今回は、Excelでよく使うセルの書式(背景色、文字色、罫線、表示形式など)をまとめて「スタイル」として登録し、ワンクリックで他のセルに適用させる方法について紹介します。
表を作成する際、見出しの部分は「背景色を青、文字を白の太字、中央揃えにして、下部に二重線を引く」といったように、複数の書式設定を組み合わせることがよくあります。新しい表を作るたびに、あるいは別のシートで同じような表を作る際に、一つひとつの設定を毎回手作業で繰り返すのは非効率的です。あらかじめ自分好みのデザインを「セルのスタイル」として登録しておけば、複数の設定をワンタッチで呼び出せるようになり、作業時間の短縮と資料全体の統一感アップにつながります。
「セルのスタイル」機能の基本
複数の書式設定を一つのセットとして保存し、名前をつけて管理できる機能です。
登録できる書式の種類
セルの書式設定画面で指定できる項目のほとんどが含まれます。
- フォント:種類、サイズ、色、太字、斜体など
- 配置:横位置(中央揃えなど)、縦位置、折り返して全体を表示する、など
- 塗りつぶし:背景色、パターンの色や種類
- 罫線:線の種類、色、引く位置
- 表示形式:数値のカンマ区切り、日付形式、パーセンテージなど
- 保護:セルのロックの有無
これらを組み合わせたデザインを、一つにまとめて登録します。
標準で用意されているスタイル
Excelには最初から、「見出し1」「見出し2」「タイトル」「良い」「悪い」「標準」など、いくつかのスタイルが用意されています。これらをそのまま使うこともできますが、自社のコーポレートカラーや、普段よく使うオリジナルの組み合わせを登録しておくことで、さらに使い勝手が良くなります。
オリジナルのスタイルを登録する手順
それでは、自分好みの書式セットを新しく作成し、登録する手順を確認していきます。今回は例として、オリジナルの「見出し用スタイル」を作ってみます。
1. ベースとなるセルを作成する
まずは、登録したい書式を実際に適用したセルを一つ作ります。
- 適当なセル(例えばA1)を選択し、「見出し」などの文字を入力する
- 上部の「ホーム」タブを使って、背景色、文字色、太字、中央揃え、罫線などの設定を行う
このセルが、スタイルを登録するための見本(テンプレート)になります。
2. スタイルの新規作成画面を開く
見本ができたら、その情報をExcelに記憶させます。
- 設定を終えた見本のセルを選択したままにする
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループの中にある「セルのスタイル」アイコンをクリックする(または「さらに表示」の下向き矢印をクリックして一覧を開く)
- 表示されたメニューの一番下にある「新しいセルのスタイル」を選択する
これで、「スタイル」という小さなダイアログ画面が表示されます。
3. スタイル名を付けて保存する
ダイアログ画面で、登録する内容を確認し、名前を付けます。
- 「スタイル名」の入力欄に、「オリジナル見出し」や「注意書き用」など、後から見て分かりやすい名前を入力する
- その下にある「種類(含める書式)」のチェックボックスを確認する
- 登録したい項目(フォント、塗りつぶし、罫線など)にチェックが入っていることを確認し、「OK」ボタンをクリックする
これで、見本のセルに設定されていた書式の組み合わせが、「オリジナル見出し」という名前のスタイルとして登録されました。
登録したスタイルを他のセルに適用する手順
登録したスタイルを使って、別のセルを素早く同じデザインに変更してみます。
ワンクリックで書式を反映させる
適用させたいセルを選択して、登録したスタイルを選ぶだけの簡単な操作です。
- 新しく作った表の、見出しにしたいセルをすべて選択する
- 「ホーム」タブの「セルのスタイル」アイコンをクリックする
- 一覧の一番上(「ユーザー定義」のグループ)に、先ほど登録した「オリジナル見出し」が表示されているので、それをクリックする
これだけで、選択した複数のセルに、背景色から罫線まですべての設定が一瞬で反映されます。
登録したスタイルを変更・削除する方法
一度登録したスタイルは、後からデザインを変更したり、不要になったら削除したりすることも可能です。
スタイルの内容を変更(更新)する
「オリジナル見出し」の背景色を、青から緑に変更したい場合の手順です。ここがスタイル機能の最も強力なポイントでもあります。
- 「ホーム」タブの「セルのスタイル」一覧を開く
- 変更したい「オリジナル見出し」を右クリックする
- メニューから「変更」を選択する
- ダイアログの「書式」ボタンをクリックし、セルの書式設定画面で背景色を緑に変更して「OK」をクリックする
この操作を行うと、現在「オリジナル見出し」のスタイルが適用されているすべてのセルの背景色が、自動的に一斉に緑色に変わります。一つひとつのセルを選び直して色を変える必要はありません。
スタイルの削除
使わなくなったスタイルを一覧から消す手順です。
- 「ホーム」タブの「セルのスタイル」一覧を開く
- 削除したいスタイルを右クリックする
- 「削除」を選択する
この操作を行うと、スタイルの一覧からは消えます。ただし、すでにそのスタイルを適用してあったセルについては、設定されていた書式(背景色や文字色など)はそのまま残ります。
別のファイル(ブック)で作ったスタイルをコピーする
登録した「ユーザー定義」のスタイルは、基本的にはそのファイル(ブック)の中だけで有効です。新しく作成したファイルでも同じスタイルを使いたい場合は、簡単な操作で引き継ぐことができます。
スタイルの結合(インポート)手順
スタイルが登録されている「元のファイル」と、これからスタイルを使いたい「新しいファイル」の両方を開いた状態で行います。
- 「新しいファイル」をアクティブ(操作できる状態)にする
- 「ホーム」タブの「セルのスタイル」一覧を開き、一番下の「スタイルの結合」をクリックする
- 「スタイルのコピー元」の一覧に、現在開いている別のファイル(元のファイル)の名前が表示されるので、それを選択する
- 「OK」をクリックする
これで、元のファイルで登録していたオリジナルスタイルが、新しいファイルでも使えるようになります。毎回一から登録し直す手間が省けるため、チームでフォーマットを統一したい場合などにも非常に便利です。
まとめ
Excelで「セルのスタイル」を登録し、書式設定を効率化する手順について解説しました。
- ベースとなるセルを作成し、そこから「新しいセルのスタイル」として登録する
- 後から見分けがつくように、分かりやすいスタイル名をつける
- 登録後は、適用したいセルを選んで一覧からクリックするだけで反映される
- スタイルを変更すると、適用済みのセルも一括で自動更新される
- 「スタイルの結合」を使えば、別のファイルで作ったスタイルも簡単にコピーできる
毎回「セルの書式設定」画面を開いて複数の項目を設定するのは、積み重なると大きな時間のロスになります。特によく使う見出しのデザインや、注意書きの赤文字設定などを一つでも登録しておくと、資料作成のスピードが劇的に上がります。ぜひ日々の業務に取り入れて、効率化を実感してみてください。