PowerPoint(パワーポイント)を使用したプレゼンテーションにおいて、スライドの枚数が多くなる場合、冒頭に「目次」があることで、視聴者は全体の構成や流れをスムーズに理解できるようになります。また、資料としての完成度を高め、後から特定のスライドを探す際にも役立ちます。
本記事では、PowerPointで目次を作成する主な方法として、「サマリー ズーム」機能を使用した自動作成の手順と、ハイパーリンクを使用した手動作成の手順について解説します。
PowerPointで目次を作る2つの主要なアプローチ
PowerPointで目次を作成する方法は、大きく分けて2種類あります。
- サマリー ズーム機能を使用する(推奨): Microsoft 365やPowerPoint 2019以降で使用可能な機能です。自動的に目次スライドが生成され、各セクションへのリンクも自動設定されます。プレゼンテーション中にインタラクティブな操作が可能です。
- 手動で作成しハイパーリンクを設定する: 従来の標準的な方法です。デザインの自由度が高く、古いバージョンのPowerPointとの互換性が必要な場合に適しています。
方法1:サマリー ズーム機能で目次を自動作成する
「サマリー ズーム」機能を使用すると、選択したスライド(またはセクションの先頭スライド)のサムネイルを並べた目次スライドを瞬時に作成できます。この機能の最大の特徴は、スライドをクリックするとそのページにズームインし、セクションが終わると再び目次に戻るという動きのあるプレゼンテーションが可能になる点です。
手順1:サマリー ズームを選択する
- PowerPointを開き、目次を挿入したい位置(通常はタイトルスライドの次)を選択しておきます。
- リボンの[挿入]タブをクリックします。
- [リンク]グループ(または[ズーム]グループ)にある[ズーム]をクリックし、ドロップダウンメニューから[サマリー ズーム]を選択します。
手順2:目次に含めるスライドを選択する
- 「サマリー ズームの挿入」ダイアログボックスが表示されます。
- 目次として表示させたいスライド(各章の表紙となるスライド)にチェックを入れます。すでに「セクション」が設定されている場合は、セクションの先頭スライドが自動的に提案されます。
- [挿入]ボタンをクリックします。
手順3:目次スライドの確認と調整
新しいスライドが作成され、選択したスライドのサムネイル画像が配置されます。これが目次となります。スライドショーを実行して動作を確認すると、各サムネイルをクリックすることで該当スライドへジャンプできることが確認できます。
方法2:手動で目次スライドを作成しハイパーリンクを設定する
サマリー ズームが使用できない環境や、テキストベースのシンプルな目次を作成したい場合は、手動で目次を作成し、各項目にハイパーリンクを設定する方法が確実です。
手順1:目次用のスライドを作成し項目を入力する
- [ホーム]タブの[新しいスライド]をクリックし、レイアウトから「タイトルと箇条書き」などを選択して新しいスライドを挿入します。
- タイトルに「目次」や「Agenda」と入力します。
- 箇条書きのテキストボックスに、各章やセクションのタイトルを入力します。
手順2:ハイパーリンクを設定する
- 目次内のリンクを設定したいテキスト(例:「第1章:現状分析」)をドラッグして選択します。
- 選択したテキストの上で右クリックし、メニューから[リンク](または[ハイパーリンク])を選択します。
- 「ハイパーリンクの挿入」ダイアログボックスが開きます。左側のメニューから[このドキュメント内]を選択します。
- 「ドキュメント内の場所」リストから、リンク先に指定したいスライドタイトルを選択します。
- [OK]をクリックします。
- 同様の手順で、すべての目次項目にリンクを設定します。
リンクが設定されると、テキストに下線が引かれ、色が青色などに変わります。スライドショー実行時にクリックすることで、指定したスライドへ移動できるようになります。
方法3:アウトライン表示を活用して目次項目を抽出する
スライド枚数が非常に多く、手動でタイトルをすべて入力するのが手間な場合は、「アウトライン表示」を活用すると効率的です。
- [表示]タブをクリックし、[プレゼンテーションの表示]グループにある[アウトライン表示]をクリックします。
- 左側のペインにスライドのテキスト情報が表示されます。
- 目次に使用したいスライドのタイトル部分を選択し、コピー(Ctrl + C)します。複数のタイトルをまとめて選択することもできます。
- 目次用スライドのテキストボックスに貼り付け(Ctrl + V)ます。
これにより、入力の手間やタイプミスを防ぐことができます。
目次スライドを見やすくデザインするコツ
単なる箇条書きだけでなく、視覚的に分かりやすい目次にするためのポイントを紹介します。
- SmartArt(スマートアート)の活用: 箇条書きのテキストを選択し、[ホーム]タブの[SmartArt に変換]を使用すると、瞬時に図解化されたきれいな目次に変換できます。「縦方向リスト」などが目次には適しています。
- スライド番号の記載: 配布資料として印刷する場合、リンク機能は使えないため、目次項目の横にページ番号(スライド番号)を手動で記載しておくと親切です。
まとめ
PowerPointで目次を作成する方法を紹介しました。近年のバージョンであれば、[挿入]タブの[サマリー ズーム]機能を使用するのが最も効率的で、見た目もプロフェッショナルな仕上がりになります。一方で、デザインを細かく調整したい場合や、古いバージョンとの互換性を重視する場合は、手動でのハイパーリンク設定が有効です。
適切な目次を用意することで、プレゼンテーションの質を向上させ、受け手にとって分かりやすい資料作成を目指しましょう。