今回は、PowerPointで作成したスライド全体のフォント(書体)を、一括で別のフォントに置換する方法について紹介します。
プレゼンテーション資料を作成している途中で、「やっぱり明朝体ではなくゴシック体にしたい」や「会社の指定フォントに変更しなければならない」といった状況が発生することがあります。
スライドの枚数が少ない場合は、テキストボックスを一つずつ選択してフォントを変更することも可能ですが、数十枚もあるスライドを手作業で修正していくのは非常に時間がかかりますし、見落としによる書式の不統一が生じるリスクもあります。
PowerPointには、このような修正作業を数回のクリックで完了できる便利な置換機能が備わっています。
ここでは、スライド内のフォントをまとめて変更する手順と、うまく置換できない場合の対処法について見ていきます。
「フォントの置換」機能を使った一括変更
PowerPointの標準機能である「フォントの置換」を使えば、現在使用されている特定のフォントを、指定した別のフォントへ瞬時に置き換えることができます。
この機能は、スライド全体はもちろん、スライドマスター内に設定されたフォントにも適用されるため、漏れなく変更を加えることが可能です。
フォントを一括置換する手順
操作はホームタブから簡単に行うことができます。
- 画面上部の「ホーム」タブを開きます。
- リボンの右側、「編集」グループの中にある「置換」ボタンの横の小さな矢印(▼)をクリックします。
- 表示されたメニューの中から「フォントの置換」を選択します。
- 「フォントの置換」という小さなウィンドウが表示されます。
- 「置換前のフォント」のリストから、現在使われている(変更したい)フォントを選びます。
- 「置換後のフォント」のリストから、新しく設定したいフォントを選びます。
- 「置換」ボタンをクリックすると、スライド全体で使用されていた該当フォントが一括で変更されます。
複数の異なるフォントを使っている資料で、すべてを1つのフォントに統一したい場合は、この操作をフォントの種類ごとに繰り返すことで対応できます。
フォントの置換がうまくいかない場合の確認ポイント
便利な置換機能ですが、状況によっては「置換ボタンを押したのに変わらない」というケースに遭遇することがあります。
そのようなときに確認しておきたいポイントをまとめました。
全角・半角や英数字フォントの違い
置換前のリストには、現在ファイル内で使用されているフォント名が表示されますが、日本語フォントと英数字フォントが別々に設定されていることがあります。
たとえば、日本語は「メイリオ」で、英数字は「Arial」になっているような場合、「メイリオ」だけを置換しても、数字やアルファベットの部分は「Arial」のまま残ってしまいます。
文字全体を完全に統一したい場合は、英数字フォントも対象にして、同様の置換操作を行う必要があります。
グラフやSmartArtの中の文字
「フォントの置換」機能は、基本的にテキストボックスやプレースホルダーに入力された文字に対して有効です。
しかし、Excelから貼り付けたグラフ内の文字や、一部のSmartArtグラフィックに含まれる文字は、この一括置換の対象外となることがあります。
置換操作を終えた後は、スライド内の図表やグラフの文字が変わっているかを目視で確認し、変わっていない部分は個別に選択してフォントを変更するとよいでしょう。
フォント設定の効率を高めるTips
後から一括で置換する手間を省くためには、資料を作り始める段階でフォントのルールを決めておくことが大切です。
作業効率を上げるための設定方法をいくつか紹介します。
テーマのフォントを設定する
PowerPointには、「テーマのフォント」という概念があります。
あらかじめ「見出しのフォント」と「本文のフォント」をテーマとして設定しておけば、新しくスライドを追加した際にも、自動的にそのフォントが適用されます。
- 「表示」タブから「スライドマスター」を開きます。
- 「背景」グループの「フォント」ボタンをクリックします。
- 「フォントのカスタマイズ」を選び、日本語と英数字それぞれに見出し用と本文用のフォントを指定します。
このように設定しておくと、後からテーマのフォントを変更するだけで、スライド全体の文字が連動して変わるため、デザインの変更がよりスムーズになります。
既定のテキストボックスを活用する
スライドマスター以外で追加するテキストボックスについても、よく使うフォントを登録しておくことができます。
好みのフォントやサイズ、色を設定したテキストボックスを一つ作成し、その枠線の部分で右クリックします。
メニューから「既定のテキストボックスに設定」を選ぶと、次回から挿入するテキストボックスには、最初からそのフォントが適用されるようになります。
まとめ
今回は、PowerPointでスライドのフォントを一括置換する方法と、効率的なフォント管理のコツについて紹介しました。
「ホーム」タブの「フォントの置換」機能を使えば、指定したフォントをファイル全体で一度に変更できるため、手作業による修正の負担を大幅に減らすことができます。
グラフ内の文字など一部対象外になるケースには注意が必要ですが、全体の大まかな修正には非常に有効な手段です。
また、資料作成の初期段階でテーマのフォントを設定しておけば、デザインの統一感が保たれ、後々の手直しを最小限に抑えることができるでしょう。