今回は、PowerPointでプレゼンを行う際に手元の画面にだけ表示される「発表者ツール」において、ノートに書かれた文字のサイズ(フォントサイズ)を調整して読みやすくする方法について紹介します。
発表時の心強い味方「発表者ノート」
PowerPointを使ったプレゼンテーションでは、スクリーンにはスライドだけを映し出し、手元のパソコン画面にはスライドの縮小版と「話す内容の原稿(カンペ)」を同時に表示させる発表者ツールという機能がよく使われます。
この原稿を入力しておく場所が、スライドの編集画面の下部にある「ノート」と呼ばれる領域です。
緊張する本番でも、手元に台本があることで、話す内容を忘れてしまったり、時間が余ってしまったりする失敗を防ぐことができます。
文字が小さくて読めないトラブル
ノート機能は非常に便利ですが、実際に発表者ツールを起動してみると、ノート領域の文字が小さすぎて読みにくいと感じることがあります。
- プロジェクターやモニターとの接続設定によっては、手元のパソコンの画面解像度が高くなり、相対的に文字が小さく表示されてしまう
- 本番中はスクリーンと手元の画面を交互に見るため、文字が小さいとどこを読んでいるか見失いやすい
- 暗い会議室での発表など、画面と目の距離が普段より遠くなる状況では、さらに読みづらさが増す
このような状況で無理に小さな文字を読もうとすると、視線が手元に釘付けになり、聞き手の方を向いて堂々と話すことが難しくなります。
そのため、自分が一番読みやすい大きさに文字サイズを調整しておくことが、スムーズなプレゼンを成功させるための重要な準備となります。
発表者ツールの画面上で文字サイズを拡大する手順
一番手軽で確実なのは、プレゼン本番と同じ「発表者ツール」の画面を開いた状態で、直接文字の大きさを調整する方法です。
発表者ツールを起動して設定する操作
本番前にプロジェクターに繋がなくても、手元のパソコンだけで発表者ツールを起動して確認することができます。
- 画面上部の「スライドショー」タブをクリックします。
- 「モニター」グループの中にある発表者ツールを使用するのチェックボックスにチェックが入っていることを確認します。
- キーボードの「Alt」キーを押しながら、「F5」キーを押します(または、「スライドショー」タブの「最初から」をクリックし、画面右クリックから「発表者ツールを表示」を選択します)。
- 画面が切り替わり、左に現在のスライド、右側に「次のスライド」と「ノート」が表示される発表者ツールの画面になります。
ノートの文字を拡大・縮小するボタン
発表者ツールの画面に入ったら、右下にあるノート領域に注目します。
- ノート領域の左下(または下部)に、小さな「A」の文字が2つ並んだアイコンがあります。
- 左側の少し大きい「A」のアイコン(テキストを拡大)をクリックすると、ノートの文字が一段階大きくなります。
- 逆に、右側の少し小さい「A」のアイコン(テキストを縮小)をクリックすると、文字が一段階小さくなります。
このボタンを何度かクリックして、自分が立った位置や座った位置から、最も自然に読めるサイズに調整します。
この画面で設定した文字サイズは、スライドをめくっても保持されるため、1ページ目で調整しておけば最後まで快適に読むことができます。
編集画面(標準モード)でノートの文字サイズを変更する手順
発表者ツールを開かなくても、普段スライドを作っている編集画面(標準モード)で、ノート部分の文字サイズを直接変更することも可能です。
ノート領域のフォントサイズを変更する操作
- 画面下部のステータスバーにある「ノート」という文字をクリックし、スライドの下にノート領域(「クリックしてノートを入力」と書かれた部分)を表示させます。
- ノート領域に入力されている文字をドラッグして選択します。
- 画面上部の「ホーム」タブを開きます。
- 「フォント」グループの中にある、フォントサイズの数値(「12」など)をクリックし、希望のサイズ(たとえば「20」や「24」)に変更します。
注意点:編集画面の設定と発表者ツールの連動について
この方法で編集画面上の文字を大きくすると、確かにノートの文字は大きくなります。
しかし、この「ホーム」タブからのフォントサイズ変更は、発表者ツールの画面には反映されない(あるいは意図した通りに大きくならない)ケースが多いという点に注意が必要です。
発表者ツール上の文字サイズは、元のフォント設定とは独立して「発表者ツール専用の表示倍率」として管理されているためです。
したがって、「自分が発表時に読みやすくするため」であれば、前述の「発表者ツールの画面上で『A』のアイコンをクリックする手順」を行うのが最も確実です。
印刷する際のノートの文字サイズを調整する手順
発表者ツールを使わず、ノート部分を紙に印刷して「カンペ」として手元に置いておくスタイルの場合、印刷時の文字サイズが重要になります。
「ノートマスター」を使った一括設定
印刷用のノートのレイアウトや文字サイズは、「ノートマスター」という機能で管理されています。
- 画面上部の「表示」タブを開きます。
- 「マスター表示」グループの中にあるノートマスターをクリックします。
- 画面が切り替わり、上にスライドの枠、下にテキスト入力用の枠があるレイアウトが表示されます。
- 下のテキスト枠(マスターテキストのスタイル)の中の文字をクリックして選択します。
- 「ホーム」タブに戻り、フォントサイズを「16」や「18」など、読みやすい大きさに変更します。
- 「ノートマスター」タブに戻り、マスター表示を閉じるをクリックします。
これで、ファイル全体のノート部分の印刷用フォントサイズが一括で変更されました。
ノートの印刷手順
文字サイズを調整したノートを実際に紙に印刷します。
- 「ファイル」タブから「印刷」を選択します。
- 「設定」の下にある「フルページサイズのスライド」と書かれたドロップダウンリストをクリックします。
- 「印刷レイアウト」の中にあるノートを選択します。
- プレビュー画面で、スライドとノートが上下に配置され、文字が読みやすい大きさになっているか確認し、「印刷」ボタンをクリックします。
この方法を使えば、画面上だけでなく、紙の資料としても見やすいカンペを準備することができます。
まとめ
PowerPointの発表者ツールにおいて、ノートの文字サイズを読みやすく調整する手順についてお伝えしました。
プレゼン本番で文字が見えずに慌てることを防ぐために、事前に発表者ツールを起動して「テキストを拡大(Aのアイコン)」ボタンで最適なサイズに合わせておくことが最大のポイントです。
また、編集画面でのフォントサイズ変更や、紙に印刷する場合の「ノートマスター」を使った設定方法など、用途に応じた調整テクニックを知っておくことで、どのような環境でも安心して発表に臨むことができます。
「カンペは読める大きさにしておく」という基本中の基本ですが、本番のパフォーマンスを左右する重要な準備として、今回紹介した手順を試してみるとよいでしょう。