今回は、Wordの「大文字と小文字の変更」機能と、ショートカットキーのShift+F3を使って、英字の表記を手早く整える方法を紹介します。
この記事は、Microsoft 365のWord(Windows版・Mac版のデスクトップアプリ)を前提にしています。Web版のWord(Word for the web)では、この機能に対応していない点に注意してください。
Wordの「大文字と小文字の変更」とは
文書の中に英単語や英文が混ざっていると、「すべて大文字で入力してしまった」「見出しの単語ごとに先頭だけ大文字にしたい」といった場面が出てきます。1文字ずつ打ち直すのは手間がかかり、打ち間違いも起こりやすくなります。
Wordには、選択した英字の大文字・小文字をまとめて切り替える「大文字と小文字の変更」というボタンが用意されています。ボタンは[ホーム]タブにあります。
この機能は文字そのものを置き換えるため、フォントの見た目だけを変える設定とは性質が異なります。変換後のテキストをコピーして別のアプリに貼り付けても、変換した表記のまま扱われます。
選べる変換の種類
[大文字と小文字の変更]ボタンをクリックすると、次のような選択肢が表示されます。表示名はバージョンや言語設定によって多少異なる場合があります。
- 文の先頭文字を大文字にする:文の最初の1文字だけを大文字にし、ほかは小文字にします。英文の本文を整えるときに向いています。
- 小文字:選択範囲の英字をすべて小文字にします。
- 大文字:選択範囲の英字をすべて大文字にします。略語や強調したい語句に使えます。
- 各単語の先頭文字を大文字にする:単語ごとに最初の1文字を大文字にし、残りを小文字にします。英語の見出しや書名風の表記に便利です。
- 大文字と小文字を入れ替える:大文字は小文字に、小文字は大文字にそれぞれ反転させます。
基本の操作手順
操作はシンプルです。Windows版・Mac版ともに、次の流れで変換できます。
- 表記を変えたい英字の部分を選択します。
- [ホーム]タブの[大文字と小文字の変更]ボタンをクリックします。
- 表示された一覧から、目的の変換方法を選びます。
選択していた範囲がその場で書き換わります。結果が思っていたものと違った場合は、Windows版ならCtrl+Z、Mac版なら⌘+Zで元に戻せます。何度か試しながら、目的の表記に近いものを選ぶとよいでしょう。
Caps Lockの押し忘れを直すときに便利
よくあるのが、Caps Lockがオンになったまま入力してしまい、「wORD」のように大文字と小文字が逆になってしまうケースです。この場合は該当部分を選択し、[大文字と小文字を入れ替える]を選ぶと一度で正しい表記に戻せます。打ち直すよりも早く、入力ミスも増えません。
Shift+F3で大文字・小文字をすばやく切り替える
リボンのボタンを使わなくても、キーボードだけで変換することもできます。Windows版のWordでは、英字を選択した状態でShift+F3を押すと、表記が順番に切り替わります。
切り替わる順番は、おおむね次の3パターンです。
- すべて小文字
- すべて大文字
- 各単語の先頭文字を大文字
目的の表記になるまでShift+F3を繰り返し押し、希望の形になったところで止めます。マウスに持ち替えずに済むため、文章を打ちながら表記を整えたいときに役立ちます。
Mac版でのキー操作
Mac版のWordでは、fn+Shift+F3で同じように切り替えられます。キーボードの設定によってはファンクションキーの動作が異なる場合があるため、うまく反応しないときはMacのキーボード設定もあわせて確認してください。
ノートパソコンで反応しないときのヒント
Windowsのノートパソコンでは、F1〜F12キーに音量や画面の明るさなどの機能が割り当てられていることがあります。Shift+F3を押しても表記が変わらない場合は、Fnキーを組み合わせて押すか、パソコン側のFnロック設定を見直すと反応することがあります。設定方法は機種によって異なるため、お使いのパソコンの説明書などで確認してください。
表記を整えるときのコツ
変換する範囲をしっかり選ぶ
この機能は選択した範囲だけが対象です。段落全体を変換すると、固有名詞や略語まで変わってしまうことがあります。たとえば「各単語の先頭文字を大文字にする」を本文全体に適用すると、「iPhone」のような特殊な表記の語も「Iphone」になってしまいます。見出しや特定の単語など、必要な部分だけを選んで変換するのが失敗を減らすポイントです。
各単語の先頭を大文字にした後は軽く見直す
英語の見出しでは、冠詞や前置詞(a、the、of など)を小文字のままにする書き方もあります。Wordの「各単語の先頭文字を大文字にする」は機械的にすべての単語の先頭を大文字にするため、表記ルールが決まっている場合は、変換後に該当する単語だけ手直しすると仕上がりが整います。
略語は「大文字」で統一する
社内文書などで「pdf」「Pdf」「PDF」のように表記が混在していると、読み手に雑な印象を与えかねません。略語を見つけたら選択して[大文字]で統一しておくと、文書全体の表記がそろいます。複数箇所に散らばっている場合は、Wordの検索機能で該当語を探しながら1つずつ変換するとよいでしょう。
小型英大文字との違い
似た機能に小型英大文字があります。これは小文字の部分を、小文字と同じくらいの高さの大文字で表示する書式設定です。Windows版では、文字を選択して[ホーム]タブの[フォント]グループ右下の矢印からフォントの詳細設定を開き、[効果]の[小型英大文字]にチェックを入れて適用します。
「大文字と小文字の変更」は文字そのものを書き換えるのに対し、小型英大文字は見た目を変える書式です。文字データとして大文字にしたいなら「大文字と小文字の変更」、デザインとして大文字風に見せたいなら小型英大文字と使い分けると、意図に合った文書を作りやすくなります。
入力時の自動修正との関係
Wordには、入力中に文の先頭を自動で大文字にするなどの「オートコレクト」機能もあります。入力したそばから表記が変わってしまう場合は、大文字と小文字の変更機能ではなく、オートコレクトの設定が影響していることがあります。
すでに入力済みの文字をまとめて整えるのが「大文字と小文字の変更」、入力中の動きを決めるのがオートコレクトという役割分担で覚えておくと、どちらを調整すればよいか判断しやすくなります。
Web版のWordを使っている場合
Microsoftのサポート情報によると、Word for the webでは大文字と小文字の変更はサポートされていません。Web版で文書を編集していて表記をまとめて変えたい場合は、デスクトップアプリで文書を開いて変換するか、手作業で書き換える必要があります。
普段はブラウザで編集し、表記の統一だけデスクトップ版で行う、という分担もひとつの方法です。
まとめ
Wordの「大文字と小文字の変更」を使うと、選択した英字の表記を一度に切り替えられます。ポイントを整理すると次のとおりです。
- [ホーム]タブの[大文字と小文字の変更]から、大文字・小文字・単語の先頭を大文字などを選べる
- Windows版はShift+F3、Mac版はfn+Shift+F3で表記を順番に切り替えられる
- Caps Lockの押し忘れは[大文字と小文字を入れ替える]で直せる
- 変換は必要な範囲だけを選び、固有名詞や見出しの細かい表記は変換後に見直す
- 見た目だけを変えたいときは小型英大文字を使う
- Web版のWordでは利用できないため、デスクトップアプリで操作する
英字の打ち直しに時間を取られていた方は、まずShift+F3から試してみてください。表記を整える作業が短時間で済むようになります。