今回は、ExcelのPHONETIC関数を使ってセルのふりがなを取り出す方法と、ふりがなの表示・設定・修正に関するコツを紹介します。
この記事は、Microsoft 365などのExcelを日本語環境で使う場合を前提にしています。Microsoftの公式ヘルプによると、PHONETIC関数やふりがなの機能を使うには、地域の設定が日本語・中国語・韓国語のいずれかである必要があります。ふりがなの表示や設定の手順は、公式ヘルプに掲載されているMac版とWeb版の内容をもとに説明しています。
PHONETIC関数でできること
PHONETIC関数は、文字列からふりがなを抽出する関数です。氏名や会社名を入力した列の隣に「読み」の列を作りたいときに役立ちます。
基本の書式
書式は次の通りで、引数は1つだけです。
=PHONETIC(参照)
参照には、ふりがなの文字列を含むセルを指定します。たとえば、B2セルに氏名が入っている場合、C2セルに次のように入力します。
=PHONETIC(B2)
あとは数式をオートフィルで下の行にコピーすれば、名簿全体の読みを一度に用意できます。
範囲を指定するときの注意点
公式ヘルプでは、引数の指定について次のように説明されています。
- 複数のセルを範囲で指定すると、範囲の左上隅のセルのふりがなが返される
- 隣接しない複数のセルを指定すると、エラー値#N/Aが返される
基本は「1つのセルを指定して、行ごとにコピーする」使い方と考えておくと迷いません。
ふりがなはどこから来るのか
PHONETIC関数を使いこなすうえで大事なのが、ふりがなの仕組みです。Excelでは、日本語のデータを入力したときに使った読みの文字列が、ふりがなとして記録されます。漢字に変換する前に入力した読みが、そのまま残るイメージです。
この仕組みから、次のようなことが起こります。
- 漢字を出すために別の読みで入力すると、その読みがふりがなとして残る
- ほかのプログラムで作成されたファイルや、以前のバージョンで作成されたファイルを開いた場合、ふりがなは自動では作られない
- Excelが自動でふりがなを付けるのは、日本語版のExcelで新しく入力したデータに限られる
たとえば、変換しにくい名前を、一文字ずつ別の読みで入力して組み立てた場合、PHONETIC関数の結果が本来の読みと違うことがあります。また、外部から取り込んだデータでは、期待した読みが得られないことがあります。PHONETIC関数の結果がおかしいと感じたら、まず元のセルにどんなふりがなが記録されているかを確認するのが近道です。
ふりがなをセルに表示して確認する
PHONETIC関数で読みを取り出す前に、元のセルのふりがなを表示しておくと、記録されている内容を目で確かめられます。
Mac版の公式ヘルプでは、次の手順が案内されています。
- ふりがなを表示したいセルを選択する
- [ホーム]タブの[フォント]にある[ふりがなを表示して発音を明確にする]をクリックする
- [ふりがなフィールドの表示]をクリックする(チェックが付くと表示、外すと非表示)
Web版のExcelでも、[ホーム]タブの[フォント]グループから、ふりがなの表示と非表示を切り替えられます。[ホーム]タブにふりがなのボタンが見当たらない場合は、Officeの言語設定で日本語の機能を有効にする必要があります。
ふりがなの種類・フォント・配置を変える
Excelのふりがなは、ひらがな、全角カタカナ、半角カタカナの3種類から選べます。名簿の読みを「ひらがなで統一したい」「カタカナで統一したい」といった場合は、この設定を変更します。
種類を変更する手順(Mac版)
- ふりがなを含むセルを選択する
- [ホーム]タブの[フォント]にある[ふりがなを表示して発音を明確にする]をクリックし、[設定]をクリックする
- [設定]タブの[種類]で、使いたい種類を選ぶ
同じ画面の[フォント]タブでは、ふりがなのフォントやサイズを変えられます。太字や色などの書式を付けることもできるため、ふりがなを表示したまま印刷する名簿では、読みやすいサイズに整えておくと便利です。
配置を変えて見た目を整える
ふりがなの既定の配置は左揃えです。[設定]タブの[配置]では、次の配置を選べます。
- 配置なし:ふりがなをまとめて、セルの左端に沿って配置する
- 中央揃え:漢字に対して中央に配置する
- 分散配置:漢字の両端に合わせて等間隔に配置する
PHONETIC関数で別の列に読みを出す場合は配置の影響を受けませんが、セル上にふりがなを表示して印刷するときは、中央揃えにすると読みやすくなることがあります。
間違ったふりがなを修正する
読みが正しく記録されていないセルは、ふりがなを直接修正できます。Mac版の公式ヘルプでは、次の流れが紹介されています。
- 修正したいセルを選択し、[ふりがなフィールドの表示]でふりがなを表示する
- セルをダブルクリックし、ふりがなの部分をクリックする
- ふりがなを修正する
- Returnキーを2回押して確定する(取り消す場合はEscキーを2回)
Mac版では、Option+Shift+↑でふりがなにカーソルを移動し、Option+Shift+↓で元の文字列に戻れます。なお、Web版のExcelではふりがなを編集できず、公式ヘルプではWindows版のExcelを使うよう案内されています。
修正したふりがなは、PHONETIC関数の結果にも反映されます。数式を入れた列の読みが正しくなっているかを確認すると、修正漏れを見つけやすくなります。
並べ替えとの関係を知っておく
公式ヘルプによると、シートのデータを並べ替えるとき、日本語のデータは既定でふりがなをもとに並べ替えられます。正しいふりがなが付いていれば、国語辞典と同じような順番になります。
逆にいえば、ふりがなが間違っていると、五十音順に並べたはずの名簿で一部の名前だけ位置がずれることがあります。並べ替えの前にPHONETIC関数で読みの列を作り、おかしな読みがないかを確認しておくと、こうしたずれを防げます。
名簿作業で役立つ小さな工夫
- 読みの列は値に変換して渡す:ほかのシステムやファイルにデータを渡す場合、PHONETIC関数のままでは元のセルのふりがなに依存します。必要に応じて、形式を選択して貼り付けで値に変換しておくと安心です
- 取り込んだデータは読みを確認する:外部から取り込んだデータは、ふりがなが自動で付かないため、読みの列を別途用意するか、ふりがなを入力し直します
- 種類を先にそろえる:ひらがなとカタカナが混在しないよう、ふりがなの種類を先に決めてから読みの列を作ります
まとめ
ExcelのPHONETIC関数は、=PHONETIC(参照)という簡単な書式で、セルに記録されたふりがなを取り出せる関数です。ふりがなは入力したときの読みがもとになるため、別の読みで入力した文字や、外部から取り込んだデータでは期待通りにならないことがあります。
ふりがなの表示で記録内容を確認し、必要に応じて種類や配置を整え、間違いがあれば修正しておくと、名簿の読みや並べ替えの結果が安定します。読みの列を作るときの確認手段として、PHONETIC関数を活用してみてください。