【Word】テキストボックスをリンクさせてあふれた文字を流し込むレイアウト作成

この記事は約6分で読めます。

今回は、Wordのテキストボックス機能を活用し、複数のテキストボックスを「リンク(連結)」させて、あふれた文字を次のボックスへ自動的に流し込む方法について紹介します。

テキストボックスのリンク(連結)機能とは

Wordでニュースレターや社内報、パンフレットなど、段組みや複雑なレイアウトが求められる文書を作成する際、通常の本文入力だけでは文字の配置を自由にコントロールすることができません。
このような場面で活躍するのが、文字を入れるための独立した四角い枠である「テキストボックス」です。
テキストボックスを使えば、写真の横やページの下部など、好きな場所に文字を配置できますが、長文を入力していくと枠内に文字が収まりきらず、下に隠れて見えなくなってしまう(あふれてしまう)ことがあります。
あふれた文字を表示させるためには、枠を縦に広げるか、文字サイズを小さくするしかありませんでしたが、レイアウトの都合上それができないケースも多々あります。
この問題を解決し、雑誌のような自由な文字組みを可能にするのが「テキストボックスのリンク」機能です。
この機能を使うと、1つ目のテキストボックスと2つ目のテキストボックスを、目に見えないパイプで繋ぐ(連結する)ことができます。
リンクされた状態になると、1つ目のテキストボックスの枠からあふれた文字が、自動的に2つ目のテキストボックスの先頭へと流れ込んで表示されるようになります。

リンク機能が活躍する具体的なシーン

テキストボックスのリンクは、以下のようなレイアウトを作成する際に非常に強力です。

  • 変則的な段組み:
    ページの左半分にテキストボックスを置き、右半分にもテキストボックスを置きます。左のボックスがいっぱいになると、自動的に右のボックスに文章が続きます。途中に大きな写真を挟み込んでも、文字が写真の下を飛び越えて次のボックスへ流れるといった表現が可能です。
  • ページをまたぐ記事:
    「1ページの左下にある短い記事の続きを、3ページの右上に掲載する」といった、新聞などでよく見られる離れた場所への文字の流し込み(ジャンプ)が簡単に実現できます。

テキストボックスをリンクさせる設定手順

実際に2つのテキストボックスを用意し、それらをリンクさせて文字を流し込む基本操作を解説します。

空のテキストボックス(受け皿)の準備

リンクを作成するためには、「文字があふれている元のテキストボックス」と、「あふれた文字を受け止めるための空のテキストボックス」の2つが最低限必要です。
まず、1つ目のテキストボックスを作成し、長文を入力(または貼り付け)します。文字が多すぎて、枠の下辺に文字が隠れてしまっている状態を作ります。
次に、リボンの「挿入」タブから「テキストボックス」をクリックし、「横書きテキストボックスの描画」を選択して、スライド(ページ)上の別の場所に、あふれた文字を入れるための2つ目のテキストボックスを描画します。
このとき、**2つ目のテキストボックスの中には、改行マークも含めて絶対に1文字も入力されていない「完全に空(から)」の状態**にしておくことが、リンクを成功させるための必須条件です。

「リンクの作成」ボタンによる連結

準備ができたら、文字があふれている「1つ目のテキストボックス」の枠線をクリックして選択状態にします。
すると、リボンに「図形の書式」タブが表示されます。
「テキスト」グループの中にある、「リンクの作成(鎖が繋がったアイコン)」というボタンをクリックします。
ボタンをクリックした瞬間、マウスポインターの形が「下向きの矢印(または傾いたコップのような形)」に変化します。
このポインターの状態で、先ほど準備しておいた「2つ目の空のテキストボックス」の中をクリック(コップから文字を注ぎ込むようなイメージ)します。
これだけで設定は完了です。1つ目のボックスからあふれていた文字が、2つ目のボックスの中にパッと表示され、2つのボックスが連結された状態になります。

リンクされたテキストボックスの挙動と編集

テキストボックスがリンクされると、2つの枠は「1つの長い文章の入れ物」として振る舞うようになります。

文字の追加・削除への追従(流し込み)

リンクされた状態で、1つ目のテキストボックスの文章の途中に新しい文字を挿入したり、改行を増やしたりしてみてください。
すると、1つ目のボックスの下の方にあった文字が押し出され、リアルタイムで2つ目のボックスの先頭へと移動していきます。
逆に、文字を削除すると、2つ目のボックスにあった文字が1つ目のボックスに吸い戻されてきます。
また、1つ目のボックスの「枠のサイズ」をマウスで縦に伸ばしたり縮めたりしても、文字の流れる量(表示される文字の量)が自動的に調整されます。
この流動的な動きこそが、リンク機能の最大のメリットであり、手作業で文字を切り取って別のボックスに貼り付けるといった面倒なレイアウト調整から解放されます。

3つ以上のテキストボックスを数珠つなぎにする

文章がさらに長く、2つ目のテキストボックスからも文字があふれてしまう場合は、3つ目、4つ目とリンクを数珠つなぎにしていくことができます。
2つ目のテキストボックスを選択し、「図形の書式」タブから再度「リンクの作成」をクリックします。
そして、用意しておいた3つ目の空のテキストボックスをクリックするだけです。
このようにして、A→B→Cとボックスを繋いでいけば、どんなに長い文章でも、ページ内の好きな場所(あるいは別のページ)に配置したテキストボックスに順番に流し込んでいくことが可能です。

リンクの解除と注意点

レイアウトを変更したくなり、リンクを解除したい場合や、設定時にうまくいかない場合の注意点を解説します。

「リンクの解除」ボタンによる切断

連結を切り離したい場合は、リンクの「元」となっているテキストボックス(文字を送り出している側、上の例では1つ目のボックス)を選択します。
「図形の書式」タブの「テキスト」グループを見ると、先ほど「リンクの作成」だったボタンが「リンクの解除(鎖が切れたアイコン)」に変わっています。
このボタンをクリックすると、リンクが即座に切断されます。
リンクが切れると、2つ目のボックスに流れ込んでいた文字はすべて消え、再び1つ目のボックスの中に隠れた(あふれた)状態に戻ります。文字のデータ自体が削除されるわけではないので安心してください。

リンクが作成できない(ポインターが変わらない)原因

「リンクの作成」ボタンを押しても、2つ目のテキストボックスをクリックできない(ポインターが禁止マークになる)というトラブルがよく発生します。
その原因のほぼ100%は、**2つ目のテキストボックスが「完全に空」ではない**ことです。
枠の中に「スペース」が一つ入っていたり、見えない「段落記号(改行)」が残っていたりするだけで、Wordは「このボックスにはすでに別の文章が入っている」と判断し、リンクを受け入れてくれません。
リンク先のボックスを選択してBackSpaceキーやDeleteキーを何度か押し、中身を完全にクリアな状態にしてから、再度1つ目のボックスから「リンクの作成」をやり直すのが確実な対処法です。

まとめ

Wordでテキストボックスのリンク(連結)機能を使用して、あふれた文字を別のボックスへ自動的に流し込む方法について解説しました。
「図形の書式」タブから「リンクの作成」ボタンをクリックし、空のテキストボックスに流し込むだけの簡単な操作で、通常の本文入力では不可能な、雑誌のような自由でダイナミックな文字組みが可能になります。
文字の追加や削除、枠のサイズ変更に合わせてリアルタイムで文章が移動するため、長文のレイアウト調整が劇的に楽になります。
3つ以上の数珠つなぎや、別ページへのジャンプ、そして「リンク先は必ず空にしておく」という最大の注意点を押さえておけば、社内報やパンフレットなど、デザイン性の高い文書作成において非常に強力な武器となるはずです。