロゴからスポイトで抽出する必要はありません。
図形を選択してパレットを開き、この「最近使用した色」に並んでいるオレンジ色のチップをクリックするだけで、正確な色を瞬時に適用できます。
資料を作り始める最初の段階で、メインカラー、アクセントカラー、文字色(グレーなど)をスポイトで抽出して「最近使用した色」にストックしておけば、その後の作業スピードが劇的に向上し、色ブレのない美しい資料が完成します。

まとめ

PowerPointの「スポイト」機能を使用して、スライド上の画像やロゴから正確な色を抽出し、図形や文字の色を完全に一致させる方法について解説しました。
「図形の塗りつぶし」や「フォントの色」からスポイトを選び、目的の色の上でクリックするだけで、面倒なRGB値の入力なしでプロレベルの色合わせ(カラーマッチング)が完了します。
さらに、マウスを押しっぱなしにしたままPowerPointの枠外へドラッグすることで、Webサイトなどの外部ウィンドウからも色を抽出できる裏技は、知っていると劇的に作業効率が変わる必須テクニックです。
一度抽出した色は「最近使用した色」パレットから何度でも呼び出せるため、資料全体の統一感を保つためのカラーパレット構築に最適です。
なんとなく似ている色を目分量で選ぶのをやめ、スポイト機能を駆使して、デザインにブレのない洗練されたプレゼンテーション資料を作成してみてはいかがでしょうか。