PowerPointの3Dモデルは、写真や図形だけでは伝えにくい形や角度を見せたいときに使える挿入機能です。Microsoft 365のWindowsデスクトップ版では、手元の3Dファイルやオンラインの3Dモデルをスライドに入れ、向き、サイズ、表示範囲を調整できます。通常の画像と同じように配置しながら、立体物ならではの角度調整もできるため、製品の形、部品の位置、空間的な関係を説明したい資料に向いています。
3Dモデルでできることと対象環境
PowerPointでは、スライドに3Dモデルを挿入し、ドラッグ操作で回転、傾き、サイズ変更を行えます。挿入した3Dモデルを選択すると、リボンに3Dモデル用の書式タブが表示され、あらかじめ用意された表示角度、配置、パンとズームなどを使って見え方を整えられます。
この記事では、Microsoft 365のWindowsデスクトップ版PowerPointを主な対象にします。PowerPoint 2024、2021、2019、2016などでも3Dモデルに対応する環境がありますが、表示される項目名やオンライン素材の扱いはバージョン、更新状態、サインイン状態によって変わることがあります。PowerPoint for the webでは、デスクトップ版で入れた3Dグラフィックをスライドショーで再生できる場合がありますが、Web版だけで同じ挿入操作ができるとは限りません。
挿入前に準備しておくこと
作業前に、プレゼンテーションを保存しておきます。3Dモデルは画像よりファイルサイズが大きくなることがあり、複数入れると資料の保存や共有に時間がかかる場合があります。元の資料を残したいときは、ファイルを複製してから試すと戻しやすくなります。
手元のファイルから挿入する場合は、使う3Dファイルの場所を確認しておきます。オンラインの3Dモデルを使う場合は、PowerPoint上で検索や選択を行います。学校や職場などの環境では、オンライン素材や接続先が管理設定で制限されることもあります。その場合は、手元のファイルを使うか、利用できる素材の範囲を確認してください。
手元の3Dファイルをスライドに挿入する
ローカルに保存してある3Dモデルを使う場合は、次の手順で挿入します。
- 3Dモデルを入れたいスライドを開きます。
- リボンの挿入タブを選びます。
- 3Dモデルを選び、ファイルからを選びます。
- 使いたい3Dファイルを選択し、挿入します。
- スライド上に表示された3Dモデルの位置と大きさを調整します。
挿入直後は、3Dモデルがスライドの中央付近に配置されます。大きすぎる場合は、四隅や辺のハンドルをドラッグして縮小します。通常の画像と同じ感覚で動かせますが、3Dモデルは向きによって見え方が大きく変わるため、サイズを決める前に大まかな角度も確認しておくと調整しやすくなります。
オンラインの3Dモデルを挿入する
オンラインの素材を使える環境では、PowerPoint内から3Dモデルを探して挿入できます。リボンの挿入タブで3Dモデルを選び、オンラインソースやストック3Dモデルに相当する項目を選びます。表示された画面でカテゴリを開くかキーワードで探し、使うモデルを選んで挿入します。
オンライン素材は、一覧に表示されるカテゴリや検索結果が更新されることがあります。資料のテーマに合う素材を選ぶだけでなく、スライド上で小さく表示しても形が分かるか、背景や文字を邪魔しないかも確認しましょう。細部が多いモデルは、縮小すると何を示しているのか分かりにくくなることがあります。
3Dモデルの向きとサイズを調整する
3Dモデルを選択すると、モデルの中央付近に3D用の回転コントロールが表示されます。そこをドラッグすると、モデルを上下左右に回転させたり傾けたりできます。通常の回転ハンドルでも向きは変えられますが、立体として見せる角度を作るには3D用のコントロールを使うと調整しやすくなります。
スライド上の大きさは、周囲のハンドルをドラッグして変更します。文字や他の図形と一緒に使う場合は、最初にモデルを大きめに表示して角度を決め、その後でスライド全体のバランスに合わせて縮小すると、伝えたい面を残しやすくなります。
3Dモデルタブで見え方を整える
3Dモデルを選択すると、リボンに3Dモデル用の書式タブが表示されます。ここでは、あらかじめ用意された表示角度を選ぶ3Dモデルビュー、スライド上の配置、選択ウィンドウ、パンとズームなどを利用できます。
3Dモデルビューは、正面、上から見た角度、斜め方向などの候補をすばやく試したいときに便利です。手動で細かく回転する前にビューを選ぶと、目的に近い角度から調整を始められます。複数のモデルや図形が重なって選びにくいときは、選択ウィンドウを開くと、スライド上のオブジェクトを一覧から選べます。
パンとズームは、3Dモデルの枠の中で見せる位置や拡大率を調整する機能です。モデル全体ではなく一部を強調したいとき、またはフレーム内で少し位置をずらしたいときに使います。拡大しすぎると全体像が分かりにくくなるため、説明したい部位と全体の関係が残る範囲にとどめると読み取りやすくなります。
資料として見やすくするコツ
3Dモデルは目を引きますが、スライドの主役が常にモデルであるとは限りません。説明文、矢印、見出しと組み合わせる場合は、モデルの向きだけでなく余白も確認します。モデルが文字に近すぎると、立体感のある影や細部が文字の読みやすさを下げることがあります。
資料を配布する予定がある場合は、保存後にファイルサイズも確認します。大きくなりすぎると、メール添付やオンライン共有で扱いづらくなることがあります。必要以上に多くの3Dモデルを入れず、同じ説明を画像や図形で十分に伝えられる箇所は使い分けると、資料全体が軽くなります。
うまく表示されないときの確認点
3Dモデルのボタンが見つからない場合は、PowerPointのバージョン、更新状態、利用している環境を確認します。Web版、古いバージョン、管理された端末では、表示されるメニューや使える素材が異なることがあります。オンライン素材が表示されない場合は、ネットワーク接続やサインイン状態、組織の制限も確認対象です。
挿入したモデルが見づらいときは、モデルを選択して別の3Dモデルビューを試します。正面からでは分かりにくい形でも、少し斜めにすると奥行きが伝わりやすくなることがあります。反対に、説明したい面が決まっている場合は、角度を付けすぎず、見る人が迷わない向きにそろえることが大切です。
PowerPointの3Dモデルは、挿入するだけで資料を派手にする機能ではなく、立体的な対象を分かりやすく見せるための機能です。挿入、角度調整、パンとズーム、配置を順に確認すれば、スライド上で必要な部分を無理なく見せられます。