今回は、Word(ワード)をPDFに変換する方法を紹介します。
ビジネスシーンや学校のレポート提出など、WordファイルをPDF形式で共有する機会は多くあります。
PDFはどのデバイスでも同じレイアウトで表示できるため、文書共有に適したファイル形式です。
本記事では、Microsoft Wordを使った基本的な変換方法から、オンラインツールを活用した方法まで、5つの変換方法を解説します。
WordをPDFに変換するメリット
WordファイルをPDFに変換することには、いくつかの重要なメリットがあります。
- レイアウトの保持:PDFは異なるデバイスやOSでも同じレイアウトで表示されるため、作成時のデザインが崩れる心配がありません。
- 閲覧環境に左右されない:相手がMicrosoft Wordをインストールしていなくても、無料のPDFリーダーさえあれば閲覧可能です。
- 編集制限:内容の改ざんを防ぎたい場合、PDFは編集されにくいファイル形式です。
- ファイルサイズ:PDFは圧縮機能を使えば軽量化も可能ですが、一般的にはWordファイルより容量が大きくなる傾向があります。
- 印刷適性:PDFは印刷用に最適化されたファイル形式で、印刷時のトラブルが少なくなります。
方法1:Microsoft Wordの「名前を付けて保存」機能を使う
最も基本的な方法は、Microsoft Wordの「名前を付けて保存」機能を利用することです。
- PDFに変換したいWordファイルを開きます。
- 画面左上の「ファイル」タブをクリックします。
- 左側のメニューから「名前を付けて保存」を選択します。
- 保存先を選択します(デスクトップなど)。
- 「ファイルの種類」のプルダウンメニューから「PDF」を選択します。
- 必要に応じて「オプション」ボタンをクリックし、フォントの埋め込みなどの設定を調整します。
- ファイル名を入力し、「保存」ボタンをクリックします。
この方法は追加ソフトウェアが不要で、Word内で完結するため最も手軽な方法です。Microsoft 365やOffice 2010以降のバージョンで利用できます。
方法2:「エクスポート」機能を使う
Microsoft Word 2013以降では、エクスポート機能を使ってPDFに変換することもできます。
- Wordファイルを開いた状態で、「ファイル」タブをクリックします。
- 左側のメニューから「エクスポート」を選択します。
- 「PDF/XPSの作成」(または「PDF/XPSドキュメントの作成」)をクリックします。
- ファイル名と保存場所を指定します。
- 必要に応じて「オプション」ボタンをクリックし、変換設定を調整します。
- 「PDF機能の互換性を維持する」:PDFの機能をそのまま保持します
- 「ISO 19005-1準拠(PDF/A)」:長期保存用の標準規格に準拠したPDFを作成します
- 「フォントの埋め込み」:特殊なフォントを使用している場合に、どの環境でも同じ表示になるよう設定できます
- 「保存」ボタン(バージョンによっては「発行」ボタン)をクリックして変換を完了します。
エクスポート機能を使用すると、PDFの最適化オプションなど、より詳細な設定を行うことができます。特に長期保存用のPDFを作成する場合や特殊なフォントを使用している場合に便利です。
方法3:「印刷」機能からPDFに変換する
Windows 10以降では、印刷機能を利用してPDFに変換することもできます。
- 変換したいWordファイルを開きます。
- 「ファイル」タブから「印刷」を選択します。
- プリンターの選択画面で「Microsoft Print to PDF」を選びます。
- 必要に応じて印刷範囲やその他の設定を調整します。
- 「印刷」ボタンをクリックします。
- 保存先とファイル名を指定して「保存」をクリックします。
この方法は、特定のページだけをPDFに変換したい場合に便利です。印刷範囲を指定することで、文書の一部だけをPDFとして保存できます。また、Windows 10以降に標準搭載されている「Microsoft Print to PDF」機能を使うため、追加ソフトウェアは不要です。
方法4:無料のオンライン変換ツールを使う
Microsoft Wordがインストールされていない場合や、スマートフォンからの変換にはオンラインツールが便利です。
主なオンライン変換ツール
- Smallpdf:シンプルな操作で高品質な変換が可能です。アップロードされたファイルは1時間後に自動削除される安全設計です。
- Adobe Acrobat Online:PDFの開発元であるAdobeが提供するサービスで、高品質な変換が可能です。書式やレイアウトが元の見た目通りに保持されます。
- iLovePDF:複数のWordファイルをまとめて変換できます。25言語に対応しており、ファイルサイズを最小限に抑えつつ変換できます。
オンラインツールを使用する基本的な手順は以下の通りです:
- 変換ツールのウェブサイトにアクセスします。
- 「ファイルを選択」ボタンをクリックするか、Wordファイルをドラッグ&ドロップします。
- アップロード完了後、自動的に変換が開始されます。
- 変換されたPDFファイルをダウンロードします。
セキュリティ面に配慮し、重要な機密情報を含むファイルは、信頼できるサービスを選ぶようにしましょう。多くのオンラインサービスでは、ファイルは変換後一定時間で自動削除される仕組みになっていますが、利用規約やプライバシーポリシーを確認することをお勧めします。
方法5:Googleドライブを活用する
Googleドライブを使えば、クラウド上でWordファイルをPDFに変換できます。
- Googleドライブにログインします。
- 「新規」ボタンから「ファイルをアップロード」を選択し、Wordファイルをアップロードします。
- アップロードしたWordファイルを右クリックし、「アプリで開く」から「Googleドキュメント」を選択します。
- Googleドキュメントで開いたら、「ファイル」→「ダウンロード」→「PDFドキュメント(.pdf)」を選択します。
Googleドライブを使う利点は、スマートフォンやタブレットからも操作できることです。また、変換したファイルをクラウド上で管理できるため、デバイス間での共有も簡単です。Googleアカウントがあれば無料で利用できる点も魅力です。
PDF変換時の注意点
WordからPDFへの変換で注意すべきポイントをいくつか紹介します。
- フォントの埋め込み:特殊なフォントを使用している場合、変換時に「フォントの埋め込み」オプションを有効にすると、どの環境でも同じ表示になります。
- レイアウトの確認:変換後のPDFを開いて、レイアウトが崩れていないか確認しましょう。
- ファイルサイズ:PDFは通常、Wordファイルより容量が大きくなります。メール添付の際はサイズ制限に注意してください。
- 互換性:古いバージョンのPDFリーダーでも開けるよう、互換性を考慮した設定を選ぶと良いでしょう。「PDF/A」形式を選択すると長期保存に適した形式になります。
- セキュリティ:オンラインツールを使用する際は、個人情報や機密情報を含むファイルの取り扱いに注意しましょう。
まとめ
WordをPDFに変換する方法は複数あり、状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。Microsoft Wordを使用している場合は「名前を付けて保存」や「エクスポート」機能が手軽で確実です。Word環境がない場合は、オンラインツールやGoogleドライブを活用すると良いでしょう。
PDFは閲覧環境を選ばず、レイアウトが保持されるため、ビジネス文書の共有や公式文書の配布に適しています。これらの変換方法をマスターして、より効率的なドキュメント管理を実現しましょう。