Wordで見出しだけがページ下部に残ったり、短い段落が2ページに分かれたりするときは、空行や手動改ページを足す前に、段落の改ページ設定を使います。文章を増減しても配置が自動で調整されるため、後から編集する文書にも向く方法です。
この記事は、Microsoft 365のWindowsデスクトップ版Wordを対象にしています。Microsoftの案内ではWord 2024、Word 2021、Word 2019にも同種の設定がありますが、ここではMicrosoft 365の日本語画面に沿って説明します。Mac版とWeb版は画面や利用できる項目が異なるため、同じ手順としては扱いません。
作業前に文書を保存し、ページ数や見出しの位置を確認しておきましょう。この記事では、見出しと本文を同じページに置く方法、短い段落を途中で分割しない方法、設定後の確認と戻し方を解説します。
Wordの自動改ページは段落の設定で制御する
Word(ワード)には、用紙の末尾に達したときに入る自動改ページと、利用者が挿入する手動改ページがあります。自動改ページそのものは削除できませんが、どの段落の前後でページを分けるかは調整できます。
今回使うのは、次の4項目です。
- 改ページ時1行残して段落を区切らない:段落の先頭または末尾の1行だけが別ページに残る状態を防ぎます。
- 次の段落と分離しない:選択した段落と、その直後の段落との間で改ページしないようにします。
- 段落を分割しない:選択した1つの段落を、途中で2ページに分けないようにします。
- 段落前で改ページする:選択した段落を、常に新しいページの先頭から始めます。
どれも文字を削除したり空行を追加したりする機能ではありません。ページ境界での配置ルールを段落に持たせる設定です。手動の区切りを確認・削除したい場合は、先にWordのページ区切りと改ページを整理する手順を確認すると、現在の文書に何が入っているかを区別できます。
見出しと次の本文を同じページに置く
ページ末尾に見出しだけが残り、説明文が次ページから始まる場合は、見出しに「次の段落と分離しない」を設定します。見出しの直後にある最初の段落までを同じページに移すための設定です。
- 見出しの段落内をクリックします。見出し文字だけをドラッグする必要はありません。複数の見出しへ同時に設定するときは、対象の段落をまとめて選択します。
- リボンの「ホーム」タブを開き、「段落」グループ右下の小さな矢印をクリックします。
- 「段落」ダイアログボックスで「改ページと改行」タブを開きます。
- 「次の段落と分離しない」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックします。
見出しがページ下部に収まらない場合、見出しと直後の本文がそろって次ページへ移動します。本文全体が移るわけではなく、まず見出しと次の段落のつながりを保ちます。
3段落以上をひとまとまりにしたい場合は、最後の段落を除く各段落に「次の段落と分離しない」を設定します。ただし、長い範囲を連結すると前ページに大きな空白ができることがあります。見出しと直後の短い説明など、分離すると読みにくい範囲に絞るのが判断しやすい使い方です。
見出しの階層や外観もそろえたいときは、Wordのスタイルと見出しを整える方法で、見出しを直接書式ではなくスタイルとして管理できます。
段落が途中で分かれるのを防ぐ
注意書き、短い説明、署名欄の前文など、1つの段落を1ページ内に収めたい場合は「段落を分割しない」を使います。
- 分割したくない段落内をクリックします。複数の段落に設定する場合は、その範囲を段落単位で選択します。
- 「ホーム」タブの「段落」グループから、ダイアログボックス起動ツールをクリックします。
- 「改ページと改行」タブを開きます。
- 「段落を分割しない」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
選択した段落が残りのスペースに収まらないと、段落全体が次ページへ移動します。長い段落へ設定すると、段落全体を1ページに収められず、期待した配置にならないことがあります。その場合は文章を意味の切れ目で複数の段落に分け、設定する範囲を短くします。
先頭または末尾の1行だけが別ページに出るのを避けたいだけなら、「段落を分割しない」ではなく「改ページ時1行残して段落を区切らない」を使います。この項目は、少なくとも2行ずつがページの先頭と末尾に残るよう調整するものです。Microsoftの案内では既定でオンとされています。意図せず1行だけ残るときは、対象段落の設定がオフになっていないか確認してください。
行間や段落前後の余白が大きく、設定後に余白が目立つ場合は、改ページ設定を解除する前に段落設定と行間を調整する手順も確認します。文字サイズを不自然に小さくして押し込むより、段落の間隔と改ページルールを分けて見直す方が原因を判別しやすくなります。
章見出しを常に新しいページから始める
章ごとの見出しを必ずページ先頭に置く文書では、「段落前で改ページする」を使います。見出しの直前へ手動改ページを挿入する方法と違い、前の章で文章が増減しても、見出しの開始位置をWordが調整します。
- 新しいページから始めたい見出しの段落内をクリックします。
- 「ホーム」タブの「段落」グループから「段落」ダイアログボックスを開きます。
- 「改ページと改行」タブで「段落前で改ページする」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックし、見出しが次ページの先頭へ移ったことを確認します。
ページごとに用紙方向、余白、ヘッダーなどを変える必要がある場合は、段落の改ページ設定ではなくセクション区切りが必要です。目的の違いは、セクション区切りとページ設定の使い分けで確認できます。
同じ見出しへまとめて設定する
長い文書で「見出し1」をすべて新しいページから始めるなら、1件ずつ設定するよりスタイルへ登録すると管理しやすくなります。
- 「ホーム」タブの「スタイル」ギャラリーで、対象の見出しスタイルを右クリックし、「変更」を選びます。
- 「スタイルの変更」ダイアログボックス左下の「書式」をクリックし、「段落」を選びます。
- 「改ページと改行」タブで、「段落前で改ページする」または「次の段落と分離しない」を設定します。
- 「OK」で「段落」ダイアログボックスを閉じ、もう一度「OK」をクリックしてスタイルの変更を確定します。
この変更は、そのスタイルを使っている見出しへまとめて反映されます。「段落前で改ページする」は章見出し、「次の段落と分離しない」は各見出しと直後の本文をつなぐ設定として使い分けます。既存のテンプレートや他の文書まで変更する必要がない場合は、スタイルの変更を現在の文書だけに適用します。
設定後のページ位置を確認して戻す
設定直後だけでなく、前のページへ2~3行の仮の文字を追加し、見出しや段落がどう移動するかを確認します。確認後は追加した文字を元に戻してください。文章量が変わったときにも自動調整されれば、手動の空行に頼らず目的を達成できています。
最終確認は次の順番で行います。
- 「表示」タブで「印刷レイアウト」を選び、ページ境界が見える状態にします。
- 見出しだけがページ末尾に残っていないか、短い段落が途中で分かれていないかを前後のページで確認します。
- 「ファイル」タブから「印刷」を開き、ページ下部の矢印で全ページを順に確認します。
- 前ページに大きな空白ができた場合は、設定範囲が長すぎないか、複数の段落が連続して「次の段落と分離しない」になっていないかを見直します。
印刷画面での改ページ確認を詳しく進めたい場合は、Wordの印刷プレビューで改ページを調整する方法が次の確認に使えます。
設定を戻すときは、対象段落を選び、「ホーム」タブの「段落」グループから「段落」ダイアログボックスを開きます。「改ページと改行」タブで追加したチェックを外し、「OK」をクリックします。どの項目が原因か分からない場合は一度に全部を外さず、1項目ずつ解除してページ位置を確認すると、必要な設定だけを残せます。
見出しだけを本文と同じページに置くなら「次の段落と分離しない」、短い段落全体を分けたくないなら「段落を分割しない」、章を新しいページから始めるなら「段落前で改ページする」を選びます。目的に合う段落だけへ設定し、印刷プレビューまで確認すれば、文章を編集しても追従するページ構成にできます。