【Excel】セルにコメントやメモを付ける方法と使い分け

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Excel(エクセル)でデータを管理する際、セル内の数値や文字列だけでは伝えきれない補足情報を残しておきたい場合があります。そのようなときに役立つのが、セルに注釈を付ける機能です。Excelには現在、「コメント」と「メモ」という2種類の注釈機能が存在します。これらは以前は混同されがちでしたが、現在のExcel(Microsoft 365など)では明確に役割が分かれています。

今回は、Excelのセルにコメントやメモを付ける基本的な操作手順から、それぞれの違い、編集・削除、表示設定、印刷方法について解説します。用途に合わせてこれらを使い分けることで、シートの可読性を高め、チームでの共同作業を円滑に進めることができます。

「コメント」と「メモ」の違いとは

操作説明に入る前に、現在のExcelにおける「コメント」と「メモ」の違いを解説します。以前のバージョンのExcelで「コメント」と呼ばれていた機能は、現在「メモ」という名称に変更されています。

コメント(スレッド形式)

現在の「コメント」は、他者との会話(ディスカッション)を行うための機能です。

  • スレッド形式で返信が可能で、誰がいつ何を書き込んだかが記録されます。
  • 「@メンション」機能を使用して、特定のユーザーに通知を送ることができます。
  • 解決した項目は「解決済み」としてマークして、非表示にすることができます。
  • 共同編集を行う場合に役立ちます。

メモ(従来のコメント)

「メモ」は、自分用の備忘録や、データに対する単純な注釈を残すための機能です。

  • 従来のExcelの「コメント」と同じ機能です(黄色い付箋のような見た目)。
  • 返信機能はなく、単にテキストを表示します。
  • 個人で作業する場合や、単に補足説明を記載したい場合に適しています。

セルにコメント(スレッド形式)を付ける方法

まずは、他のユーザーとやり取りをするための「コメント」を挿入する手順です。

右クリックメニューから挿入する

  1. コメントを挿入したいセルを選択し、右クリックします。
  2. 表示されたコンテキストメニューから[新しいコメント]を選択します。
  3. 入力ボックスが表示されるので、内容を入力します。
  4. 入力が完了したら、紙飛行機のアイコン(投稿ボタン)をクリックするか、Ctrl + Enter キーを押して投稿します。

リボンから挿入する

  1. コメントを挿入したいセルを選択します。
  2. 画面上部のリボンにある[校閲]タブをクリックします。
  3. [コメント]グループにある[新しいコメント]をクリックします。
  4. 同様に内容を入力し、投稿します。

コメントが挿入されたセルの右上には、紫色のインジケーターが表示されます。セルにマウスカーソルを合わせると、コメントの内容が表示されます。

セルにメモ(従来のコメント)を付ける方法

次に、単純な注釈としての「メモ」を挿入する手順です。

右クリックメニューから挿入する

  1. メモを挿入したいセルを選択し、右クリックします。
  2. 表示されたコンテキストメニューから[新しいメモ]を選択します。
  3. 黄色いボックスが表示されるので、内容を入力します。
  4. 入力が終わったら、ボックス以外の場所をクリックして確定します。

リボンから挿入する

  1. メモを挿入したいセルを選択します。
  2. リボンの[校閲]タブをクリックします。
  3. [メモ]グループにある[メモ]ボタンをクリックし、展開されたメニューから[新しいメモ]を選択します。
  4. 内容を入力し、他の場所をクリックして確定します。

メモが挿入されたセルの右上には、赤い三角形のインジケーターが表示されます。セルにマウスカーソルを合わせると、メモの内容がポップアップ表示されます。

コメントやメモを編集・削除する

一度作成したコメントやメモは、後から簡単に修正したり削除したりすることができます。

コメントの編集と削除

編集する場合:

  1. コメントが付いているセルにカーソルを合わせるか、クリックします。
  2. 表示されたコメントの右下にある[編集]ボタンをクリックします。
  3. 内容を修正し、[保存]をクリックします。

削除する場合:

  1. セルを右クリックし、メニューから[コメントの削除]を選択します。
  2. または、コメントのスレッド上で「…(その他の操作)」アイコンをクリックし、[スレッドを削除]を選択します。

メモの編集と削除

編集する場合:

  1. メモが付いているセルを右クリックします。
  2. メニューから[メモの編集]を選択します。
  3. ボックス内のテキストを修正します。

削除する場合:

  1. セルを右クリックし、メニューから[メモの削除]を選択します。

コメントやメモの表示・非表示を切り替える

通常、コメントやメモはセルにカーソルを合わせたときだけ表示されますが、常に表示させておくこともできます。

コメントの表示設定

コメントは、画面右側の「コメントウィンドウ」で一覧表示させることができます。

  1. リボンの[校閲]タブをクリックします。
  2. [コメント]グループにある[コメントの表示]をクリックします。
  3. 画面右側にコメントの一覧が表示され、どのセルにどのような議論があるかを一目で確認できます。

メモの常時表示

メモは、個別に、あるいはすべてを常に表示状態にすることができます。

  • 個別に表示:セルを右クリックし、[メモの表示/非表示]を選択します。
  • すべて表示:リボンの[校閲]タブを開き、[メモ]グループの[メモ]をクリックして、[すべてのメモを表示]を選択します。

コメントやメモを印刷する

作成したコメントやメモを紙の資料にも反映させたい場合、印刷設定を変更する必要があります。デフォルトでは印刷されません。

  1. リボンの[ページレイアウト]タブをクリックします。
  2. [ページ設定]グループの右下にある小さな矢印(ダイアログ起動ツール)をクリックします。
  3. [ページ設定]ダイアログボックスが開くので、[シート]タブを選択します。
  4. 「コメントとメモ」のドロップダウンリストから、以下のいずれかを選択します。
    • シートの末尾:すべてのコメントとメモをリスト化して、別のページにまとめて印刷します。
    • 画面表示イメージ:(メモのみ)画面上でメモが表示されている状態そのままに印刷します。※事前に「メモを表示」の状態にしておく必要があります。
  5. [印刷プレビュー]ボタンをクリックして、どのように印刷されるかを確認します。

「画面表示イメージ」を選択する場合、コメント(スレッド形式)は印刷されず、メモのみが対象となる点に注意してください。コメントの内容を印刷したい場合は、「シートの末尾」を選択するのが一般的です。

まとめ

当記事では、Excelでセルにコメントやメモを付ける方法について解説しました。

  • コメント:他者との会話や議論に使用(紫色のインジケーター)
  • メモ:個人的な備忘録や単純な注釈に使用(赤いインジケーター)

この2つの違いを把握し、目的に応じて使い分けることで、Excelでの作業効率やチーム内のコミュニケーションを円滑にすることができます。ぜひ日々の業務で活用してみてください。