【Word】定型句を登録して文章や書式を素早く呼び出す活用法

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今回は、Wordの定型句を登録して効率的に活用する方法について紹介します。

Wordにおける定型句とは

ビジネス文書を作成していると、「いつもお世話になっております。」「よろしくお願い申し上げます。」といったお決まりの挨拶文や、会社の住所、電話番号などを何度も繰り返し入力する場面があります。
毎回手打ちしたり、過去の文書からコピーしてきたりするのは、非常に手間がかかるだけでなく、入力ミスの原因にもなります。
Wordには、このような頻繁に使う文章や図形、表などをあらかじめ登録しておき、必要なときに簡単な操作で呼び出せる「定型句(クイックパーツ)」という機能が備わっています。
一度登録しておけば、数文字入力するだけで長い文章を瞬時に挿入できるようになるため、文書作成のスピードを飛躍的に向上させることができます。

定型句と辞書登録の違い

よく使う単語を登録する方法として、WindowsやMacのIME(日本語入力システム)の「単語の辞書登録」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
辞書登録は「おつ」と入力して変換すると「お疲れ様です」と出るように、短い読みで単語や短い文章を変換候補に出す機能です。
一方、Wordの定型句機能の最大の特徴は、単なるテキストだけでなく、文字のフォントや色、太字といった「書式設定」、さらには「画像」「表」「テキストボックス」といった複雑なオブジェクトもそのままの状態で登録できる点にあります。
例えば、会社のロゴ画像と書式付きの署名欄をセットにして定型句として登録しておけば、数回のクリックで完璧なレイアウトの署名を挿入することが可能になります。

定型句の登録手順

定型句を登録する操作は非常にシンプルです。
一度文書上に登録したい内容を作成してから、それをWordのギャラリーに保存するという流れになります。

登録したい内容を作成して選択する

まずは、Wordの文書上で、定型句として登録したい文章や図表を作成します。
このとき、文字の大きさや色、段落の配置(右揃えなど)も、後で呼び出したい状態に合わせてしっかりと整えておくことがポイントです。
作成が完了したら、登録したい部分をマウスでドラッグして選択状態にします。
このとき、文章の末尾にある段落記号(改行マーク)を含めて選択するかどうかで、呼び出したときの動作が変わってきます。
段落記号を含めて登録すると、挿入時に必ず改行された状態で配置されるため、独立した段落として使いたい挨拶文などは段落記号を含めておくのがおすすめです。

クイックパーツギャラリーへの保存

登録したい範囲を選択した状態で、リボンの「挿入」タブを開きます。
右側の「テキスト」グループの中に、「クイックパーツ」というアイコンがあるのでクリックします。
表示されたメニューの一番下にある「選択範囲をクイックパーツギャラリーに保存」を選択します。
「新しい文書パーツの作成」というダイアログボックスが開いたら、以下の設定を行います。

  • 名前:
    呼び出すときのキーワードとなる名前を入力します。後で自分がわかりやすい、かつ入力しやすい短い名前(例:「あいさつ1」や「署名」など)をつけるのがコツです。
  • ギャラリー:
    ここで「定型句」を選択します。クイックパーツのままでも使えますが、定型句に分類しておくと後述するオートコンプリート機能が働きやすくなります。
  • 保存先:
    基本的には「Normal.dotm」のままで問題ありません。これにより、新しく作成するすべての白紙文書でこの定型句が使えるようになります。

設定ができたら「OK」ボタンをクリックして登録完了です。

登録した定型句を呼び出す方法

登録した定型句を文書に挿入する方法はいくつか用意されており、状況に合わせて使い分けることができます。

オートコンプリート機能を利用する

最も素早く入力できるのが、オートコンプリート機能を利用する方法です。
登録した定型句の「名前」の最初の数文字(通常は4文字以上)を文書内に入力すると、入力中の文字のすぐ上に「(Enter)キーを押して挿入」という小さなポップアップヒントが表示されます。
このヒントが表示されている状態でEnterキーを押すだけで、登録した定型句の全体が瞬時に挿入されます。
この機能を使うためには、登録時の名前に少し工夫が必要です。例えば「いつもお世話に」という文章を登録する際、名前を「いつも」と3文字にしてしまうとポップアップが出にくいため、「いつもお世話」など長めの名前にしておくか、名前の先頭に記号をつけて「■いつも」とするなどの工夫が効果的です。

クイックパーツメニューから選択する

登録した定型句の名前を忘れてしまった場合や、長い定型句を選んで挿入したい場合は、メニューから一覧を見て選択するのが確実です。
「挿入」タブの「クイックパーツ」をクリックし、「定型句」のメニューを開きます。
すると、登録してある定型句のプレビューが一覧で表示されるため、使いたいものをクリックするだけで、カーソルがある位置に挿入されます。
プレビューを見ながら選べるため、複数の異なるパターンの署名や挨拶文を使い分ける際に非常に便利です。

F3キーを使って呼び出す

オートコンプリートのポップアップが表示されない場合や、短い名前で登録した定型句を素早く呼び出したいときには、F3キーを使ったショートカットが有効です。
文書内に定型句として登録した「名前」を正確に入力し、その直後にキーボードの「F3」キーを押します。
すると、入力した名前が登録されている定型句の内容に置き換わります。
この方法は、キーボードから手を離さずに操作を完結できるため、入力作業の多い方にとって強力な時短テクニックとなります。

定型句の編集と整理

長くWordを使っていると、登録した定型句が増えすぎて目的のものを探しにくくなったり、内容が古くなって修正が必要になったりすることがあります。
そのような場合は、文書パーツオーガナイザーを使って整理を行います。

文書パーツオーガナイザーの活用

「挿入」タブの「クイックパーツ」から「文書パーツオーガナイザー」を選択します。
ここでは、自分が登録した定型句だけでなく、Wordに最初から組み込まれている表紙やヘッダーなどのあらゆる部品が一覧で管理されています。
リストから目的の定型句(ギャラリー列が「定型句」になっているもの)を見つけ出し、選択します。
内容を変更したい場合は、一度文書内に挿入して修正を行った後、同じ名前で上書き保存をするのが最も簡単な方法です。
名前を変更したり、不要になった定型句を完全に削除したりする場合は、このオーガナイザーの画面から「プロパティの編集」や「削除」ボタンを使って整理を行います。

まとめ

Wordの定型句機能を活用して、頻繁に使う文章や書式、図表などを登録し、文書作成を効率化する方法について解説しました。
IMEの辞書登録とは異なり、文字の色や太さ、段落の配置といったレイアウト情報もそのまま保存できるのがこの機能の強みです。
「挿入」タブのクイックパーツからギャラリーに保存するだけで簡単に登録でき、オートコンプリートやF3キー、あるいはメニューからの選択によって、いつでも瞬時に呼び出すことが可能になります。
日々の業務で繰り返し入力している挨拶文や、会社のロゴ入りの署名枠、決まったフォーマットの案内文などがある場合は、定型句に登録しておくことで作業時間を大幅に短縮できます。
タイピングの手間を減らし、入力ミスを防ぐための強力なサポート機能として、定型句の活用を取り入れてみてはいかがでしょうか。