今回は、PowerPointのSmartArtで構成を整理して見せる方法を紹介します。
SmartArtは情報の関係を図にする機能
PowerPointのSmartArtは、箇条書きの内容を図として見せるための機能です。手順、階層、循環、関係性、比較などを表現できます。文字だけでは伝わりにくい構造を、視覚的に整理したいときに役立ちます。
ただし、SmartArtを使えば必ず分かりやすくなるわけではありません。内容に合わない図を選ぶと、かえって意味が伝わりにくくなります。大切なのは、情報の関係に合った形を選ぶことです。
SmartArtは装飾ではなく、構成を整理するための道具です。まず伝えたい関係を決め、その関係に合うレイアウトを選びます。
箇条書きを図にする前に情報を整理する
SmartArtにする前に、元の情報を短く整理します。長い文章をそのまま入れると、図の中の文字が小さくなり、読みづらくなります。
まず、伝えたい項目を洗い出します。そのうえで、順番があるのか、上下関係があるのか、並列なのか、循環なのかを考えます。関係性が見えてからSmartArtを選ぶと、図の意図が明確になります。
整理の観点は次のとおりです。
- 手順として順番に見せる内容か
- 組織や分類のように階層がある内容か
- 同じ重要度の項目を並べる内容か
- 原因と結果の関係を示す内容か
- 繰り返しや循環を示す内容か
この判断をしてから図を作ると、見た目に引っ張られにくくなります。
手順はプロセス系を使う
作業手順や業務フローを見せる場合は、プロセス系のSmartArtが向いています。左から右、上から下へ流れる形にすると、聞き手が順番を追いやすくなります。
たとえば、「受付」「確認」「承認」「完了」のような流れは、矢印付きのプロセスで表すと自然です。各ステップには短い言葉を入れ、補足説明は口頭や別のテキストで伝えます。
手順が多い場合は、すべてを1枚のSmartArtに詰め込まないほうが見やすくなります。大きな流れをSmartArtで示し、細かい手順は次のスライドで説明する方法もあります。
階層は組織図や階層構造で見せる
分類、役割分担、組織、承認経路などを示す場合は、階層型のSmartArtが使えます。上位と下位の関係がある情報では、上下に配置すると理解しやすくなります。
階層図では、同じ階層にある項目の粒度をそろえます。上位には大きな分類、下位には具体的な内容を入れます。粒度が混ざると、どの項目が同じレベルなのか分かりにくくなります。
組織図として使う場合は、肩書きや担当名を入れすぎないようにします。文字が増える場合は、SmartArt内は役割名に絞り、補足は別枠で示すと読みやすくなります。
比較は並列に置いて差を見せる
複数の案や選択肢を比較する場合は、並列型のSmartArtが使えます。項目を横並びまたは縦並びにして、同じ観点で見せると違いが分かりやすくなります。
比較では、各項目の文字量をそろえることが重要です。片方だけ説明が長いと、図のバランスが崩れ、重要度が違って見えることがあります。
また、比較する観点が多い場合は、SmartArtより表のほうが向いていることもあります。SmartArtは全体像や関係性を示すのに向いており、細かい数値や条件の比較には表を使うと整理しやすくなります。
色とスタイルは資料全体に合わせる
SmartArtにはさまざまな色やスタイルがあります。立体的な効果や強い色を使うと目立ちますが、業務資料では本文や他の図表との調和が大切です。
資料全体で使っている色に合わせ、強調したい部分だけ色を変えます。すべての項目に違う色を使うと、分類の意味があるように見えてしまいます。色を使うなら、意味を持たせます。
たとえば、現在の工程だけ色を変える、重要な分岐だけ濃くする、完了済みと未対応で色を分ける、といった使い方です。色は飾りではなく、情報を整理するために使います。
文字量を減らして余白を残す
SmartArtで失敗しやすいのは、文字を入れすぎることです。枠の中に長い文章を入れると、文字が小さくなり、読むのに時間がかかります。
SmartArt内の文字は、見出しやキーワードに絞ります。説明文はスライドの下部や発表者の話で補います。図の中だけで完結させようとすると、見づらいスライドになりやすいです。
項目数が多い場合は、スライドを分ける、グループ化する、表に変えるなどの方法を考えます。図の中に余白が残る状態を目安にすると読みやすくなります。
図形に変換する場合は編集しやすさを考える
SmartArtは、必要に応じて図形に変換できます。変換すると細かい配置や形を調整しやすくなりますが、SmartArtとしての編集機能は使いにくくなります。
完成前に図形へ変換すると、項目の追加や順番変更が面倒になることがあります。まずSmartArtのまま内容を整え、最終調整が必要な場合だけ図形化するのが扱いやすいです。
複数人で編集する資料では、SmartArtのまま残したほうが修正しやすい場合があります。見た目の自由度と編集のしやすさを考えて選びます。
まとめ
PowerPointのSmartArtは、手順、階層、比較、関係性などを整理して見せるための機能です。箇条書きをそのまま図にするのではなく、情報の関係を考えてからレイアウトを選ぶことが大切です。
手順にはプロセス系、階層には組織図や階層型、比較には並列型が使いやすいです。文字量を減らし、色には意味を持たせ、資料全体のデザインに合わせます。
SmartArtを使うときは、見た目より構成の分かりやすさを優先することが重要です。図の中に情報を詰め込みすぎず、必要に応じて表や別スライドも使い分けましょう。