【PowerPoint】パワポAIの活用術 効率的なスライド作成のための機能と使い方

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今回は、PowerPoint(パワーポイント)の標準機能として利用できるAI機能「デザイナー」や「Microsoft 365 Copilot」、さらに外部AIツールを活用した効率的なスライド作成方法を紹介します。

PowerPointに搭載されているAI機能

デザイナー機能

PowerPointには「デザイナー」という標準機能が搭載されており、Microsoft 365ユーザーであれば利用できます。この機能は、スライドに配置したコンテンツを分析し、プロのデザイナーが作成したようなレイアウトを自動的に提案してくれます。

デザイナー機能を使うには、スライドにテキストや画像を配置した後、リボンの「デザイン」タブにある「デザインのアイデア」ボタンをクリックします。すると、右側にデザインのアイデアが表示され、好みのデザインを選択することができます。

ただし、デザイナー機能にはいくつか制限があります。比較的単純な構成のスライドでは機能しますが、複雑なレイアウトのスライドではうまく機能しないことがあります。また、インターネットに接続している必要があります。

Microsoft 365 Copilot

「Microsoft 365 Copilot」は、PowerPointを含むMicrosoft 365アプリに組み込まれたAI機能で、プレゼンテーション作成を効率化します。

Copilotを使用すると、テキストプロンプトを入力することで、AIがプレゼンテーション全体を自動生成します。例えば、「AIの未来についてのプレゼンテーションを作成して」と指示することで、構成、コンテンツ、デザインを含むスライドが生成されます。

さらに、既存のWordドキュメントやPDFファイルを参照して、その内容をもとにプレゼンテーションを作成することもできます。これにより、別途作成した企画書やレポートをスライドに変換する手間を削減できます。

2025年4月のアップデートにより、Copilot in PowerPointでは新しいデザイン提案ウィンドウが表示されるようになり、デザイナーが提案したようなデザインが新たな方法で共有されるようになりました。新しいスライドを作成する際のオプションが提案されるので、そこからデザインを選び、コンテンツの更新時に適用することができます。

Copilotを使用するには追加の料金が必要ですが、プレゼン資料を頻繁に作成するユーザーには作業時間の短縮によるメリットが期待できます。

外部AIスライド作成ツール

PowerPointの標準機能以外にも、AIを活用したスライド作成ツールが多数登場しています。これらのツールは、PowerPointとは別のサービスとして提供されていますが、生成したスライドをPowerPoint形式でエクスポートできるものが多く、最終的な編集はPowerPointで行うことが可能です。

イルシル

日本企業が開発・提供しているAI搭載のスライド自動生成ツールです。3,000種類以上のデザインテンプレートが用意されており、日本語に特化したデザインで高品質なスライドを効率的に作成できます。

使い方は直感的で、キーワードやメモを入力するとAIが構成案から本文、デザインまで自動生成します。生成されたスライドは必要に応じて編集可能で、画像やグラフなどの要素も追加できます。

また、ChatGPTやClaudeなどの外部AIで作成した構成をイルシルに取り込んでスライド化することもできるため、既に別のAIツールを活用しているユーザーにも便利です。

Gamma

Gammaは、プレゼンテーションやWebサイトなどを数秒で自動生成できるAIツールです。テキストプロンプトを入力するだけでスライドを生成し、視覚的に洗練されたデザインに仕上げてくれます。

プロンプトだけでなく、メモや長文、既存のプレゼンテーションファイルを活用して内容を生成できる点も特徴です。直感的なインターフェースで操作が簡単なため、初心者でも使いこなせます。

生成したスライドはPowerPoint形式でエクスポートできるため、最終的な調整はPowerPointで行うこともできます。

その他のAIスライド作成ツール

上記以外にも、以下のようなAIスライド作成ツールが提供されています:

  • Beautiful.AI:AIがリアルタイムでスライドのデザインを自動調整
  • SlidesGPT:テキストプロンプトからスライドを自動生成
  • EdrawMind AI:マインドマップからAIでスライドを自動生成
  • Canva AIスライド:デザインやレイアウト、文章の自動生成
  • ChatBA:OpenAI APIを使用したスライド生成ツール

これらのツールはそれぞれ特徴が異なるため、用途や好みに合ったものを選ぶと良いでしょう。多くのツールが無料トライアル期間を設けているので、実際に使ってみて比較することをおすすめします。

AIを活用したスライド作成のメリット

時間と労力の削減

AIスライド作成の最大のメリットは、作業時間の短縮です。通常、プレゼンテーション資料の作成には、構成を考え、デザインを決め、レイアウトを調整し、テキストを入力するといった多くの工程が必要です。

しかし、AIを活用すれば、キーワードや簡単なプロンプトを入力することで、これらの作業の多くを自動化できます。長時間かかっていた作業が短時間で完了するため、他の重要な業務に時間を割くことができます。

デザインスキル不要で質の高いスライド作成

デザインのセンスや知識がなくても、AIがプロフェッショナルなデザインを提案してくれるため、誰でも見栄えの良いスライドを作成できます。これにより、デザインに自信がないユーザーでも、相手に伝わりやすい資料を効率的に作成できるようになります。

コスト削減効果

業務効率化による人件費の削減や、デザインや資料作成を外注するコストの削減が可能です。特に頻繁にプレゼン資料を作成する部署や企業にとっては、AIツールの導入によるコスト削減効果は大きいと言えるでしょう。

AIスライド作成の注意点

情報の正確性の確認

AIが生成した内容には誤情報が含まれる可能性があります。特に専門的な内容や最新の情報については、必ず人間がチェックし、必要に応じて修正を行うことが重要です。

最終調整の必要性

AIが生成したスライドは基本的なデザインやレイアウトを提供してくれますが、細部の調整やブランドに合わせたカスタマイズは人間の手で行う必要があります。完全に自動化するのではなく、AIをサポートツールとして活用する姿勢が大切です。

ツール選びのポイント

AIスライド作成ツールを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう:

  • 日本語対応しているか
  • 日本人の価値観に合うデザインか
  • 必要な機能が揃っているか
  • 価格は適切か(オーバースペックになっていないか)
  • 使いやすいインターフェースか
  • PowerPointとの互換性はあるか

多くのツールが無料トライアル期間を設けているので、実際に使ってみて比較検討することをおすすめします。

効果的なAIスライド作成のコツ

明確なプロンプトの作成

AIに質の高いスライドを生成してもらうためには、明確なプロンプト(指示)を作成することが重要です。プレゼンの目的、対象者、含めたい内容、希望するトーンやスタイルなどを具体的に指定しましょう。

例えば、「AIについてのスライド」ではなく、「AI技術の最新動向と企業への影響について、経営層向けに10枚程度のビジネススタイルのスライドを作成してください」のように具体的に指示すると、より目的に合ったスライドが生成されます。

生成された内容の編集と最適化

AIが生成したスライドは、あくまでも出発点と考えましょう。内容の正確性を確認し、自社のブランドガイドラインに合わせたフォントやカラースキームの調整、不要な情報の削除や追加情報の挿入など、最終的な調整は人間の手で行うことが重要です。

構成とデザインの分離

効率的にAIを活用するコツとして、「構成」と「デザイン」のタスクを分けて考えるアプローチがあります。まずテキストエディタやChatGPTなどで構成を練り上げてから、それをAIスライド作成ツールに入力してデザインするという手順を踏むと、より質の高いスライドができます。

まとめ

パワポAIの活用は、プレゼンテーション資料作成の効率と品質を向上させる可能性を秘めています。PowerPoint標準のデザイナー機能やMicrosoft 365 Copilot、さらには外部AIツールを目的に応じて使い分けることで、より効果的な資料作成が可能になります。

ただし、AIはあくまでもサポートツールであり、最終的な判断や調整は人間が行うことが重要です。AIの特性を理解し、上手に活用することで、プレゼン資料作成の負担を軽減し、より創造的な業務に時間を割くことができるでしょう。