文書の途中から章や申込書、別紙などを新しいページで始めたいとき、Enterキーを何度も押して位置を合わせると、前の文章を少し直しただけでページ位置が崩れます。Wordでは、次のページから始めたい場所に改ページを挿入すると、余分な空行を増やさずにページを切り替えられます。
この記事では、Microsoft 365のWindowsデスクトップ版Wordを中心に、手動の改ページを入れる方法、表示して確認する方法、不要になった改ページを削除する方法を説明します。Web版Wordでも手動の改ページは挿入できますが、画面表示や削除操作はデスクトップ版と少し異なるため、違いもあわせて整理します。
改ページでできること
Wordは文章量や用紙サイズ、余白、フォントサイズに応じて自動的にページを切り替えます。この自動改ページは文書の流れに合わせてWordが入れるもので、直接削除するものではありません。
一方、手動の改ページは、作成者が「ここでページを終わり、次のページから続ける」と指定するための区切りです。たとえば、次のような場面で使います。
- 表紙の次から本文を始めたい
- 新しい章を必ず次のページから始めたい
- 添付資料や記入欄を別ページに分けたい
- 印刷前に、途中で不自然に内容が分かれないよう調整したい
空行で位置を合わせる方法は一見簡単ですが、前のページに文字を追加したり、画像サイズを変えたりすると空行も一緒にずれてしまいます。ページを切り替える目的がはっきりしている場合は、改ページを使うほうが後から直しやすくなります。
改ページを入れる前に確認すること
作業前に、文書を保存しておきます。改ページ自体は文書の内容を消す操作ではありませんが、ページ位置を調整している途中で不要な空行を削除したり、段落設定を変更したりすることがあります。元の状態へ戻せるよう、重要な文書ではファイルを複製してから編集すると安心です。
また、改ページとセクション区切りは役割が異なります。単に次のページから始めるだけなら改ページで足ります。ページ番号の開始位置、用紙の向き、ヘッダーやフッター、段組みなどを文書の一部だけ変えたい場合は、改ページではなくセクション区切りを検討します。
挿入タブから改ページを入れる
最も分かりやすい方法は、挿入タブのコマンドを使う操作です。
- 次のページから始めたい文字の直前をクリックします。
- リボンの挿入タブを開きます。
- ページ区切りを選択します。
- カーソル位置以降の内容が次のページへ移動したことを確認します。
章タイトルを次のページの先頭にしたい場合は、章タイトルの直前にカーソルを置いてから操作します。現在のページの最後にカーソルを置く必要はありません。Wordが改ページを挿入し、カーソルより後ろの内容を次ページへ送ります。
レイアウトタブから改ページを入れる
ページや区切りの設定をまとめて扱う場合は、レイアウトタブからも挿入できます。
- 改ページを入れたい位置をクリックします。
- レイアウトタブを開きます。
- 区切りを選択します。
- ページを選択します。
同じメニューにはセクション区切りも表示されます。次のページから始めるだけなら、セクション区切りの「次のページ」ではなく、改ページの「ページ」を選びます。セクション区切りを入れると、後でヘッダー、フッター、ページ番号、用紙の向きなどの設定範囲に影響することがあります。
改ページの位置を表示して確認する
改ページを入れた場所が分からなくなったときは、編集記号を表示します。
- ホームタブを開きます。
- 表示/非表示を選択します。
- 文書内に表示される「改ページ」の位置を確認します。
編集記号を表示すると、段落記号や空白も見えるようになります。不要な空行でページを送っているのか、手動の改ページで切り替えているのかを見分けやすくなります。確認が終わったら、同じ表示/非表示をもう一度選ぶと通常の表示に戻せます。
不要な手動改ページを削除する
手動で入れた改ページは削除できます。削除する前に、改ページの後ろにある見出しや本文が前のページへ戻ることを理解しておきます。印刷用に整えた文書では、削除後にページ全体を確認してください。
- ホームタブの表示/非表示をオンにします。
- 削除したい改ページの直後をクリックします。
- Deleteキーを押します。
- 後ろの内容が前のページへ詰まったことを確認します。
環境やカーソル位置によっては、改ページそのものを選択してBackspaceキーで削除したほうが分かりやすい場合もあります。うまく消えないときは、編集記号を表示した状態で、改ページの前後どちらにカーソルがあるかを確認します。
自動改ページが気になるときの考え方
Wordが文章の流れに合わせて入れる自動改ページは、手動改ページのように選択して削除するものではありません。見出しだけがページ末尾に残る、段落の途中でページが分かれる、といった状態を避けたい場合は、段落の改ページ関連の設定を使います。
Windowsデスクトップ版では、対象の段落を選択し、レイアウトタブまたはページ レイアウトタブから段落ダイアログを開き、改行と改ページの設定を確認します。代表的な設定には、次の段落と分離しない、行を一緒に保持、段落前で改ページする、といった項目があります。
たとえば、見出しと直後の本文を同じページに置きたい場合は、見出し段落に「次の段落と分離しない」を使うと、見出しだけが前ページに残る状態を防ぎやすくなります。毎回手動で改ページを入れるより、段落の性質に合った設定を使うほうが、長い文書では管理しやすくなります。
Web版Wordで作業するときの違い
Web版Wordでも、文書の編集画面で手動の改ページを挿入できます。ただし、表示のされ方や削除操作はデスクトップ版と完全に同じではありません。Web版では編集ビューで改ページが確認でき、読み取りビューでは表示されない場合があります。
セクション区切りを追加したり変更したりする作業は、Web版では対応範囲が限られます。ページ番号や用紙の向きなど、文書の一部だけ書式を変える必要がある場合は、デスクトップ版Wordで開いて作業するのが確実です。
改ページで崩れにくい文書にするコツ
改ページは便利ですが、入れすぎると後から編集したときに空白ページが増えたり、意図しない位置で大きな余白ができたりします。章や別紙など、明確にページを分けたい場所だけに使い、細かな位置調整は段落設定や余白、表や画像の配置で整えます。
ページの見え方を確認するときは、印刷レイアウト表示で全体を見ます。最後に印刷プレビューも確認し、章の開始位置、余白、空白ページの有無を見ておくと、配布前の手戻りを減らせます。改ページは、空行で押し下げる代わりにページの切れ目を明示するための機能として使うと、Word文書を安定して編集しやすくなります。