【Word】書式を設定する方法とよく使う機能の解説

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Word(ワード)で文書を作成する際、見栄えの良いドキュメントに仕上げるためには書式設定が欠かせません。
今回は、Microsoft Wordで文書の書式を効果的に設定する方法と、業務効率を上げるための便利な機能について紹介します。

Wordの書式設定とは

書式設定とは、文書の見た目を整えるための様々な設定のことを指します。フォントの種類やサイズ、色、太字や斜体などの文字スタイル、段落の配置、行間隔、インデントなどが含まれます。適切な書式設定を行うことで、読みやすく、プロフェッショナルな印象を与える文書を作成できます。

Wordでは、リボンと呼ばれるメニューバーから様々な書式設定が可能です。特に「ホーム」タブには、よく使う書式設定ツールが集約されています。

基本的な文字書式の設定方法

フォントの変更

文字のフォントを変更するには、以下の手順で行います。

  1. 変更したいテキストを選択します
  2. 「ホーム」タブをクリックします
  3. 「フォント」グループにあるフォント名のドロップダウンリストから任意のフォントを選択します

Wordには多数のフォントが搭載されていますが、一般的なビジネス文書では「MS明朝」「MSゴシック」「游ゴシック」「メイリオ」などが使われています。目的に応じて適切なフォントを選びましょう。

フォントサイズの変更

フォントサイズを変更するには、選択したテキストに対して、「ホーム」タブの「フォント」グループにあるサイズのドロップダウンリストから希望のサイズを選択します。一般的な文書の本文では10〜12ポイント、見出しでは14〜18ポイントが読みやすいとされています。

文字の装飾

文字を装飾するには、「ホーム」タブの「フォント」グループにある各ボタンを使用します。

  • 太字(B):重要な箇所を強調したい場合に使用
  • 斜体(I):引用や特定の用語を区別したい場合に使用
  • 下線(U):特に注目してほしい部分に使用
  • 取り消し線:修正前の文章を示す場合などに使用

これらの装飾は複数組み合わせることも可能ですが、読みやすさを考慮して過剰な装飾は避けましょう。

文字色の変更

文字の色を変更するには、「ホーム」タブの「フォント」グループにある「文字の色」ボタンを使用します。色のパレットから選択するか、「その他の色」を選んでカスタム色を設定できます。ビジネス文書では、基本的に黒色を使用し、必要に応じて強調したい部分にのみ色を使うことをお勧めします。

段落書式の設定方法

段落の配置

段落の配置を変更するには、「ホーム」タブの「段落」グループにある以下のボタンを使用します。

  • 左揃え:テキストを左端に揃えます(通常の本文で使用)
  • 中央揃え:テキストを中央に配置します(タイトルなどに使用)
  • 右揃え:テキストを右端に揃えます(日付や署名などに使用)
  • 両端揃え:テキストを左右の余白に合わせて均等に配置します(フォーマルな文書に使用)

行間隔の調整

行間隔を調整するには、「ホーム」タブの「段落」グループにある「行間隔」ボタンをクリックします。標準の行間隔は1.0ですが、読みやすさを考慮すると1.15〜1.5がおすすめです。長文の場合は行間を広めに設定すると読みやすくなります。

インデントの設定

インデント(段落の字下げ)を設定するには、「ホーム」タブの「段落」グループにある「インデントを増やす」または「インデントを減らす」ボタンを使用します。より細かい調整を行いたい場合は、「段落」グループのダイアログボックス起動ツールをクリックして、「段落」ダイアログボックスを開きましょう。

インデントには以下の種類があります:

  • 左インデント:段落の左側の余白を調整
  • 右インデント:段落の右側の余白を調整
  • 最初の行のインデント:段落の最初の行だけを字下げ
  • ぶら下げインデント:2行目以降を字下げ(箇条書きなどに使用)

スタイルを活用した効率的な書式設定

Word文書で一貫性のある書式を効率的に適用するには、「スタイル」機能が便利です。スタイルとは、フォント、サイズ、色、行間隔などの書式設定をまとめたものです。

既定のスタイルを適用する

Wordには多数の既定スタイルが用意されています。スタイルを適用するには:

  1. スタイルを適用したいテキストを選択します
  2. 「ホーム」タブの「スタイル」グループから任意のスタイルをクリックします

よく使われるスタイルには「標準」「見出し1」「見出し2」「見出し3」などがあります。見出しスタイルを使うと、目次の自動作成や文書の構造化が容易になります。

カスタムスタイルの作成

独自のスタイルを作成するには、以下の手順で行います。

  1. 作成したいスタイルの書式を適用したテキストを選択します
  2. 「ホーム」タブの「スタイル」グループにある「スタイル」ダイアログボックス起動ツールをクリックします
  3. 「新しいスタイル」ボタンをクリックします
  4. スタイル名を入力し、必要に応じて設定を調整したら「OK」をクリックします

作成したカスタムスタイルは、「スタイル」グループに表示され、他のテキストにも簡単に適用できるようになります。頻繁に使う書式設定があれば、カスタムスタイルを作成しておくと作業効率が大幅に向上します。

書式のコピーと適用

書式のコピー(書式のコピー/貼り付け)

すでに設定した書式を他の箇所にも適用したい場合、「書式のコピー/貼り付け」機能が便利です。

  1. コピーしたい書式が適用されているテキストを選択します
  2. 「ホーム」タブの「クリップボード」グループにある「書式のコピー/貼り付け」ボタン(はけのアイコン)をクリックします
  3. 書式を適用したいテキストを選択します

複数の箇所に同じ書式を適用したい場合は、「書式のコピー/貼り付け」ボタンをダブルクリックすると、連続して書式を適用できます。適用を終了するには、「Esc」キーを押すか、再度「書式のコピー/貼り付け」ボタンをクリックします。

テーマを使った一括書式設定

文書全体の雰囲気を統一するには、「テーマ」機能が有用です。テーマは色やフォントなどの組み合わせをまとめたものです。

テーマを変更するには、「デザイン」タブをクリックし、「テーマ」グループからお好みのテーマを選択します。テーマを適用すると、見出しや本文のフォント、アクセントカラーなどが一括で変更されます。

また、「デザイン」タブの「ドキュメントの書式設定」グループでは、色やフォントを個別にカスタマイズすることも可能です。

便利な書式設定のショートカットキー

頻繁に使う書式設定操作は、ショートカットキーを覚えておくと作業効率が向上します。

  • Ctrl+B:太字の適用/解除
  • Ctrl+I:斜体の適用/解除
  • Ctrl+U:下線の適用/解除
  • Ctrl+L:左揃え
  • Ctrl+E:中央揃え
  • Ctrl+R:右揃え
  • Ctrl+J:両端揃え
  • Ctrl+1:行間を1行に設定
  • Ctrl+2:行間を2行に設定
  • Ctrl+5:行間を1.5行に設定

これらのショートカットキーを活用することで、マウス操作が減り、書式設定作業がスムーズになります。

書式設定の削除とクリア

適用した書式設定を削除したい場合は、以下の方法で行います。

  1. 書式をクリアしたいテキストを選択します
  2. 「ホーム」タブの「フォント」グループにある「書式のクリア」ボタン(消しゴムのアイコン)をクリックします

また、ショートカットキー「Ctrl+スペース」を使用すると、選択したテキストの文字書式をクリアできます。段落書式も含めてすべてクリアしたい場合は、「Ctrl+Shift+N」を使用します。

書式設定の表示と非表示

文書作成中に書式記号(改行マーク、スペース、タブなど)を表示すると、書式設定の問題を発見しやすくなります。書式記号の表示/非表示を切り替えるには、「ホーム」タブの「段落」グループにある「編集記号の表示/非表示」ボタン(¶マーク)をクリックするか、ショートカットキー「Ctrl+Shift+8」を使用します。

まとめ

Wordの書式設定機能を活用することで、読みやすく、プロフェッショナルな文書を効率的に作成できます。基本的な文字書式や段落書式の設定方法を押さえ、スタイルやテーマ、ショートカットキーを活用することで、作業効率が向上します。

特に長文や複雑な文書を作成する場合は、最初に文書の構造を考え、見出しスタイルなどを適切に設定しておくと、後からの修正が容易になります。また、一貫性のある書式設定を心がけることで、読み手に伝わりやすい文書に仕上がります。