PowerPoint(パワーポイント)を使用してプレゼンテーション資料を作成する際、目的のファイルを即座に開くことができれば、業務の開始がスムーズになります。
多くのユーザーは、PowerPointを起動してから「開く」メニューを辿り、フォルダ階層深くにあるファイルを探すという手順を繰り返しています。
しかし、この一連の動作にかかる時間は、1回あたり数秒から数十秒であっても、毎日積み重なると無視できない大きなロスとなります。
特に、複数のプロジェクトを並行して進めている場合や、急な修正対応が必要になった場合、ファイルを探す手間はストレスの要因にもなりかねません。
今回は、この問題に対照するためにWindowsの基本機能やPowerPointの設定をフル活用し、起動時にファイルを素早く開くためのテクニックを紹介します。
タスクバーのジャンプリストを極める
WindowsのタスクバーにあるPowerPointアイコンには、「ジャンプリスト」と呼ばれる強力な機能が備わっています。これを利用すると、PowerPointを起動してメニューを操作することなく、最近使ったファイルや特定のファイルに直接アクセスできます。
ジャンプリストからファイルを開く手順
- タスクバーにあるPowerPointのアイコンを右クリックします。
- 表示されたリスト(ジャンプリスト)の中に、「最近使ったもの」というセクションが表示されます。
- 目的のファイル名をクリックすると、PowerPointが起動し、そのファイルが直接開きます。
よく使うファイルをピン留めする
毎日更新する日報や、現在進行中のプロジェクト資料など、頻繁に開くファイルはジャンプリストに「ピン留め」することをお勧めします。「最近使ったもの」は新しいファイルを開くたびに更新されていきますが、ピン留めをしておけば常にリストの上部に表示され続けます。
- タスクバーのPowerPointアイコンを右クリックし、ジャンプリストを表示します。
- 「最近使ったもの」リストにある、固定したいファイル名にマウスカーソルを合わせます。
- ファイル名の右側に表示されるピンのマーク(一覧にピン留めする)をクリックします。
- リストの最上部に「固定済み」というセクションが作成され、選択したファイルが常時表示されるようになります。
不要になった場合は、同様の手順でピンのマーク(一覧からピン留めを外す)をクリックすれば解除できます。
Windows検索機能でファイル名を直接入力する
ファイル名がわかっている場合は、Windowsの検索機能を使うと、素早くファイルを開くことができます。
- キーボードの Windowsキー を押します(または画面左下のスタートボタンをクリックします)。
- そのままファイル名の一部を入力し始めます(例:「企画書」「2024」など)。
- 検索結果に目的のPowerPointファイルが表示されたら、Enterキー を押して開きます。
この方法は、保存場所を忘れてしまったファイルを探す際にも有効です。
PowerPoint起動後の「最近使った項目」活用術
PowerPointを起動した直後の画面(ホーム画面)や、「開く」タブに表示される「最近使った項目」も、適切に設定・管理することでアクセス速度が向上します。
バックステージビューでのピン留め
アプリ内でも、タスクバーと同様にファイルのピン留めができます。複数のデバイスで同じアカウントを使用している場合は、この設定が同期されることもあるため便利です。
- PowerPointを起動し、「ホーム」または「開く」タブを選択します。
- 「最近使った項目」の一覧から、頻繁に使用するファイルを探します。
- ファイル名にカーソルを合わせ、右側に表示されるピンのマーク(この項目を一覧に固定する)をクリックします。
固定されたファイルは一覧の上部、または「ピン留め」タブに集約されるため、大量の履歴に埋もれることなく即座に見つけることができます。
表示するファイル数を増やす
デフォルトの設定では、表示される最近使ったファイルの数が少なく、少し前のファイルがすぐに消えてしまうことがあります。この表示数は設定で増やすことができます。
- 「ファイル」タブをクリックし、左下の「オプション」を選択します。
- 「PowerPointのオプション」ダイアログボックスが開いたら、左側のメニューから「詳細設定」を選びます。
- 下にスクロールし、「表示」セクションを探します。
- 「最近使用したプレゼンテーションの一覧に表示するプレゼンテーションの数」の数値を変更します(最大50まで設定可能)。
- 「OK」をクリックします。
スタート画面をスキップして起動時間を短縮する
PowerPointを起動すると、通常はテンプレート選択や最近使ったファイルが表示される「スタート画面」が立ち上がります。しかし、すぐに「ファイルを開く」ダイアログを出したい場合や、とりあえず白紙から作業を始めたい場合、この画面を経由するのはワンクッション余計な動作となります。設定を変更することで、この画面をスキップし、直接編集画面を開くことができます。
スタート画面を表示しない設定手順
- 「ファイル」タブをクリックし、「オプション」を選択します。
- 「全般」タブを選択します(デフォルトで選択されています)。
- 「起動時の設定」セクションにある、「このアプリケーションの起動時にスタート画面を表示する」のチェックを外します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
次回起動時からは、スタート画面が省略され、直接「新しいプレゼンテーション(白紙)」が開くようになります。
キーボードショートカットで素早くファイルを開く
マウス操作よりもキーボード操作の方が、手元から視線を外さずに操作できるため、慣れれば圧倒的に速くファイルを開くことができます。特に上記のスタート画面をスキップする設定と組み合わせると効果的です。
必須のショートカットキー
- Ctrl + O:「ファイルを開く」画面(バックステージビュー)に直接移動します。最近使ったファイルの一覧もすぐに確認できます。
- Ctrl + F12:「ファイルを開く」ダイアログボックス(エクスプローラー形式)を直接表示します。フォルダ階層を辿ってファイルを探す場合に最適です。
- Ctrl + N:新しいプレゼンテーション(白紙)を作成します。
例えば、PowerPointを起動(スタート画面スキップ設定済み)し、即座に Ctrl + O を押せば、直近のファイルリストにアクセスできます。マウスでメニューをクリックする回数を減らすことが、時短への近道です。
ファイルを素早く開くためのフォルダ整理術
PowerPointの機能だけでなく、ファイルの保存場所やアクセス方法そのものを見直すことも重要です。
クイックアクセスの活用
Windowsのエクスプローラーには「クイックアクセス」という機能があります。よく使うプロジェクトフォルダをここに登録しておくと便利です。
- エクスプローラーを開き、よく使うフォルダを右クリックします。
- 「クイックアクセスにピン留めする」を選択します。
これにより、PowerPointから Ctrl + F12 でファイルを探す際、左側のナビゲーションウィンドウの一番上にそのフォルダが表示されるようになり、深い階層までクリックして進む手間がなくなります。
デスクトップショートカットの作成
古典的ですが、今すぐ開きたいファイルへのショートカットをデスクトップに置いておくのも有効です。
- エクスプローラーで対象のファイルを右クリックします。
- 「その他のオプションを確認」(Windows 11の場合)を選択し、「送る」>「デスクトップ(ショートカットを作成)」をクリックします。
デスクトップにアイコンが作成され、ダブルクリックするだけでファイルが開きます。ただし、デスクトップがアイコンで埋め尽くされると逆効果になるため、現在進行中の重要ファイルだけに限定するなど、ルールを決めて運用しましょう。
OneDriveやSharePointの活用
ファイルをPCのローカルドライブではなく、OneDriveやSharePointに保存しておくと、PowerPointの「最近使った項目」がデバイス間で同期されます。オフィスのPCで編集していた続きを、外出先のノートPCで開く際、ファイルを探すことなく「最近使った項目」の最上部からすぐにアクセスできます。
「最近使ったファイル」が表示されない場合の対処法
もし、「最近使ったファイル」の一覧に何も表示されない、あるいは固定できない場合は、WindowsやOfficeの設定を確認してください。
Windowsの設定で「最近開いた項目をスタート、ジャンプリスト、ファイルエクスプローラーに表示する」がオフになっている可能性があります。
- Windowsの設定を開き、「個人用設定」>「スタート」を選択します。
- 「最近開いた項目をスタート、ジャンプリスト、ファイルエクスプローラーに表示する」をオンにします。
また、組織のアカウントを使用している場合、管理者によって履歴の表示が制限されているケースもあります。
まとめ
PowerPointでファイルを素早く開くためのテクニックを紹介しました。
- タスクバーのジャンプリストを活用し、起動前にファイルを選択する。
- 頻繁に使うファイルはピン留めして固定する。
- スタート画面をスキップする設定を行い、起動直後の待ち時間を減らす。
- Ctrl + O や Ctrl + F12 などのショートカットキーを習得する。
- クイックアクセスにフォルダを登録し、保存場所へのアクセスを短縮する。
これらの操作は一つ一つが数秒の短縮ですが、毎日繰り返すことで大きな時間の節約になります。まずは「ジャンプリストへのピン留め」から始めて、徐々に他のショートカットなども取り入れてみてください。快適な環境を整えることで、本来のプレゼンテーション作成業務に、より多くの時間を割くことができるようになります。