今回は、Wordで作成した長文の資料を複数人で確認(レビュー)する際に役立つ「行番号」機能について紹介します。
長文レビューで起こりがちなコミュニケーションのすれ違い
マニュアルや契約書、社内規定、あるいは複数ページにわたる企画書など、分量の多いWord文書を作成した後は、上司やチームメンバーに内容を確認してもらうプロセスが発生します。このとき、レビューする側から「あの部分の表現を直してほしい」「この段落の数字が間違っている」といったフィードバックをもらうことになります。
しかし、紙に印刷して赤ペンで直接書き込んでもらえる環境ならともかく、メールやチャット、あるいは別のドキュメントでフィードバックを受ける場合、どの部分を指しているのかを正確に伝えるのは意外と難しいものです。「3ページ目の真ん中あたり」「『〇〇について』という見出しの少し下」といった曖昧な表現では、修正する側が該当箇所を探すのに手間取ってしまいます。
このような「どこを直せばいいのか分からない」というコミュニケーションのすれ違いを防ぐための工夫として、あらかじめ文書の左側に行番号を表示しておくテクニックがあります。
Wordでの行番号の表示方法
Wordには、文書の左側の余白部分に、各行の番号を自動的に振り分ける機能が備わっています。設定はとても簡単で、文書全体に一括で適用することができます。
基本的な行番号の設定
文書を開いた状態で、以下の手順に沿って設定を行います。
- リボンメニューからレイアウトタブを選択します。
- ページ設定グループの中にある行番号をクリックします。
- 表示されるドロップダウンメニューから連続番号を選択します。
この操作だけで、文書の1行目から最後まで、通し番号が自動で表示されます。改行や文字の追加を行っても番号は自動的に再計算されるため、手作業で数字を振り直す必要はありません。
レビューを依頼する際は、この行番号を表示した状態のファイルを相手に渡すか、PDFに変換して送付します。そうすることで、「152行目の『今年度』を『来年度』に修正」「210行目から215行目の段落は削除」といったように、ピンポイントで的確な指示のやり取りが可能になります。
行番号機能のさまざまなオプション設定
行番号は単なる通し番号だけでなく、用途に合わせていくつかの表示パターンを選ぶことができます。
ページごとに番号をリセットする
数十ページにも及ぶような非常に長い文書の場合、通し番号が数千番台になってしまい、かえって分かりにくくなることがあります。そのようなときは、ページが変わるたびに番号を「1」から振り直す設定が便利です。
- レイアウトタブの行番号をクリックします。
- メニューからページごとに振り直しを選択します。
この設定にすれば、「5ページの12行目」といった形で、ページ数と行番号の組み合わせで場所を特定できるようになります。
特定の段落だけ行番号を非表示にする
文書全体に行番号を表示させつつも、タイトルや大きな見出し、あるいは図表のキャプションなど「ここは修正の対象にならない(番号を振りたくない)」という部分がある場合は、その段落だけ行番号を隠すことができます。
- 行番号を非表示にしたい段落(または複数行)を選択します。
- レイアウトタブの行番号をクリックします。
- メニューから現在の段落で行番号をなしにするを選択します。
非表示にした段落の分はカウントされず、次の段落から前の番号に続いてカウントが再開されます。目次や表紙などを含めず、本文の領域だけに集中して番号を振りたいときに活用できるテクニックです。
行番号を使う際の注意点と解除方法
行番号はあくまで「レビュー時の目印」として使う補助的な機能です。最終的な完成版の文書として提出・公開する際には、不要になった行番号を消しておくのが一般的です。
行番号の解除(非表示)
レビューと修正のやり取りがすべて完了したら、以下の手順で行番号の表示をオフにします。
- レイアウトタブの行番号をクリックします。
- メニューからなしを選択します。
これで左側の行番号がすべて消え、本来のすっきりとしたレイアウトに戻ります。
印刷時のレイアウト崩れに注意
行番号は、文書の左側の「余白」のスペースを利用して表示されます。そのため、もともと左側の余白を極端に狭く設定している文書の場合、行番号が用紙の端にはみ出してしまい、印刷時に見切れてしまう(またはプリンターの印刷可能領域外になってしまう)ことがあります。
行番号を表示させた状態でPDF化や印刷を行う場合は、事前にファイルタブの印刷メニューからプレビュー画面を確認し、番号が正しく表示されているかをチェックしておくことをお勧めします。もし見切れてしまう場合は、レイアウトタブの「余白」から左側の余白を少し広めに調整してください。
まとめ
今回は、Wordで長文の確認作業をスムーズにするための「行番号」機能について解説しました。レビューする側も修正する側も「どの部分を指しているか」が明確になるため、ミスコミュニケーションによるストレスや無駄な確認時間を大きく減らすことができます。社内でマニュアルの改訂作業を行う際や、外部のパートナーと原稿のやり取りをする際など、正確なフィードバックが求められる場面で、ぜひこの機能を取り入れてみてはいかがでしょうか。