今回は、Wordのラベル機能を使って、同じ内容のラベルをシート1枚分まとめて作成し、印刷するまでの手順とコツを紹介します。
差出人の住所ラベル、書類ファイルの背表紙用ラベル、備品に貼る管理ラベルなど、同じ文字を何枚も並べたい場面は意外と多いものです。表を自分で作ってコピーを繰り返す方法もありますが、Wordの[差し込み文書]タブ(メーリング)の[ラベル]を使うと、市販のラベル用紙に合わせた配置を自動で用意できます。
この記事は、Windows版のWord(Microsoft 365、および買い切り版のWord 2021など)のデスクトップアプリを前提に説明します。Mac版にも同じ考え方の機能がありますが、ダイアログの項目名や配置が一部異なります。また、Web版のWordではラベルを直接作成する機能は用意されておらず、ラベル用テンプレートから作る方法になります。違いについては後半で触れます。
Wordのラベル機能でできること
同じ内容のラベルをシート全体に並べる
Wordのラベル機能は、宛先欄に入力した文字列を、選んだラベル用紙の区画すべてに配置してくれる仕組みです。ラベル用紙の区画の大きさや余白は、製品ごとに登録された情報をもとに設定されるため、自分で表のサイズを測って調整する必要がありません。
主な使い道は次のとおりです。
- 差出人の住所・氏名ラベルを1シート分作る
- ファイルやボックスに貼る分類ラベルを作る
- イベントで使う同じ文言の案内シールを作る
- 備品や資料に貼る「持ち出し禁止」などの注意ラベルを作る
1枚だけ印刷する使い方もある
ラベル機能には、シート全体ではなく1か所だけ印刷する「単一ラベル」という選択肢もあります。途中まで使ったラベル用紙の残りを活用したいときに役立ちます。
宛先ごとに内容が違う場合は別の方法を選ぶ
1枚のシートに異なる宛名を並べたい場合は、今回紹介する「同じ内容のラベル」とは手順が変わります。ラベル用紙に合わせた表だけを新しい文書として作り、各区画に個別に入力する方法や、Excelなどの名簿と組み合わせる差し込み印刷の方法を使います。今回は、同じ内容を並べるケースに絞って説明します。
同じ内容のラベルを作成する基本手順
手順1:ラベル用紙の製品を選ぶ
最初に、手元のラベル用紙に合った設定を選びます。ここが合っていないと、印刷位置がずれる原因になります。
- Wordで新しい文書を開き、[差し込み文書]タブの[ラベル]をクリックします。
- [宛名ラベル作成]ダイアログが開いたら、[オプション]をクリックします。
- 使っているプリンターの種類を選び、ラベルの製造元と製品番号を選択します。
- [OK]をクリックして元のダイアログに戻ります。
製品番号はラベル用紙のパッケージに書かれていることが多いので、作業を始める前に確認しておくとスムーズです。
手順2:ラベルに載せる文字を入力する
- [宛先]の入力欄に、ラベルに印刷したい文字を入力します。住所なら複数行に分けて入力できます。
- 文字の大きさや配置を変えたいときは、入力欄の文字を選択して右クリックし、[フォント]や[段落]から設定します。
この入力欄は文字列のみを扱う欄です。ロゴなどの画像を入れたい場合は、後で紹介する「新規文書に書き出してから編集する」方法を使います。
手順3:印刷範囲を選んで出力する
- [印刷]の項目で、同じラベルを1ページ分(シート全体に)印刷する設定を選びます。
- すぐに印刷する場合は[印刷]を、内容を確認・保存してから印刷したい場合は[新規文書]をクリックします。
[新規文書]を選ぶと、ラベル用紙の区画に合わせた表の中に、入力した文字が並んだ文書が作られます。この文書は通常のWord文書として保存できるので、次回以降も同じラベルをすぐ印刷できます。
1枚だけ印刷する「単一ラベル」の使い方
使いかけのラベル用紙で、空いている位置に1枚だけ印刷したいときは、次のように設定します。
- [差し込み文書]タブの[ラベル]を開き、宛先に文字を入力します。
- [印刷]の項目で[単一ラベル]を選びます。
- 印刷したい区画の行と列の番号を指定します。
- [印刷]をクリックします。
行と列は、ラベル用紙の左上を1行目・1列目として数えます。使用済みの区画を数え間違えないよう、用紙を手元に置いて確認しながら指定すると安心です。
ラベル作成をスムーズに進めるコツ
製品番号が見つからないときは「新しいラベル」で寸法を登録する
手元のラベル用紙が一覧にない場合は、[オプション]の画面で[新しいラベル]を選び、ラベルの大きさや余白、縦横の枚数などを自分で設定できます。用紙のパッケージに記載された寸法を見ながら入力し、わかりやすい名前を付けて保存しておくと、次回から一覧で選べるようになります。
本番の前に普通紙で試し刷りする
ラベル用紙はやり直しがききにくいため、まず普通紙に印刷し、ラベル用紙と重ねて位置を確認するのが基本です。窓や照明に透かして重ねると、文字が区画の中に収まっているかを確かめやすくなります。ずれがある場合は、製品番号の選択が合っているか、プリンターの用紙サイズ設定が正しいかを見直します。
「新規文書」に書き出してから仕上げる
ラベルに画像を加えたい、一部の区画だけ文字を変えたいといった場合は、[新規文書]で書き出してから編集するのが便利です。書き出した文書はラベルの区画が表として作られているため、各セルの中で通常の文書と同じように文字の装飾や画像の挿入ができます。
- 1つの区画を仕上げてから、その内容をコピーして他の区画に貼り付けると効率的です。
- 区画の境界が見えないときは、表のグリッド線を表示すると編集しやすくなります。グリッド線は画面上の目安で、印刷はされません。
- 完成した文書に「差出人ラベル」などの名前を付けて保存しておけば、次からは開いて印刷するだけで済みます。
文字はラベルの端に寄せすぎない
プリンターによっては、わずかな印刷位置のずれが出ることがあります。文字をラベルの端ぎりぎりまで配置すると切れて見えることがあるため、中央揃えにして周囲に少し余白を残すと仕上がりが安定します。フォントサイズを決めるときも、試し刷りで読みやすさを確認しておくと失敗が減ります。
宛名ごとに内容を変えたいときの考え方
同じ内容ではなく、1枚ずつ違う名前や住所を並べたいときは、ラベルダイアログで文字を入力せずに[新規文書]をクリックすると、空のラベル用の表が作られます。各区画に個別に入力していけば、異なる内容のラベルシートになります。宛先が多い場合は、名簿データと組み合わせる差し込み印刷の機能も選択肢になります。
環境による違い
- Windows版Word:本記事の手順で、[差し込み文書]タブの[ラベル]から作成できます。
- Mac版Word:同じく差し込み文書関連のタブにある[ラベル]から作成できますが、オプション画面の項目名や配置に違いがあります。
- Web版Word:ラベルを直接作る機能はありません。新しい文書を作るときにラベル用のテンプレートを選び、1つのラベルに入力したら残りの区画にコピーして貼り付ける形で作成します。
まとめ
Wordのラベル機能を使うと、ラベル用紙の製品番号を選んで文字を入力するだけで、同じ内容のラベルをシート1枚分まとめて作成できます。ポイントを振り返ります。
- [差し込み文書]タブの[ラベル]から、[オプション]でラベルの製造元と製品番号を選ぶ
- 宛先欄に文字を入力し、シート全体に印刷する設定を選ぶ
- 使いかけの用紙には[単一ラベル]で行と列を指定して1枚だけ印刷する
- 一覧にない用紙は[新しいラベル]で寸法を登録する
- 本番前に普通紙で試し刷りをして位置を確認する
- 画像を入れたいときは[新規文書]で書き出してから編集し、保存して使い回す
一度作ったラベル文書を保存しておけば、次からは開いて印刷するだけで済みます。よく使うラベルから少しずつ用意しておくと、日々の作業の手間を減らせます。