今回は、Wordのハイパーリンクを使って、文書内外の参照先へ移動しやすくする方法を紹介します。
ハイパーリンクを入れる目的を決める
Wordのハイパーリンクは、URLを青い文字にするだけの機能ではありません。文書内の見出し、別ファイル、共有フォルダ、メールアドレス、Webページなどへ読み手を案内するために使えます。社内マニュアル、議事録、提案書、手順書では、関連資料や参照ページへすぐ移動できるようにしておくと、文書の使いやすさが上がります。
ただし、リンクを増やしすぎると、本文のどこを読めばよいか分かりにくくなります。リンクを入れる前に、その参照先が本文理解に必要なのか、補足としてあればよいのかを分けて考えます。本文の流れを止めずに補足へ誘導する使い方が、Word文書では扱いやすい形です。
ハイパーリンクを入れる場面は、次のように整理できます。
- 関連する社内規程や申請書へ案内する
- 文書内の別章や付録へ移動できるようにする
- 共有フォルダ内の資料を参照させる
- 問い合わせ用のメール作成を開きやすくする
リンクは読み手の移動を助けるための案内です。入れれば便利になるとは限らないため、参照先の役割を決めてから設定すると文書が散らかりません。
表示文字列はリンク先の内容が分かる言葉にする
WordではURLをそのまま貼り付けるだけでもリンクになりますが、長いURLが本文に残ると読みづらくなります。資料として配布する文書では、リンクの表示文字列を「申請書テンプレート」「操作手順の付録」「問い合わせ先」など、内容が分かる言葉に変えると読みやすくなります。
表示文字列を整えるには、リンクを設定する文字列を選択し、ハイパーリンクの挿入画面で参照先を指定します。すでにURLが貼られている場合でも、表示文字列だけを編集できます。読み手は表示文字列を見てリンク先を判断するため、曖昧な表現は避けます。
表示文字列を作るときのポイントは次の通りです。
- 「こちら」「ここ」だけにしない
- リンク先の資料名やページ内容を入れる
- 同じリンク先には同じ表現を使う
- リンク先が外部サイトの場合は、そのことが分かる表現にする
たとえば、「こちらを参照」よりも「経費申請の入力例を参照」の方が、リンク先の目的が伝わります。文書を印刷する可能性がある場合は、リンクだけに頼らず、必要に応じて資料名や保存場所も本文に添えておくと扱いやすくなります。
文書内リンクには見出しとブックマークを使う
長いWord文書では、同じ文書内の別の場所へ移動するリンクが役立ちます。たとえば、冒頭のチェックリストから詳細説明へ移動する、本文から付録へ移動する、用語一覧から関連章へ移動する、といった使い方です。
文書内リンクを作る方法には、見出しへリンクする方法とブックマークへリンクする方法があります。見出しスタイルを使っている場合は、リンク先として見出しを選びやすくなります。特定の文章や表へ移動させたい場合は、ブックマークを設定しておくと便利です。
文書内リンクを安定させるには、次の点を意識します。
- リンク先に見出しスタイルを設定する
- 短い範囲に移動させたい場合はブックマークを使う
- 見出し名を変更した後はリンク先を確認する
- 削除したブックマークへのリンクが残っていないか確認する
見出しを使ったリンクは、文書構成が整理されているほど扱いやすくなります。文書内リンクを多く使う場合は、先に見出し構成を整えてからリンクを設定すると、後の修正が楽になります。
共有ファイルへのリンクは保存場所に注意する
社内でWord文書を共有する場合、別ファイルへのリンクを入れることがあります。このとき注意したいのが、リンク先の保存場所です。自分のPC上のローカルフォルダにあるファイルへリンクすると、他の人が開いたときに参照できないことがあります。
共有前提の文書では、共有フォルダ、SharePoint、OneDriveなど、読み手がアクセスできる場所のリンクを使います。また、リンク先ファイルの名前や場所が変わるとリンク切れが起きます。リンク先の運用も含めて決めておくことが大切です。
共有ファイルへのリンクを設定するときは、次の項目を確認します。
- 読み手にリンク先の閲覧権限があるか
- 個人フォルダではなく共有場所を参照しているか
- ファイル名が後で変わりにくいか
- リンク先が更新される資料なのか、確定版なのか
リンクは設定した時点だけでなく、配布後に開けるかが重要です。提出資料や手順書では、別の環境でも開けるかを確認してから配布すると、問い合わせを減らしやすくなります。
リンクの自動設定を必要に応じて調整する
Wordでは、URLやメールアドレスを入力すると自動でハイパーリンクになることがあります。すばやく作成したいときは便利ですが、印刷用の文書や正式な提出資料では、不要なリンクが残ることもあります。リンクが必要な箇所だけに残すと、文書の見た目が整います。
不要なリンクは、右クリックから削除できます。文字列は残したままリンクだけを外せるため、本文を作り直す必要はありません。複数のリンクをまとめて削除したい場合は、文書全体を選択してショートカット操作を使う方法もありますが、必要なリンクまで消えないように確認しながら行います。
自動リンクで気を付けたい点は次の通りです。
- 本文中のメールアドレスが意図せずリンクになっていないか
- URLが長く表示されて紙面を圧迫していないか
- リンクの青色や下線が文書の雰囲気に合っているか
- 削除してよいリンクと残すリンクを分けているか
リンクの書式は、文書の種類によって調整します。画面で読む資料ならリンクらしさを残す方が便利です。印刷中心の資料なら、必要に応じて表示文字列を整え、リンク先情報を補足として書くと親切です。
配布前にリンク切れと移動先を確認する
ハイパーリンクを使ったWord文書は、配布前の確認が欠かせません。本文の誤字を確認しても、リンク先が古い、権限がない、想定外のページへ移動する、といった状態では読み手が困ります。リンクが多い文書ほど、確認項目を決めておくと漏れを防ぎやすくなります。
確認するときは、リンクをクリックして移動先を開くだけでなく、読み手の立場で必要な情報にたどり着けるかを見ます。社内限定の資料なら、権限のない人に送っていないかも確認します。外部へ提出する文書では、社内向けリンクが残っていないかも注意します。
配布前のチェック項目は次の通りです。
- リンク先が現在使う資料になっているか
- 文書内リンクが正しい見出しやブックマークへ移動するか
- 共有ファイルの閲覧権限が設定されているか
- 外部提出時に不要な社内リンクが残っていないか
リンクが多い場合は、最後にリンク一覧を作る考え方もあります。本文中では自然な表示文字列にし、末尾に関連資料として並べておくと、後から参照しやすくなります。
まとめ
Wordのハイパーリンクは、参照先へ読み手を案内するための便利な機能です。表示文字列を整え、文書内リンクには見出しやブックマークを使い、共有ファイルへのリンクでは保存場所と権限を確認します。
自動で作られたリンクは必要に応じて整理し、配布前にはリンク切れや移動先を確認します。ハイパーリンクは、本文の読みやすさと参照先の確実さを合わせて管理することが大切です。適切に使うことで、Word文書を読む人が関連情報へ移動しやすくなります。