今回は、携帯(スマートフォン)でEXCEL(エクセル)を活用する方法を紹介します。
パソコンで使うイメージが強いエクセルですが、スマートフォンでも実用的に活用できるツールです。
外出先でデータの確認や編集が必要になった時、パソコンを開かなくても、手元のスマホでスムーズに作業できれば業務効率が向上します。
本記事では、スマホ版エクセルのインストール方法から基本操作、データ入力・編集のコツまで、解説します。
スマホ版エクセルとは?主な特徴と利用メリット
スマホ版エクセルとは、マイクロソフト社が提供する表計算ソフトをモバイルデバイスで利用できるようにしたアプリケーションです。パソコン版と比べると一部機能に制限はありますが、基本的な表計算機能や編集機能が搭載されています。
スマホ版エクセルの主な特徴
- 基本的なデータ入力・編集機能を搭載
- パソコン版で作成したファイルの閲覧・編集が可能
- クラウドサービス(OneDrive)との連携で、どこからでもファイルにアクセス可能
- 無料版と有料版(Microsoft 365サブスクリプション)が存在
- スマホの小さな画面でも操作しやすいよう最適化されたインターフェース
- 2025年版ではCopilot AIによる操作支援機能を搭載(有料版)
スマホでエクセルを使うメリット
スマホでエクセルを使用することには、以下のようなメリットがあります:
- 移動中や外出先でもデータの確認・編集が可能
- パソコンを持ち運ぶ必要がなく、手軽に作業できる
- 急な資料確認の依頼にもすぐに対応できる
- メールで受け取ったエクセルファイルをその場で確認できる
- スマホ特有の機能(カメラを使った書類のPDF変換など)が利用できる
スマホにエクセルをインストールする方法
スマホでエクセルを使うには、まずアプリのインストールが必要です。OSによってインストール方法が若干異なりますので、それぞれ解説します。
Android端末の場合
- Google Playストアを開きます
- 検索バーで「Microsoft Excel」と入力して検索
- 検索結果から「Microsoft Excel」アプリを選択
- 「インストール」ボタンをタップしてダウンロードを開始
- ダウンロードが完了すると自動的にインストールされます
iPhone/iPad(iOS)の場合
- App Storeを開きます
- 検索バーで「Microsoft Excel」と入力して検索
- 検索結果から「Microsoft Excel」アプリを選択
- 「入手」ボタンをタップしてダウンロードを開始
- Face IDまたはApple IDパスワードを入力して認証
- ダウンロードが完了すると自動的にインストールされます
Microsoft 365統合アプリのインストール
エクセル単体ではなく、「Microsoft 365」アプリをインストールすることもできます。これは、エクセル、ワード、パワーポイントなどのOfficeアプリを一つにまとめたものです。複数のOfficeアプリを使う予定がある場合は、このアプリをインストールするとアプリの切り替えがスムーズになります。
無料版と有料版の違い
スマホ版エクセルには、無料版と有料版(Microsoft 365サブスクリプション)があります。用途に応じて選択しましょう。
無料版でできること
無料版でも基本的な機能はほとんど使えます:
- ファイルの閲覧・作成・編集
- 数式や基本的な関数の利用
- 並び替えやフィルター機能
- フォント設定や塗りつぶし
- 基本的な図形やグラフの挿入
- ファイルの共有
有料版(Microsoft 365)の追加機能
有料版では以下のような高度な機能が追加されます:
- Copilot AIによる操作支援(2025年の主要アップデート)
- マクロの実行
- ピボットテーブルの新規追加
- タイムラインの挿入
- カスタムスタイルの追加
- データ入力ルールの追加
- 条件付き書式の追加
- 外部データファイルの追加
- 大画面タブレット(10.1インチ超)での編集機能
Microsoft 365のサブスクリプションは、個人向けプラン「Microsoft 365 Personal」が月額2,130円(年額払いの場合は21,300円)からとなっています(2025年8月現在)。業務で頻繁に使用する場合は、有料版の導入を検討するとよいでしょう。
スマホでのエクセル基本操作
スマホでエクセルを使う際の基本的な操作方法を紹介します。パソコン版とは操作感が異なるため、最初はやや戸惑うかもしれませんが、慣れれば効率的に使えるようになります。
ファイルを開く・新規作成する
エクセルアプリを起動すると、最近使用したファイルや保存先のリストが表示されます。
- 既存ファイルを開く場合: 「OneDrive」などの保存先を選択し、閲覧したいファイルをタップします
- 新規作成する場合: 画面下部の「+」アイコンをタップし、「空白のブック」または各種テンプレートから選択します
メールに添付されたエクセルファイルを開く場合は、添付ファイルをタップして「Excel」アプリで開くを選択します。
データ入力と編集の基本
スマホでのデータ入力や編集は、タッチ操作を中心に行います。
- セル選択: 編集したいセルを1回タップします
- データ入力: セルをタップして選択後、画面下部に表示される入力バーに文字や数値を入力します
- 編集モード切替: セルをダブルタップするか、画面上部の編集アイコン(鉛筆マーク)をタップすると、文字入力モードとメニュー操作モードが切り替わります
- 数値入力の効率化: 数値入力時はキーボードを数値モードに切り替えると効率的です。キーボード設定アイコンをタップすると専用の数値入力キーボードが表示されます
画面操作と表示の調整
小さな画面でも効率よく作業するためのテクニックです。
- ズーム操作: ピンチイン/ピンチアウト(指を広げる/閉じる)で画面の拡大/縮小ができます
- 画面スクロール: スワイプ操作で表の範囲内を移動できます
- 横画面表示: 画面を横向きにすると、より広い範囲を表示できるので作業がしやすくなります
データ入力と編集のテクニック
スマホでのエクセル操作をさらに効率化するためのテクニックを紹介します。
コピー&ペーストの方法
- コピーしたいセルをタップして選択します
- セルを長押しするか、ダブルタップします
- 表示されたメニューから「コピー」を選択します
- 貼り付け先のセルをタップして選択します
- セルを長押しするか、ダブルタップします
- 表示されたメニューから「貼り付け」を選択します
セルの範囲選択
複数のセルを一度に選択する方法です。
- 最初のセルをタップして選択します
- セルの周りに表示される太線の角にあるハンドル(丸い部分)をタップします
- 選択したい範囲までドラッグします
書式設定の変更
セルの見た目を整えるための操作です。
- 書式を変更したいセルを選択します
- 画面下部のメニューから「ホーム」タブを選択します
- フォント、配置、数値書式などの設定を変更できます
表の見栄えを整える(罫線の追加)
- 罫線を引きたいセルを選択します
- セルを囲む太線の左上または左下の丸(ハンドル)をタップします
- 罫線を引きたいセル範囲をスワイプして囲みます
- 画面下部に表示される罫線のアイコンをタップします
- 使用したい罫線のスタイルを選択します
クラウド連携とファイル共有
スマホでエクセルを活用する上で、クラウドサービスとの連携は重要です。
OneDriveとの連携
マイクロソフトのクラウドストレージ「OneDrive」と連携することで、複数のデバイス間でファイルを共有できます。OneDriveに保存したファイルは、スマホでもパソコンでも同じように開いて編集できます。
OneDriveに保存する場合は、ファイル保存時に保存先として「OneDrive」を選択します。自動保存機能を有効にしておくと、編集内容がリアルタイムで保存されるので安心です。
ファイルの共有方法
- 共有したいファイルを開きます
- 画面上部の「共有」アイコンをタップします
- 「OneDriveリンクとして共有」の設定アイコンをタップします
- 共有の設定(表示のみか編集可能か)を選択します
- 共有したい相手を選択するか、リンクをコピーして送信します
スマホ特有の便利機能
スマホ版エクセルには、パソコン版にはない便利な機能もあります。
カメラ機能を使った書類のPDF変換
スマホのカメラを使って紙の書類を撮影し、直接PDFに変換して保存できる機能があります。会議資料や名刺などをデジタル化するのに便利です。
PDFへの署名機能
PDFファイルに直接手書きで署名できる機能も搭載されています。承認書類などにその場で署名して送り返すことができるため、業務の効率化につながります。
Copilot AIによる操作支援(有料版)
2025年のアップデートで追加されたCopilot AIは、自然言語での操作指示やデータ分析をサポートします。「売上データから先月比の折れ線グラフを作成して」といった指示をするだけで、AIが適切な操作を実行します。この機能はMicrosoft 365サブスクリプションが必要です。
よくあるトラブルと対処法
スマホでエクセルを使用する際によく発生するトラブルとその対処法を紹介します。
アプリが起動しない場合
- スマホを再起動してみる
- アプリをアンインストールして再インストールする
- スマホのストレージ容量に空きがあるか確認する
ファイルが開けない場合
- ファイル形式が対応しているか確認する(古いバージョンのエクセルファイルは開けない場合があります)
- ファイルが破損していないか確認する
- マクロが含まれている場合、スマホ版では開けない場合があります
編集内容が保存されない場合
- インターネット接続を確認する(クラウド保存の場合)
- ストレージの空き容量を確認する
- 「名前を付けて保存」で別の場所に保存してみる
まとめ:携帯でエクセルを活用するポイント
スマートフォンでエクセルを活用することで、いつでもどこでもデータを確認・編集できる環境が整います。特に外出が多いビジネスパーソンにとって、移動時間や待ち時間を有効活用できる点は大きなメリットです。
無料版でも基本的な機能は十分に使えますが、業務で頻繁に使用する場合はMicrosoft 365のサブスクリプションの導入も検討するとよいでしょう。画面が小さいため複雑な操作は難しいですが、データの確認や簡単な編集であれば実用的です。