今回は、Excelの選択オプションを使って空白セルだけを選び、まとめて値や数式を一括入力する方法を紹介します。
ほかのシステムから取り込んだ一覧や、見やすさのために同じ値の入力を省いた表では、ところどころに空白セルが残っていることがあります。このままでは並べ替えや集計、ピボットテーブルで思った結果にならないことがあります。空白セルを1つずつ探して入力するのは手間がかかりますが、選択オプションとCtrl+Enterを組み合わせると、短い手順で埋められます。
この記事は、Windows版のExcel(Microsoft 365や買い切り版のデスクトップアプリ)を前提にしています。Mac版やWeb版では、メニューの名前や表示位置が異なる場合があります。
選択オプションとは
条件に合うセルだけをまとめて選ぶ機能
選択オプションは、[ジャンプ]機能の中にある、特定の条件に当てはまるセルだけを選択する機能です。選べる条件には次のようなものがあります。
- 空白セル
- 定数(直接入力された値)が入ったセル
- 数式が入ったセル
- 可視セルのみ(非表示の行や列を除いたセル)
- 条件付き書式やデータの入力規則が設定されたセル
- データや書式が含まれるシート上の最後のセル
今回はこの中から[空白セル]を使います。
選択オプションの開き方
選択オプションは、次のどちらかの方法で開きます。
- [ホーム]タブの[編集]グループにある[検索と選択]から[条件を選択してジャンプ]を選ぶ。
- Ctrl+GキーまたはF5キーで[ジャンプ]ダイアログボックスを開き、[セル選択]をクリックする。
キーボード操作に慣れている方は、Ctrl+Gから開く方法が手早くておすすめです。メニューの表記はバージョンによって少し異なる場合があります。
空白セルを選んで同じ値を一括入力する
基本の手順
たとえば、数量の列にある空白セルへまとめて「0」を入れたい場合は、次の手順で操作します。
- 空白セルを探したい範囲(例:数量の列)を選択します。
- Ctrl+Gキーを押して[ジャンプ]を開き、[セル選択]をクリックします。
- [選択オプション]ダイアログボックスで[空白セル]を選び、[OK]をクリックします。
- 範囲内の空白セルだけが選択された状態で、そのまま「0」と入力します。
- EnterではなくCtrl+Enterを押して確定します。
Ctrl+Enterは、選択しているすべてのセルに同じ内容を入力するショートカットです。Enterだけで確定すると、アクティブセル1つにしか入力されないため注意しましょう。
最初に範囲を選ぶ理由
範囲を選ばずに1つのセルだけを選んだ状態で選択オプションを実行すると、使用しているシート全体が対象になります。表の外側にある空白まで選ばれてしまうことがあるため、先に対象範囲を選んでおくのが安全です。表全体を選ぶときは、表内のセルを選んでCtrl+Aキー(またはCtrl+Shift+*)を押すと、データが続いている範囲をまとめて選択できます。
空白セルに上のセルと同じ値を入れる
省略された値を補う手順
「部署名が先頭行にだけ入っていて、下の行は空白」という表は、見た目は整っていても並べ替えや集計には向いていません。こうした場合は、空白セルに1つ上のセルを参照する数式を一括入力すると、省略された値を補えます。
- 部署名の列を選択します。
- Ctrl+G→[セル選択]→[空白セル]→[OK]の順に操作し、空白セルだけを選びます。
- 選択状態のまま「=」を入力し、↑キーを1回押します(アクティブセルがA3なら「=A2」になります)。
- Ctrl+Enterで確定します。
数式は相対参照になっているため、選ばれた各セルにはそれぞれ「1つ上のセル」を参照する数式が入ります。上のセルがさらに数式で上を参照していても、結果として直前に入力された部署名が順に引き継がれます。
数式を値に変換しておく
この状態のまま並べ替えを行うと、参照先が入れ替わって表示が崩れるおそれがあります。作業が済んだら、数式を値に変換しておきましょう。
- 部署名の列全体を選択し、Ctrl+Cでコピーします。
- 同じ位置で右クリックし、[貼り付けのオプション]から[値]を選びます。
これで数式が結果の値に置き換わり、並べ替えや抽出をしても表示が変わらなくなります。
選択オプションを活用するTips
空白行をまとめて削除する前の確認
空白セルを選んだ状態で[ホーム]タブの[削除]から[シートの行を削除]を選ぶと、空白を含む行をまとめて削除できます。ただし、一部の列だけが空白の行も削除対象になる点に注意が必要です。必要なデータまで消さないよう、判定に使う列(すべての行で必ず値が入るはずの列)だけを選んでから実行し、削除前にファイルを別名で保存しておくと安心です。
空白に見えて選ばれないセル
見た目は空なのに空白セルとして選ばれないことがあります。主な原因は次のとおりです。
- スペースだけが入力されている。
- 数式の結果として空の文字列(””)が表示されている。
- ほかのシステムから取り込んだデータに、見えない文字が含まれている。
このような場合は、TRIM関数や置換で余分な文字を取り除いてから選択オプションを使うか、[選択オプション]の[定数]や[数式]で状況を確認してから対処しましょう。
ほかの条件も組み合わせて使う
選択オプションは空白セル以外にも応用できます。
- [定数]で数値だけを選び、Deleteキーで入力値を消す(数式は残したまま、テンプレートを再利用する準備ができます)。
- [数式]を選んで塗りつぶしの色を付け、どこに数式があるかを見える状態にする。
- [可視セルのみ]を選んでからコピーし、非表示の行を除いて貼り付ける。
いずれも「条件で選ぶ→まとめて操作する」という流れは同じです。空白セルの操作に慣れると、ほかの条件にも応用しやすくなります。
操作前にバックアップを取る
一括入力や一括削除は、対象のセルが多いほど結果の確認が難しくなります。重要なファイルで作業するときは、事前にコピーを保存しておく、操作直後に結果を確認して問題があればCtrl+Zで戻す、といった習慣を付けておくと安心です。
まとめ
Excelの選択オプションを使うと、空白セルだけを選んで値や数式を一括入力できます。ポイントを振り返ります。
- Ctrl+G→[セル選択]、または[検索と選択]→[条件を選択してジャンプ]で選択オプションを開く。
- 先に対象範囲を選んでから[空白セル]を選ぶと、表の外まで選ばれるのを防げる。
- 入力後はCtrl+Enterで確定すると、選択中のすべてのセルに同じ内容が入る。
- 「=」と↑キーの組み合わせで、上のセルの値を空白へ補える。作業後は値に変換しておく。
- スペースや空の文字列が入ったセルは空白として扱われないため、事前に整えておく。
データの整理にかかる時間を短くしたいときは、空白セルを手作業で探す前に、選択オプションを試してみてください。