【Excel】データベース機能を解説 – 作成方法からテーブル活用術まで

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今回は、EXCEL(エクセル)のデータベース機能について紹介します。
日常業務でエクセルを使用している方は多いと思いますが、データベース機能を活用することで、効率的にデータを管理・分析できるようになります。
この記事では、エクセルでのデータベースの基本概念から作成方法、さらには便利な機能までを解説していきます。

エクセルデータベースとは?

データベースとは、「情報が集まったもの」です。特にコンピューター上で扱うデータの集合体を指すことが多いですが、紙媒体の電話帳や辞書も広義では「データベース」と言えます。エクセルは表計算ソフトとして知られていますが、データベースとしても優れた機能を持っています。

エクセルデータベースは、エクセルの機能を活用して作成できる簡易的なデータベースで、表形式で情報を管理します。住所録や顧客情報、商品リストなど、様々なデータをまとめるのに適しています。専門的なデータベースソフト(例:Access)と比べると機能は限られますが、エクセルの操作に慣れている方なら誰でも簡単に作成・利用できる点が大きな魅力です。

データベースの作り方の基本

エクセルでデータベースを作成する際は、いくつか押さえておくべきポイントがあります。正しく作成することで、後々のデータ活用がスムーズになります。

1. データベース形式の基本ルール

  • 1行目は必ず項目名(列見出し)にする
  • 1行が1件のデータになるように入力する
  • 同じ列には同じ性質・種類のデータを入力する
  • セルの結合はしない
  • データベースの範囲は他のデータと離して配置する

これらのルールを守ることで、エクセルのデータベース機能を活用できるようになります。特に「1行1件のデータ」というのは重要で、例えば顧客情報なら1人の顧客情報が1行に収まるようにします。

2. 項目設計のポイント

データベースの使い勝手は、どんな項目(列)を設定するかで大きく左右されます。例えば商品管理データベースなら、以下のような項目が考えられます:

  • 商品コード
  • 商品名
  • カテゴリー
  • 仕入れ価格
  • 販売価格
  • 在庫数
  • 仕入れ先
  • 仕入れ日

項目を選ぶ際は、後々どのような分析や検索をしたいかを考慮して設計することが大切です。また、各項目には適切な書式(文字列、数値、日付など)を設定しておくと、データの扱いがさらに便利になります。

テーブル機能でデータベース化する

エクセルで本格的にデータベースとして活用するなら、「テーブル機能」を使うことが効果的です。テーブル機能を使うと、データ範囲を一つのまとまりとして認識させることができ、様々な便利な機能が使えるようになります。

テーブル化の手順

  1. データベースとして使いたい範囲のどこかのセルを選択する
  2. 「挿入」タブ→「テーブル」をクリック
  3. 表示されたダイアログで範囲を確認し、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックが入っていることを確認
  4. 「OK」ボタンをクリック

これだけで、データベースがテーブル化され、自動的にフィルター機能も有効になります。また、行ごとに交互に色が付いて見やすくなるなど、視認性も向上します。

テーブル化のメリット

  • フィルター機能がすぐに使える
  • データを追加すると自動的にテーブル範囲が広がる
  • 行や列の合計が簡単に計算できる
  • 数式内でテーブル名と列名を使った参照ができる(構造化参照)
  • スタイルの一括適用で見た目を整えやすい

エクセルデータベースの便利な機能

エクセルデータベースは、様々な機能を使って効率的にデータを操作・分析できます。ここでは特に便利な機能を紹介します。

1. フィルター機能

フィルター機能を使うと、特定の条件に合致するデータだけを表示できます。テーブル化していれば自動的に各列にフィルターボタン(▼)が表示されるので、それをクリックして条件を指定するだけです。例えば「特定の地域の顧客だけを表示する」「販売価格が1万円以上の商品だけを表示する」といったことが簡単にできます。

2. 並べ替え機能

データを特定の列を基準に昇順・降順で並べ替えることができます。例えば顧客データベースなら、氏名のあいうえお順に並べたり、購入金額の大きい順に並べたりすることが可能です。フィルターボタンからでも、「データ」タブの「並べ替え」からでも操作できます。

3. データ抽出・集計機能

ピボットテーブルを使うと、大量のデータから条件に合った情報を抽出し、集計することができます。例えば「月別・商品カテゴリー別の売上集計」「地域別・年齢層別の顧客数」など、多角的な分析が可能になります。「挿入」タブの「ピボットテーブル」から作成できます。

4. データ入力支援機能

フォーム機能を使うと、データベースへの入力が簡単になります。入力フォームが表示され、1件ずつデータを入力していくことができるので、大量のデータを入力する場合に便利です。この機能は標準では表示されていないので、クイックアクセスツールバーにフォームコマンドを追加して使います。

データベース活用のための実践テクニック

ここからは、エクセルデータベースをより実践的に活用するためのテクニックを紹介します。

1. データの入力規則を設定する

「データ」タブの「データの入力規則」を使うと、特定のセルに入力できる値を制限できます。例えば、数値の範囲を制限したり、プルダウンリストから選択させたりすることが可能です。これにより、入力ミスを防ぎ、データの品質を保つことができます。

2. 条件付き書式で視覚的に表現する

「ホーム」タブの「条件付き書式」を使うと、データの値に応じてセルの背景色や文字色を変えることができます。例えば、在庫数が一定数以下になったらセルを赤く表示するなど、視覚的に情報を把握しやすくなります。

3. 関数を活用してデータを分析する

VLOOKUP関数やINDEX/MATCH関数を使えば、別のデータベースから情報を参照することができます。COUNTIF関数やSUMIF関数を使えば、条件に合致するデータの数や合計を求められます。これらの関数を組み合わせることで、より高度なデータ分析が可能になります。

エクセルデータベースの限界と対策

エクセルデータベースは手軽に作成・利用できる反面、いくつかの限界もあります。

限界点

  • 大量のデータを扱うと処理速度が遅くなる
  • 複数人での同時編集に制限がある
  • 高度なデータの関連付けが難しい
  • セキュリティ面での制約がある

対策

  • データ量が多い場合は、複数のシートやファイルに分割する
  • 共有作業が必要なら、OneDriveなどのクラウドサービスを活用する
  • より複雑なデータベースが必要なら、専用のデータベースソフトの導入を検討する
  • 重要なデータはパスワード保護するなど、セキュリティ対策を行う

まとめ

エクセルのデータベース機能は、専門知識がなくても手軽に使えるデータ管理ツールとして便利です。基本的なルールに従ってデータベースを作成し、テーブル機能や各種分析機能を活用することで、業務の効率化や意思決定の迅速化に役立てることができます。

ただし、データ量が増えたり、より複雑な管理が必要になったりした場合は、専用のデータベースソフトへの移行も検討すると良いでしょう。エクセルデータベースの知識は、より高度なデータベース管理への第一歩にもなります。