今回は、マイクロソフト ワード(Microsoft Word)の基本的な使い方から便利な機能までを紹介します。
文書作成ソフトの代表格であるWordは、ビジネスや学校、日常生活でも幅広く活用されています。
Microsoft Wordとは
Microsoft Wordは、Microsoft社が提供する文書作成ソフトウェアです。Microsoft Office製品群の一部として、あるいはMicrosoft 365サブスクリプションの一部として利用できます。文書の作成、編集、保存、印刷などの基本機能に加え、表の挿入、画像の配置、スタイルの適用など多彩な編集機能を備えています。
Wordは、レポート作成やビジネス文書、履歴書など、さまざまな種類の文書を効率的に作成できる点が大きな特徴です。テンプレートも豊富に用意されているため、初めての方でも美しい文書を作成することができます。
Wordの基本操作
新規文書の作成
Wordを起動すると、スタート画面が表示されます。ここで「新しい空白の文書」を選択すると、新規文書を作成できます。また、あらかじめ用意されたテンプレートから選ぶこともできます。
文書の編集と保存
文書の編集は直感的に行えます。入力したいところをクリックしてテキストを入力するだけです。編集が完了したら、「ファイル」タブをクリックし、「名前を付けて保存」を選択します。保存先とファイル名を指定して「保存」ボタンをクリックすれば文書が保存されます。
Wordでは、ファイル形式として主に以下のものが使用されます:
- .docx:標準的なWord文書形式
- .doc:古いバージョンのWord形式
- .pdf:閲覧専用のPDF形式(編集不可)
文字書式の設定
文字の大きさや色、スタイルなどの書式は、「ホーム」タブから設定できます。変更したい文字列を選択した状態で、フォント、サイズ、太字、斜体、下線などのボタンをクリックして設定します。
便利な編集機能
段落と箇条書き
「ホーム」タブの「段落」グループにあるボタンを使用すると、左揃え、中央揃え、右揃え、両端揃えなどの配置を設定できます。また、箇条書きや番号付きリストも簡単に作成できます。
表の挿入と編集
「挿入」タブの「表」ボタンをクリックすると、行と列の数を指定して表を挿入できます。表を選択すると「テーブルツール」という追加タブが表示され、表のデザインやレイアウトを詳細に設定できます。
画像と図形の挿入
「挿入」タブから「画像」を選択すると、コンピュータに保存されている画像を文書に挿入できます。また、「図形」を選択すると、矢印や図形などを挿入することも可能です。
文書の校正機能
Wordには優れた校正機能が搭載されています。入力中にスペルミスや文法の誤りがあると、赤や青の波線で指摘されます。波線の部分を右クリックすると修正候補が表示されるので、適切なものを選択して修正できます。
「校閲」タブからは、より詳細なスペルチェックや文法チェックを実行できます。また、類義語辞典も利用できるため、より適切な表現を探すのに役立ちます。
スタイルとテンプレート
スタイルの活用
「ホーム」タブの「スタイル」グループには、あらかじめ定義されたスタイルが表示されています。「見出し1」、「見出し2」などのスタイルを適用することで、文書全体の一貫性を保ちながら効率的に書式を設定できます。
スタイルを使うことで、目次の自動生成も可能になります。長い文書を作成する場合には特に便利な機能です。見出しスタイルを適用した文章は、後で自動的に目次に反映されます。
目次の自動生成
見出しスタイルを適用した文書に目次を挿入するには、「参考資料」タブから「目次」を選択し、「自動作成の目次1」または「自動作成の目次2」をクリックします。Wordは自動的に見出しを検出し、ページ番号と共に目次を生成します。文書を更新した場合は、目次を右クリックして「目次の更新」を選択することで、最新の情報に更新できます。
テンプレートの利用
Wordには多数のテンプレートが用意されており、履歴書、ビジネスレター、レポートなど、用途に応じたテンプレートを選択できます。Wordの起動時に表示されるスタート画面から、テンプレートを検索して利用することができます。
共同編集と共有機能
Microsoft 365を利用している場合、OneDriveに保存した文書をリアルタイムで共同編集することが可能です。複数のユーザーが同時に同じ文書を編集でき、変更内容はリアルタイムで反映されます。
共同編集を行うには、まず文書をOneDriveに保存する必要があります。文書を開いた状態で画面右上の「共有」ボタンをクリックし、共有したい相手のメールアドレスを入力して送信します。共有された相手は、受け取ったリンクからブラウザやWord アプリで文書にアクセスし、編集することができます。
権限設定では、閲覧のみ許可するか、編集も許可するかなど、アクセス権を細かく設定することも可能です。また、共有した文書内でコメントを追加することもでき、文書内でのコミュニケーションを円滑に行えます。
高度な機能
差し込み印刷
「差し込み印刷」機能を使うと、テンプレートとデータソース(Excelのデータなど)を組み合わせて、宛名ラベルや招待状などを一括で作成できます。「差し込み文書」タブから設定できます。
差し込み印刷の基本的な手順は以下の通りです:
- 「差し込み文書」タブから文書の種類(手紙、ラベルなど)を選択
- 「宛先の選択」から既存のデータソース(Excelファイルなど)を指定
- 「差し込みフィールドの挿入」で文書内に名前や住所などのフィールドを配置
- 「完了と差し込み」で個別の文書を生成または印刷
ページ設定と印刷
「レイアウト」タブでは、余白、用紙サイズ、印刷の向きなどを設定できます。「ファイル」タブの「印刷」からは、印刷プレビューを確認しながら印刷設定を行えます。
セクションとページ番号
文書を複数のセクションに分割することで、各セクションごとに異なるページ設定(縦向き/横向きなど)を適用できます。「挿入」タブの「ページ番号」からは、様々なスタイルのページ番号を挿入できます。
まとめ
マイクロソフト ワード(Microsoft Word)は、単なる文書作成ツールにとどまらず、多彩な機能を備えた総合的な文書処理ソフトウェアです。基本的な文字入力から始まり、書式設定、表や画像の挿入、校正機能、共同編集など、様々な場面で活用できます。