今回は、Wordで画像や図の縦横比を固定したままサイズを変更する方法を紹介します。
プレゼン資料や報告書など、見栄えの良い文書作成には画像の適切な配置とサイズ調整が欠かせません。
しかし、画像のサイズを変更すると、意図せず縦横比が崩れてしまい、歪んだ印象になることがあります。
当記事では、Wordで画像や図形を挿入した際に、その縦横比(アスペクト比)を保ったまま簡単にサイズ変更する方法をいくつか紹介します。
なぜ縦横比を固定してサイズ変更する必要があるのか
画像や図のサイズを変更する際に、縦横比を固定することには以下のようなメリットがあります:
- プロフェッショナルな印象を与える:歪んだ画像は非常に目立ち、文書全体の印象を損ねます
- 情報の正確性を維持する:特にグラフや図表の場合、縦横比が変わるとデータの印象も変わってしまいます
- ロゴや人物写真の自然な見た目を保つ:特に人物写真は縦横比が崩れると違和感が強くなります
- 一貫性のある文書デザインを実現:複数の画像を使用する場合、統一感のある見た目を維持できます
このように、縦横比を保ったままサイズ変更することは、プロフェッショナルな文書作成の基本です。
縦横比を固定してサイズ変更する方法(マウス操作)
最も簡単な方法は、画像を選択して表示されるハンドルを使って、Shiftキーを押しながらマウスでドラッグする方法です。
マウスとShiftキーを使った操作手順
- サイズ変更したい画像や図をクリックして選択します
- 選択すると、画像の周囲に小さな白い四角(ハンドル)が表示されます
- Shiftキーを押しながら、四隅にあるハンドルのいずれかをドラッグします
- ドラッグしている間、縦横比を保ったまま画像のサイズが変わります
- 適切なサイズになったらマウスボタンを離します
このとき、四隅のハンドルを使うことが重要です。上下左右の辺の中央にあるハンドルをドラッグすると、縦または横の一方向だけが変わってしまいます。また、Shiftキーを押さないで操作すると、自由に縦横比が変わってしまうので注意してください。
中心位置を固定したままサイズ変更する
画像の中心位置を固定したまま縦横比を保ってサイズ変更したい場合は、以下の操作を行います:
- 画像を選択します
- CtrlキーとShiftキーを同時に押しながら、四隅のハンドルをドラッグします
- この操作で、画像の中心位置を固定しつつ、縦横比を保ったままサイズが変更されます
この方法は、複数の要素が配置された文書内で、ある画像だけのサイズを変更する際に特に便利です。
縦横比を固定してサイズ変更する方法(リボンからの操作)
より正確にサイズを指定したい場合は、リボンの「画像」を使用します。この方法では数値を入力してサイズを変更できるため、複数の画像を同じサイズにしたい場合などに便利です。
リボンを使った操作手順
- サイズ変更したい画像を選択します
- 画像を選択すると、リボンに「画像」が表示されます
- 「画像」の「サイズ」グループにある「縦横比を固定する」にチェックが入っていることを確認します(通常はデフォルトでチェックされています)
- 「高さ」または「幅」の値を変更します。チェックが入っている場合、一方を変更すると自動的にもう一方も比率を保って変更されます
- 「OK」をクリックして変更を適用します
縦横比を固定してサイズ変更する方法(ショートカットキー)
効率よく作業を進めるためには、ショートカットキーの活用が有効です。画像サイズの変更に関連するショートカットをいくつか紹介します。
主なショートカットキー
- Shift + ドラッグ:縦横比を保ったままサイズ変更(四隅のハンドルを使用)
- Ctrl + Shift + ドラッグ:中心位置を固定しながら縦横比を保ったままサイズ変更
- Alt + F9:「図の書式設定」ダイアログボックスを表示(選択した画像があるとき)
ショートカットキーを使いこなすことで、文書作成の効率が向上します。特に複数の画像を扱う場合には、マウス操作だけよりもはるかに効率的です。
複数の画像や図のサイズを一括変更する方法
文書内に複数の画像があり、それらを同じサイズや同じ比率で変更したい場合は、以下の方法が便利です。
複数画像の一括サイズ変更手順
- 最初の画像を選択します
- Shiftキーを押しながら、サイズを変更したい他の画像をクリックして追加選択します
- すべての対象画像を選択したら、リボンの「画像」の「サイズ」グループの値を変更します
- または、前述のダイアログボックスを使って正確なサイズを指定します
この方法では、すべての画像が同じサイズになります。ただし、元の縦横比が異なる画像を選択している場合、それぞれの画像は独自の縦横比を保ったまま、指定したサイズに合わせて変更されます。
なお、複数の画像を一括選択する際には、画像の「配置」グループ「文字列の折り返し」設定が「行内」以外になっている必要があります。「行内」設定の画像は複数選択できないため、先に「文字列の折り返し」設定を変更しておきましょう。
トラブルシューティング(うまくいかない場合の対処法)
画像のサイズ変更がうまくいかないケースとその対処法をいくつか紹介します。
縦横比が固定できない場合
- 画像を選択し、「画像」→「サイズ」グループの「縦横比を固定する」にチェックが入っているか確認します
- チェックが外れている場合は、チェックを入れて「OK」をクリックします
複数の画像を選択できない場合
- 選択できない画像をクリックします
- 「画像」→「配置」グループの「文字列の折り返し」をクリックします
- 「行内」以外のオプション(「四角形」など)を選択します
- これで複数選択が可能になります
サイズ変更後に画像が粗くなる場合
画像を大きくしすぎると解像度の関係で粗く見える場合があります。これを改善するには:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」を開きます
- 「画像のサイズとクォリティ」セクションで「ドキュメント内の画像のクォリティを維持する」にチェックを入れます
- 解像度を「高忠実度」に設定します
- 「OK」をクリックして設定を保存します
この設定により、画像の品質を可能な限り維持したままサイズ変更ができます。ただし、ファイルサイズは大きくなる点に注意してください。
まとめ
Wordで画像や図の縦横比を固定したままサイズを変更する方法として、以下の3つの基本的なアプローチを紹介しました:
- Shiftキー + マウスドラッグ:最も簡単で直感的な方法
- リボンの「サイズ」機能:正確なサイズ指定が可能
- 複数画像の一括サイズ変更:効率的に統一感のある文書を作成
これらの方法をマスターすることで、プロフェッショナルな見た目の文書を効率よく作成できます。
縦横比を固定したサイズ変更は、一見すると小さなテクニックですが、文書の見栄えや読みやすさに大きな違いをもたらすため、日々の文書作成に役立てることができます。