今回は、ExcelのUNIQUE関数を使って、重複したデータを整理する方法を紹介します。
UNIQUE関数の役割
Excelで名簿、商品一覧、問い合わせ履歴などを扱っていると、同じ名前や同じコードが何度も出てくることがあります。元データとしては必要でも、確認用の一覧では重複を除いた形で見たい場面があります。
UNIQUE関数は、範囲の中から重複しない値を取り出して一覧にする関数です。元データを削除せず、別の場所に整理済みの一覧を作れるため、確認用、集計前の準備、入力候補の作成に使いやすい関数です。
たとえば、A列に担当者名が並んでいる場合、別のセルに「=UNIQUE(A2:A100)」と入力すると、同じ名前を一つにまとめた一覧が表示されます。元データが変われば、抽出結果も更新されます。
重複削除との違い
Excelには「重複の削除」という機能もあります。この機能は、選択した範囲から重複行を削除します。一方、UNIQUE関数は元データを残したまま、別の場所に結果を表示します。
作業の途中で元データを残したい場合や、後から条件を変えて見直したい場合は、UNIQUE関数のほうが扱いやすくなります。元データを直接消さないため、確認用の一覧を何度でも作り直せます。
ただし、提出用の固定した一覧を作りたい場合は、UNIQUE関数の結果をコピーして値として貼り付ける必要があります。関数のままだと、元データの変更に合わせて結果も変わります。用途に応じて、関数のまま使うか、値として固定するかを選びます。
基本の書き方
UNIQUE関数の基本形は「=UNIQUE(範囲)」です。範囲には、重複を整理したいセル範囲を指定します。1列だけでなく、複数列の範囲にも使えます。
担当者名を整理する場合は、次のように考えます。
- 元データの列を確認する
- 結果を表示する空きセルを選ぶ
- UNIQUE関数で範囲を指定する
- 表示された一覧に空白や表記ゆれがないか確認する
UNIQUE関数の結果は、入力したセルから下方向へ広がって表示されます。このように、関数の結果が複数セルへ広がる仕組みをスピルと呼びます。結果が表示される場所に別の値が入っていると、エラーになることがあります。関数を入れる前に、下のセルに余裕を作っておきます。
空白を除いて一覧を作る
元データに空白が含まれていると、UNIQUE関数の結果にも空白が表示されることがあります。確認用の一覧では空白が不要な場合、FILTER関数と組み合わせます。
たとえばA2:A100から空白を除いて重複しない値を取り出す場合は、「=UNIQUE(FILTER(A2:A100,A2:A100″” ))」のように考えます。環境によって区切り記号の扱いが異なる場合がありますが、考え方は「空白でない値だけを先に取り出し、その結果にUNIQUEをかける」です。
空白を含めたままでも問題ない一覧もあります。入力漏れの確認をしたい場合は、空白が出ること自体が手がかりになります。目的が「候補一覧を作る」なのか「入力漏れを見つける」なのかで、空白を残すか除くかを決めます。
複数列の組み合わせで重複を整理する
UNIQUE関数は、複数列の組み合わせにも使えます。たとえば「部署」と「担当者」の組み合わせを重複なく取り出したい場合、部署列と担当者列を含む範囲を指定します。
この使い方では、行全体が同じ場合だけ重複として扱われます。同じ担当者でも部署が違えば、別の組み合わせとして残ります。担当者名だけで重複を除きたいのか、部署との組み合わせで見たいのかを先に決めることが大切です。
複数列で抽出した結果は、後続の集計や確認表にも使えます。たとえば、部署別の担当者一覧を作り、その横に確認状況や連絡日を入力する場合は、UNIQUE関数で元となる組み合わせを作ると、手入力の抜けを減らせます。
SORT関数と組み合わせて見やすくする
UNIQUE関数だけでは、元データに出てきた順番で一覧が表示されます。確認用に並び順を整えたい場合は、SORT関数と組み合わせます。
たとえば「=SORT(UNIQUE(A2:A100))」のようにすると、重複を除いた一覧を並べ替えて表示できます。名前やコードの一覧を作るときに、探しやすい順番にできます。
ただし、並び順に意味がある元データでは注意が必要です。受付順、作業順、優先順を残したい場合は、SORTを使わず、UNIQUEだけで抽出したほうがよいことがあります。見やすさと業務上の順番のどちらを優先するかを確認します。
表記ゆれを整理してから使う
UNIQUE関数は、文字が完全に同じかどうかを見て重複を判断します。そのため、「営業部」と「営業 部」、「A001」と「A-001」のように少しでも違うと別の値として扱われます。
重複整理の前には、表記ゆれを確認します。余分なスペースがある場合はTRIM関数、全角半角の違いがある場合は入力元のルール確認、英字の大小が混ざる場合は表記ルールの統一を行います。
特に外部から受け取ったデータでは、見た目では同じに見えても、余分なスペースや記号が混ざっていることがあります。UNIQUE関数の結果に似た名前が複数出てきたら、元データを疑って確認します。
入力候補リストに活用する
UNIQUE関数で作った一覧は、入力規則の候補リストにも使えます。たとえば、元データから部署名を抽出し、その一覧を別シートに置けば、入力時の候補として利用できます。
この方法を使うと、元データに新しい部署名が追加されたとき、候補一覧も更新しやすくなります。ただし、入力規則でスピル範囲を参照する場合は、参照先の位置や範囲の広がりに注意します。
候補リストとして使う場合は、空白や誤字が混ざらないようにすることが大切です。UNIQUE関数で抽出した後、候補に入れてよい値だけが並んでいるかを確認します。必要であれば、確認用の列を作り、正式な表記へ直してからリストに使います。
エラーが出たときの確認点
UNIQUE関数の結果が表示されない場合、まずスピル範囲を確認します。結果が広がる場所に文字や数式が入っていると、結果を展開できません。空きセルに移すか、下の値を整理します。
範囲指定のずれもよくあります。見出しを含めると、結果の先頭に見出し名が入ります。必要に応じて、データ部分だけを指定します。テーブルを使っている場合は、列名を参照すると範囲の更新に対応しやすくなります。
また、関数が使えない環境では、UNIQUE関数自体が認識されないことがあります。その場合は、重複の削除機能やピボットテーブルで代替する方法を検討します。
まとめ
ExcelのUNIQUE関数は、重複したデータから確認用の一覧を作るときに便利です。元データを残したまま結果を表示できるため、名簿、商品コード、部署名、担当者名などの整理に向いています。
使うときは、空白、表記ゆれ、並び順、複数列の扱いを確認します。FILTERやSORTと組み合わせると、用途に合う一覧を作りやすくなります。元データを消さずに重複を整理したい場面では、UNIQUE関数をまず試すと作業の見通しが立てやすくなります。