今回は、EXCEL(エクセル)で作成した資料を印刷する前に、印刷プレビュー機能を使って確認する方法を紹介します。
印刷プレビューを活用することで、用紙のムダを減らし、思い通りの印刷結果を得ることができます。
印刷設定の調整方法から実践的な活用テクニックまで解説します。
印刷プレビューとは
印刷プレビューとは、実際に印刷する前に、画面上で印刷結果がどのように表示されるかを確認できる機能です。Excelで作成した表やグラフを印刷する際、思ったように印刷されないことがよくあります。印刷プレビューを使えば、用紙サイズや向き、余白、ヘッダー・フッターなどの設定が適切かどうかを事前に確認できるため、印刷ミスによる紙の無駄遣いを防ぐことができます。
Excelで印刷プレビューを表示する方法
Excelで印刷プレビューを表示する方法はバージョンによって若干異なりますが、最新のExcel(Microsoft 365、Excel 2019、Excel 2021など)では、以下の手順で表示できます。
リボンから表示する方法
- プレビューしたいExcelファイルを開きます
- リボンの「ファイル」タブをクリックします
- 左側のメニューから「印刷」を選択します
- 右側に印刷プレビューと印刷設定が表示されます
ショートカットキーで表示する方法
キーボードからすばやく印刷プレビューを表示したい場合は、以下のショートカットキーが便利です。
- Ctrl + P:印刷ダイアログと印刷プレビューを同時に表示
- Ctrl + F2:印刷プレビューを表示(一部のバージョンでは機能しない場合があります)
これらの方法で、印刷プレビュー画面を開くことができます。プレビュー画面では、実際の印刷結果を確認しながら、必要に応じて印刷設定を調整できます。
印刷プレビュー画面の基本操作
印刷プレビュー画面では、以下の基本的な操作が可能です。
ページの移動
複数ページある場合、プレビュー画面下部にあるページ移動ボタンや、左右の矢印ボタンをクリックして前後のページを確認できます。また、特定のページに直接移動したい場合は、ページ番号を入力することもできます。
表示の拡大・縮小
プレビュー画面右下にある拡大・縮小ボタン(+/-)や、ズームスライダーを使って表示倍率を調整できます。全体のレイアウトを確認するには縮小表示、細部を確認するには拡大表示が便利です。
印刷設定の調整
印刷プレビュー画面の左側には、印刷に関する各種設定が表示されています。ここで設定を変更すると、右側のプレビュー画面にリアルタイムで反映されるため、設定変更の結果をすぐに確認できます。
印刷プレビューで確認すべきポイント
印刷プレビューでは、以下のポイントを特に注意深く確認するとよいでしょう。
1. 全体のレイアウト
データが用紙内に収まっているか、ページ分割位置は適切か、余白は十分かなど、全体のレイアウトを確認します。特に大きな表やグラフがある場合は、ページをまたいで分割されていないかチェックしましょう。
2. 印刷範囲
必要なデータだけが印刷範囲に含まれているか確認します。不要なセルが印刷範囲に含まれていたり、逆に必要なデータが印刷範囲から漏れていたりする場合は、印刷範囲を適切に設定し直す必要があります。
3. ヘッダーとフッター
ページ番号やファイル名、日付などのヘッダー・フッター情報が正しく表示されているか確認します。特にビジネス文書では、これらの情報が適切に設定されているかどうかが重要です。
4. フォントとカラー
使用しているフォントやカラーが印刷時に適切に表示されるか確認します。特にカラー印刷の場合、画面表示と印刷結果で色味が異なることがあるため注意が必要です。モノクロ印刷の場合は、色の違いが白黒でも識別できるかチェックしましょう。
印刷設定の調整方法
印刷プレビューで問題を発見した場合、以下の設定を調整して対応できます。
用紙サイズと向きの変更
印刷プレビュー画面の「設定」セクションにある「用紙サイズ」と「向き」のドロップダウンメニューから、適切な用紙サイズ(A4、B5、レターなど)と向き(縦または横)を選択できます。横に広がるデータの場合は、「横」を選択すると効果的です。
余白の調整
「余白」の設定から、上下左右の余白を調整できます。データが用紙からはみ出している場合は余白を狭く、逆に余白が足りない場合は広く設定します。「ユーザー設定の余白」を選択すると、より細かく調整可能です。
拡大縮小の設定
「拡大縮小」オプションを使用すると、データを特定の用紙サイズに合わせて自動的に拡大・縮小できます。「1ページに収める」を選択すると、データ全体が1ページに収まるように自動調整されます。
ページ設定ダイアログの活用
より詳細な設定が必要な場合は、「ページ設定」リンクをクリックしてページ設定ダイアログを開きます。ここでは、印刷タイトル(各ページに繰り返し表示する行や列)の設定や、グリッドラインの表示・非表示、白黒印刷の設定などが可能です。
便利な印刷テクニック
Excelの印刷機能をより効果的に活用するための便利なテクニックを紹介します。
特定の範囲だけを印刷する
ワークシート全体ではなく、特定の範囲だけを印刷したい場合は、以下の手順で設定します。
- 印刷したい範囲を選択します
- リボンの「ページレイアウト」タブをクリックします
- 「印刷範囲」ボタンをクリックし、「印刷範囲の設定」を選択します
- 印刷プレビューで範囲が正しく設定されているか確認します
表の見出しを各ページに表示する
複数ページにわたる大きな表を印刷する場合、各ページに表の見出し行や見出し列を繰り返し表示させると、データの参照が容易になります。
- 「ページレイアウト」タブの「ページ設定」グループにある「印刷タイトル」をクリックします
- 「印刷タイトル」ダイアログの「繰り返し印刷する行」や「繰り返し印刷する列」に、見出しの行番号や列番号を指定します
- 印刷プレビューで、各ページに見出しが表示されることを確認します
印刷の向きをシート単位で設定する
1つのブック内に複数のシートがある場合、シートごとに最適な印刷の向きを設定できます。
- 印刷設定を変更したいシートを選択します
- 印刷プレビュー画面で「向き」を選択し、そのシートに適した向き(縦または横)を設定します
- 他のシートも同様に設定します
この設定は各シートに個別に保存されるため、ブックを開くたびに設定し直す必要はありません。
印刷プレビューを活用した印刷の最適化
印刷プレビューを効果的に活用することで、より質の高い印刷結果を得ることができます。
レイアウトの最適化
印刷プレビューでレイアウトを確認し、必要に応じてセルの幅や高さを調整します。重要なデータがページをまたいで分割されないように注意しましょう。また、ページ分割プレビューを表示するには、「表示」タブの「ページレイアウト」ビューに切り替えると、ページの区切り位置が点線で表示されます。
印刷品質の調整
印刷プレビュー画面の「ページ設定」ダイアログで「シート」タブを選択すると、印刷品質を調整できます。グラフや画像が多い場合は高品質に、テキストデータが中心の場合は標準品質に設定するなど、内容に応じて最適な印刷品質を選択しましょう。
印刷コストの削減
印刷プレビューを活用することで、印刷コストを削減できます。不要なセルを印刷範囲から除外したり、複数ページに分散するデータを1ページに収めたりすることで、用紙の使用量を減らせます。また、モノクロ印刷設定を活用することで、カラーインクやトナーの使用量も抑えられます。
まとめ
Excelの印刷プレビュー機能は、印刷結果を事前に確認し、必要に応じて設定を調整できる便利な機能です。この機能を活用することで、以下のメリットが得られます。
- 印刷ミスによる用紙やインク・トナーの無駄遣いを防止できる
- データが見やすく、読みやすい印刷レイアウトを実現できる
- 複数ページにわたる大きな表やグラフも、適切に印刷できる
- ヘッダーやフッター、見出しの繰り返しなど、細かい設定も確認できる
日常的にExcelで資料を作成し印刷するユーザーにとって、印刷プレビューは重要な機能です。
印刷前に一度プレビューで確認する習慣をつけることで、業務効率の向上とコスト削減につながります。