今回は、Excelを活用してプロジェクトの進行状況を視覚的に把握できる「ガントチャート」を作成する方法について紹介します。
新しいプロジェクトが始まった際、タスクの期日や担当者をリスト化するだけでなく、全体のスケジュールを一つの表で管理したいと考える場面があるかと思われます。
専用の管理ツールを導入しなくても、普段使い慣れているExcelの機能だけで、実用的なガントチャートを作ることが可能です。
ガントチャートとは
ガントチャートは、プロジェクト管理や生産管理などで用いられる工程管理表の一種です。
縦軸に作業内容や担当者を、横軸に日時や期間をとり、各タスクの開始から終了までの期間を横長の帯(バー)で表現します。
全体のスケジュールが一目でわかるため、どの作業がいつ始まり、現在どこまで進んでいるのかを直感的に把握できるという利点があります。
条件付き書式を使った自動色塗りの手順
手作業でセルの色を塗ってガントチャートを作ることもできますが、日程が変更された際に塗り直す手間がかかってしまいます。
「条件付き書式」を活用すれば、開始日と終了日を入力するだけで自動的にバーが引かれる仕組みを構築できます。
1. 基本となる表を作成する
まずは、タスクの一覧とカレンダーとなる部分を作成します。
- A列から順番に「タスク名」「担当者」「開始日」「終了日」を入力する列を作ります
- その右側の列の1行目に、カレンダーとなる日付を横方向に入力していきます
- 日付は、最初のセルに開始日を入力し、右へオートフィルで引っ張ることで連続した日付を簡単に入力できます
- 列幅を狭くして、カレンダー部分全体が画面に収まりやすくなるよう調整します
2. 条件付き書式を設定する
カレンダー部分のセルに対して、タスクの期間に該当する場合だけ色が付くようにルールを設定します。
- カレンダー部分のデータが入力される予定の範囲をすべて選択します
- 「ホーム」タブにある「条件付き書式」をクリックし、「新しいルール」を選びます
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択します
- 数式の入力欄に、開始日以上かつ終了日以下であるかを判定する数式を入力します
- 例えば開始日がC列、終了日がD列、カレンダーの日付がE列の1行目にある場合、「=AND(E$1>=$C2,
E$1<=$D2)」という数式になります
3. バーの色を指定する
- 数式を入力したら、右下の「書式」ボタンをクリックします
- 「塗りつぶし」タブを開き、バーとして表示させたい色を選択します
- 「OK」をクリックしてダイアログを閉じます
これで、C列とD列に日付を入力すると、該当する期間のカレンダー部分の色が自動的に変わるガントチャートの完成となります。
積み上げ横棒グラフを使った作成方法
条件付き書式を使う方法のほかに、Excelのグラフ機能を使ってガントチャートを作るアプローチもあります。
より視覚的に美しいチャートを作成したい場合に向いています。
グラフの元データを用意する
- 「タスク名」「開始日」「所要日数」の3つのデータを用意します
- 所要日数は、終了日から開始日を引き算することで求めることができます
積み上げ横棒グラフを挿入する
- 用意した表全体を選択し、「挿入」タブから「縦棒/横棒グラフの挿入」をクリックします
- 「2D 横棒」の中にある「積み上げ横棒」を選択します
グラフの見た目をガントチャートに近づける
挿入された直後のグラフは、開始日の帯と所要日数の帯が並んでいる状態です。
- 開始日のデータ系列(左側の帯)をクリックして選択します
- 「図形の塗りつぶし」を「塗りつぶしなし」に、「図形の枠線」を「枠線なし」に変更して透明にします
- 縦軸のタスク名が表と逆順になっている場合は、縦軸を右クリックして「軸の書式設定」を開き、「軸を反転する」にチェックを入れます
この調整によって、所要日数のバーだけが宙に浮いているように見え、ガントチャートらしい見た目に仕上がります。
より実用的なガントチャートにする工夫
作成したガントチャートをさらに使いやすくするための、いくつかのヒントを紹介します。
本日の日付を強調する
現在の日程がどこにあるのかを分かりやすくするために、今日の日付の列だけ色を変える設定が役立ちます。
- カレンダーの範囲を選択し、再度「条件付き書式」の「新しいルール」を開きます
- 数式に「=E$1=TODAY()」と入力し、書式で目立つ色を指定します
この設定により、ファイルを開くたびに「今日」の列が自動的にハイライトされ、進捗の遅れなどを確認しやすくなります。
土日の色を変える
休日を視覚的に区別したい場合は、WEEKDAY関数を組み合わせた条件付き書式を追加します。
- 数式に「=WEEKDAY(E$1, 2)>=6」と入力し、グレーなどの塗りつぶしを設定します
休日の作業状況が一目でわかるようになり、無理のないスケジュール調整に繋がると思われます。
進捗率を入力する列を追加する
単に期間を表示するだけでなく、「現在何パーセント完了しているか」を数値で入力する列を設けることで、プロジェクトの管理精度が向上します。
データバー機能などと組み合わせると、セルの中に小さなグラフが表示され、進捗具合がさらに分かりやすくなるかもしれません。
まとめ
Excelの基本機能である条件付き書式やグラフ機能を応用することで、プロジェクト管理に役立つガントチャートを作成できることがお分かりいただけたかと思います。
専用のツールを導入しなくても、手元にあるExcelだけでスケジュールを可視化できるのは大きな利点と言えそうです。
チーム内でファイルを共有すれば、それぞれの担当者が自分のタスクを確認しやすくなり、プロジェクト全体の進行がスムーズになる可能性があります。
新しいプロジェクトを立ち上げる際には、このようなExcelを活用したスケジュール管理のアプローチを取り入れてみるのも良い選択肢となりそうです。