今回は、PowerPointでの資料作成のスピードを劇的に上げる「リボンのユーザー設定」と、自分だけのオリジナルタブを作成する方法について紹介します。
タブの切り替えで発生する「探す」時間
PowerPointの画面上部には、「ホーム」「挿入」「デザイン」「アニメーション」といった機能がタブごとに分類されたメニュー(リボン)が配置されています。
スライドを作っているとき、例えば「図形を挿入して(挿入タブ)、色を変えて(図形の形式タブ)、アニメーションをつけて(アニメーションタブ)、文字のフォントを整える(ホームタブ)」といった一連の作業を行う際、何度もタブを行ったり来たりしなければなりません。
「あの機能はどのタブにあったっけ?」と探し回る時間は、数秒の積み重ねであっても、資料全体が完成する頃にはかなりのタイムロスになってしまいます。また、使わない機能がメニューの中にたくさん表示されていると、目的のボタンを見つけるための視覚的なノイズになります。
このような「探す・切り替える」無駄をなくし、自分がよく使う一軍の機能だけを集めた最強の作業環境を作るのが、「リボンのユーザー設定」という機能です。
オリジナルの「自分専用タブ」を作る手順
リボンのユーザー設定では、既存のタブの中身を並べ替えたり、表示を消したりできるほか、全く新しい「自分だけのタブ」を作成することができます。
1. 設定画面(リボンのユーザー設定)を開く
まずはカスタマイズのための設定画面を開きます。
- 画面上部のリボンメニュー(「ホーム」や「挿入」などの文字がある周辺の何もないスペース)で右クリックします。
- 表示されるメニューからリボンのユーザー設定を選択します。
- 「PowerPoint のオプション」ダイアログボックスが開き、画面が左右に分かれた設定画面が表示されます。
右側のリストが「現在表示されているリボン(タブとグループ)」、左側のリストが「PowerPointに用意されているすべてのコマンド(ボタン)」です。
2. 新しいタブとグループを作成する
右側のリストを使って、自分専用のタブを作ります。
- 右側のリストの下にある新しいタブボタンをクリックします。
- リストの中に「新しいタブ(ユーザー設定)」と、その配下に「新しいグループ(ユーザー設定)」という項目が追加されます。
- 追加された「新しいタブ」を選択した状態で、名前の変更ボタンをクリックし、「マイツール」や「よく使う機能」など、好きな名前を入力してOKをクリックします。
- 同様に「新しいグループ」も選択し、名前の変更から「文字用」「図形用」といった機能のまとまりを示す名前を付けます。
3. コマンド(機能ボタン)を追加する
箱(タブとグループ)ができたら、左側のリストから好きな機能を選んで入れていきます。
- 左側のリストの上部にあるドロップダウンメニューから、すべてのコマンドを選択します。(これにより、隠れた機能も含めてすべて表示されます)
- 左側のリストから、追加したい機能(例:「配置」「グループ化」「フォントの色の変更」など)を探してクリックします。
- 右側のリストで、先ほど作った「新しいグループ」が選択されていることを確認します。
- 中央にある追加ボタンをクリックします。
これで、右側の自分のグループの中に機能が追加されました。この作業を繰り返し、自分が頻繁に使う機能(フォントのサイズ変更、図形の結合、配置の整列など)をすべて1つのタブの中に集約させます。
最後に右下のOKをクリックして設定画面を閉じると、画面上部のリボンに作成したオリジナルのタブ(例:「マイツール」)が表示され、選んだボタンがずらりと並んでいることが確認できます。
クイックアクセスツールバーとの使い分け
リボンのカスタマイズと似た機能に、画面の左上(またはリボンの下)に小さなアイコンを並べる「クイックアクセスツールバー」があります。どちらも「よく使う機能をすぐ使えるようにする」という目的は同じですが、それぞれ得意な役割があります。
クイックアクセスツールバーに向いている機能
- 「上書き保存」「元に戻す」「やり直し」など、どんな作業をしている最中(どのタブを開いていても)でも、常に1クリックで使いたい、超頻出の機能。
- アイコンが非常に小さく表示されるため、あまり数を増やしすぎると押し間違いが増える点に注意が必要です。
自分専用タブに向いている機能
- 「図形の配置」や「文字の装飾」など、特定の作業を行うときに、まとめて使う機能のセット。
- アイコンのサイズが大きく表示され、文字の説明(ラベル)もついているため、機能の意味がわかりやすく、押し間違いを防ぐことができます。複数のグループに分けて整理できるのも強みです。
まとめ
今回は、PowerPointのメニューを自分好みに作り変える「リボンのユーザー設定」とオリジナルタブの作成について解説しました。「何度もタブを切り替える」「奥の階層にあるボタンを探す」といったマウスの移動やクリック数を減らすことは、長時間にわたる資料作成の疲労やストレスを軽減する上で非常に効果的です。自分の作業スタイル(図解が多い、文字の装飾が多いなど)に合わせてメニューを育てることで、PowerPointはより手に馴染む強力なツールへと進化します。ぜひ一度、よく使う機能だけを集めた「自分専用タブ」を作ってみてはいかがでしょうか。