【PowerPoint】円を描く方法と応用デザインテクニック

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PowerPoint(パワーポイント)を使用したプレゼンテーション資料や図解の作成において、図形(オートシェイプ)の使用は欠かせません。その中でも「円」は、情報の強調、項目の列挙、ベン図のような関係性の図示、あるいは装飾パーツとして、頻繁に使用される基本的な形状です。

今回は、PowerPointで誰でも簡単に、かつ正確な正円を描くための基本操作から、サイズをミリ単位で指定する方法、中心から描画するショートカット、円を活用した写真の切り抜きや効率的なデザインテクニックまで解説します。

基本:Shiftキーを使って正円を描く

PowerPointの「挿入」タブにある「図形」メニューから「楕円」を選択し、そのままスライド上でドラッグすると、マウスの動きに合わせて自由な比率の楕円が描画されます。目視で「だいたい丸い」形を作ることは可能ですが、完全な正円(縦横比1:1)をフリーハンドで描くのは至難の業です。

Shiftキーを活用した描画手順

そこで、きれいな正円を描くには、キーボードのShiftキーを併用します。

  1. PowerPointのリボン上部にある「挿入」タブをクリックし、「図形」グループの中にある「図形」ボタンを選択します。
  2. 表示される図形一覧の「基本図形」セクションにある「楕円」アイコンをクリックします。
  3. スライド上の描画したい位置で、キーボードのShiftキーを押したまま、マウスをドラッグします。
  4. 画面上に表示されるガイド線(点線)が正円の形になっていることを確認しながら大きさを調整します。
  5. 目的のサイズになったら、まずマウスの左ボタンを離し、その後にShiftキーを離します

この手順でのポイントは、「マウスを離してからキーを離す」という順序です。もしマウスボタンを離す前にShiftキーを離してしまうと、その瞬間に縦横比の固定が解除され、楕円に戻ってしまいます。
この操作は円だけでなく、正方形(長方形ツール+Shiftキー)や水平・垂直な直線(直線ツール+Shiftキー)を描く際にも共通する基本テクニックです。

既存の図形を正円に修正する・サイズ指定する

「Shiftキーを押すのを忘れて楕円を描いてしまった」場合や、「直径50mmの円が必要」といった具体的な指定がある場合には、後からサイズを数値入力で修正しましょう。

「図形の書式」タブでの数値設定

マウス操作でのサイズ変更(リサイズ)もShiftキーを押しながら四隅のハンドルをドラッグすれば比率を保ったまま拡大縮小が可能ですが、正確なサイズにするにはリボンの機能を使います。

  1. サイズを修正したい円(または楕円)をクリックして選択状態にします。
  2. リボンに表示される「図形の書式」(バージョンによっては「描画ツール」の「書式」)タブをクリックします。
  3. リボンの右端にある「サイズ」グループに注目します。
  4. 「高さ」と「幅」の入力ボックスに、同じ数値を入力します(例:50mm)。

高さと幅に同じ値を入力することで、図形は数学的に正確な正円になります。

「縦横比を固定する」設定の活用

サイズを変更する際に、誤って比率を崩さないようにするためには、縦横比の固定設定を行っておくと安心です。

  1. 「サイズ」グループの右下にある小さな矢印アイコン(「図形の書式設定」ダイアログボックス起動ツール)をクリックします。
  2. 画面右側に表示される「図形の書式設定」作業ウィンドウで、「サイズとプロパティ」アイコン(寸法線のマーク)を選択します。
  3. 「サイズ」セクションを展開し、「縦横比を固定する」のチェックボックスにチェックを入れます。

この設定を行っておけば、以降は「高さ」を変更すれば自動的に「幅」も連動して変わり、常に正円の状態が維持されます。

中心点から円を描くショートカット(Ctrl + Shift)

通常のドラッグ操作では、ドラッグを開始した点が図形の「左上隅(外接する四角形の左上)」として扱われ、そこから右下に向かって図形が広がります。しかし、これでは「スライドの中心に円を描きたい」や「既存の四角形の真ん中に円を配置したい」といった場合に、位置合わせが難しくなります。

CtrlキーとShiftキーの同時押しテクニック

特定の位置を中心(センター)として円を描画するには、ShiftキーとCtrlキーも使用します。

  1. 「挿入」タブから「楕円」を選択します。
  2. 円の中心にしたいポイントにマウスポインター(十字カーソル)を合わせます。
  3. キーボードのCtrlキーとShiftキーを同時に押したまま、ドラッグを開始します。
  4. マウスカーソルの位置を中心として円が広がります。
  5. 希望のサイズになったら、マウスボタンを離してから、キーボードのキーを離します。

Ctrlキーは「中心から描画する」機能、Shiftキーは「正円にする」機能を持ちます。これらを組み合わせることで、ターゲットとなる位置からずれることなく、きれいな円を描くことができます。同心円(中心が同じで大きさが異なる円)を描く際にも、このショートカットが役立ちます。

連続して円を描くテクニック(描画モードのロック)

地図上に複数の地点をプロットする場合や、デザインとして多数の円を配置したい場合、毎回「挿入」タブに戻って「楕円」を選択するのは非効率です。連続して同じ図形を描画する機能を使いましょう。

描画モードのロックの手順

  1. 「挿入」タブの「図形」メニューを開きます。
  2. 「楕円」アイコンの上で右クリックします。
  3. 表示されるメニューから「描画モードのロック」を選択します。
  4. この状態でスライド上をドラッグすると、連続して円を描くことができます。
  5. 描画を終了するには、キーボードのEscキーを押すか、再度「楕円」アイコンをクリックして解除します。

この機能を使えば、クリック&ドラッグを繰り返すだけで、円を量産できます。Shiftキーを併用すれば、すべて正円として描画されます。

応用:写真を円形に切り抜く(トリミング)

図形としての円だけでなく、写真を円形に切り抜いて配置することもできます。四角い写真は堅苦しい印象になりがちですが、円形にすることで柔らかさや親しみやすさを演出でき、人物プロフィール写真などにも最適です。

図形に合わせてトリミングする手順

  1. スライドに配置した写真(画像)を選択します。
  2. リボンの「図形の書式」(画像の書式)タブをクリックします。
  3. 「サイズ」グループにある「トリミング」アイコンの下にある下向き矢印をクリックします。
  4. メニューから「図形に合わせてトリミング」をポイントし、「基本図形」の中の「楕円」を選択します。

この操作だけでは、元の写真が長方形の場合、楕円形に切り抜かれてしまいます。正円にするためには、もうワンステップ必要です。

  1. 再度「トリミング」の下向き矢印をクリックします。
  2. 「縦横比」をポイントし、「1:1」を選択します。

これにより、画像の短辺に合わせて正方形の範囲が選択され、きれいな正円で切り抜かれます。画像の位置を調整したい場合は、画像上のハンドルではなく、画像自体をドラッグして位置合わせを行い、最後に画像の枠外をクリックして確定します。

応用:ドーナツ型や扇形の作成

通常の円(塗りつぶされた円)以外に、中空の円(ドーナツ型)や扇形を作ることもできます

調整ハンドルの活用

「挿入」→「図形」→「基本図形」の中に、「円: 抜いた図」(ドーナツ型)や「円: 扇形」があります。これらを選択し、Shiftキーを押しながらドラッグして描画すると、図形の一部にオレンジ色の小さなハンドル(調整ハンドル)が表示されます。

  • ドーナツ型の場合: 内側のオレンジ色のハンドルをドラッグすることで、穴の大きさを調整し、リングの太さを変えることができます。
  • 扇形の場合: 円周上のオレンジ色のハンドルをドラッグすることで、扇の角度(中心角)を自由に変更できます。

これらの図形を使うことで、インフォグラフィックスやグラフの補足説明などに適したパーツを作成できます。

複数の円をきれいに並べる(配置と整列)

箇条書きの頭文字代わりや、プロセスのステップ図などで複数の円を並べる際、手動で配置すると間隔が不均一になりがちです。「配置」機能を活用すると、複数の円をきれいに並べることができます。

スマートガイドと整列機能

PowerPointの近年のバージョンでは「スマートガイド」が標準で有効になっており、図形を移動させる際に、他の図形と中心や端が揃うと赤い点線が表示されます。また、等間隔になるとその旨を示すガイドも表示されます。

さらに厳密に整列させる場合は、以下の手順を行います。

  1. 整列させたい複数の円をすべて選択します(Shiftキーを押しながら順にクリック、またはマウスで囲んで選択)。
  2. 「図形の書式」タブの「配置」グループにある「配置」ボタンをクリックします。
  3. 「上揃え」や「上下中央揃え」を選択して、高さを統一します。
  4. 再度「配置」ボタンをクリックし、「左右に整列」を選択します。

「左右に整列」を実行すると、一番左と一番右にある図形の位置を基準にして、その間にある図形が均等な間隔で再配置されます。

デフォルトの円のデザインを変更する(既定に設定)

PowerPointの初期設定では、図形を描くと青色で塗りつぶされ、青い枠線がついた状態で作成されますが(テーマにより異なります)、毎回、塗りつぶしを白にしたり、枠線を黒に変えたりするのは手間がかかります。

よく使うデザインが決まっている場合は、「既定の図形」として設定することをお勧めします。

  1. 一つの円を描き、好みの色、枠線の太さ、効果などを設定します。
  2. その円の上で右クリックします。
  3. メニューから「既定の図形に設定」を選択します。

これ以降、そのプレゼンテーションファイル内で新しく図形(円だけでなく四角形なども含む)を描く際は、設定したデザインが最初から適用された状態で作成されます。

まとめ

PowerPointできれいな円(正円)を描くことはスライド作成の基本ですが、そのテクニックを知っているかどうかで作業効率とアウトプットの質に大きな差が出ます。

  • Shiftキー:正円を描くための必須キー
  • Ctrl + Shiftキー:中心から正円を描くショートカット
  • 数値入力:確実なサイズ指定
  • 配置・整列:レイアウトを美しく整える機能

これらの機能を状況に応じて使い分けることで、ストレスなく思い通りの図形を作成できるようになります。